散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

映画プロフェシーをたぶん世界で一番聴いている。

2018年07月17日 | ドラマ
眠る時、BGMとしてプロフェシーという映画を流しています。むろんオフタイマーで自動で消えます。

全体に静かで、セリフも雰囲気があって、寝る時にちょうどいい、のです。DVD吹き替えは良くありません。地上波吹き替えが素晴らしいのです。CMカットして本編だけ流しています。

もっとも、この映画を知っている人からすれば「馬鹿じゃないか」ということになると思います。

ジャンルとしては「オカルト映画」だからです。

プロフェシーは予言という意味ですが、原題を直訳すると「モスマンの予言」です。モスマンを訳すと「蛾男」です。「蛾男の予言」ですから、バカじゃないかと思う人も多いと思います。

ウィキペディアにはこうあります。

「謎の怪現象に連続して見舞われた男がそれらに意味があることを突き止めてゆくミステリー作品。アメリカで実際に目撃されたモスマンを題材にしているが、制作に関わった関係者の謎の死が相次いで発生した。また、モスマンに関わった事例なども次々事故などが相次いでいるため、「モスマンの呪い」と言われている。」

こういう風にまとめられると、「全然違うよ」と言いたくなります。一番違っているのは「それらに意味があることを突き止めていく」という部分です。

意味などないのです。モスマンはただ予言をする。災害を予言する。そこに「意味」はない。むしろ「意味がないことを理解していく物語」というべきです。

モスマンが何かも全く明らかになりません。なぜ主人公に予言するのかも明らかにされません。

モスマンは「全知」ですが、神として表現されているわけでもありません。

モスマンにかつて取りつかれ、人生を台無しにした「元教授」はこんなことを言います。

「ただ高い場所にいるから、我々に見えないものが見えるだけだ。あのビルにいる男は我々より遠くが見える。我々に見えないものが見える。だからと言って神じゃない」

もちろんモスマンは実体としては登場すらしません。ただ声だけが登場します。

こんな映画なのに、なぜか最後はハッピーエンドなのです。主人公は妻を失って人生に意味を感じることができずにいたのですが、モスマンの予言によって、新しい女性を救い、結ばれます。そして「たぶん」、人生の意味をとりもどします。

すべてが「なぜ?」のままに終わるのです。おそらくこの映画を「素晴らしい」という人は多くないでしょうが、僕にとっては最高の映画です。