「核DNA解析でたどる日本人の源流」は、国立遺伝学研究所の斎藤成也さんが2017年の9月に出版した本です。
独特な言葉遣いと、独特な論理構成がある本で、決して「読みやすい」とは言えません。ただし科学的です。一般人と学者の中間ぐらいに向けた本かなと思います。「単純に結論に飛びつこう」とすれば、それを拒否されるような「科学論文特有の難しさ」があります。
今回は2度ほど読んでみました。で私なりに「興味を持ったこと」を羅列すると以下のようになります。
1、「核DNA」という言葉がきわめて重要である。日本列島人の成立に関する今までの論は「ミトコンドリアDNA」解析で語られることが多かった。情報量としては貧しいが、それが限界であった。「核DNA」そのものが分析できるようになったことにより、分析の正確さは格段に進歩した。
2、福島の三貫地貝塚から出た人骨によって、三貫地縄文人の核DNA解析が決定された。それは2016年のことである。
3、核DNA解析によれば、縄文人のDNAはきわめて特異である。東ユーラシア人および南米人に分岐する「以前に」分岐したグループと考えられる。従って現代ヤマト人や中国人、東南アジア人からは「遠い集団」に位置している。
4、核DNA分析によれば、縄文人の遺伝子情報のうち現代ヤマト人に受け継がれたのは12%である。今まではもっと高い数値が言われていたが、より正確な分析によってその数値は12%程度と結論づけられた。
5、アイヌ人は縄文人と比較的近い位置にいるが、それでもかなり離れている。まして現代ヤマト人は縄文人とはもっと離れた位置にいる。
6、現代ヤマト人と近縁なのは、南部、北部中国人である。
7、これらの分析により、数回におよび渡来した「大陸、北方、南方からの渡来人」が「縄文人」と混血し、現代ヤマト人が形成されたことは間違いない。ただし現代ヤマト人の遺伝子は圧倒的に渡来人と近く、縄文人由来の遺伝情報は12%程度と低い。
私が読み取った内容は以上ですが、核DNA解析は今後もますます進化するようで、さらに正確な分析ができるようになるようです。
独特な言葉遣いと、独特な論理構成がある本で、決して「読みやすい」とは言えません。ただし科学的です。一般人と学者の中間ぐらいに向けた本かなと思います。「単純に結論に飛びつこう」とすれば、それを拒否されるような「科学論文特有の難しさ」があります。
今回は2度ほど読んでみました。で私なりに「興味を持ったこと」を羅列すると以下のようになります。
1、「核DNA」という言葉がきわめて重要である。日本列島人の成立に関する今までの論は「ミトコンドリアDNA」解析で語られることが多かった。情報量としては貧しいが、それが限界であった。「核DNA」そのものが分析できるようになったことにより、分析の正確さは格段に進歩した。
2、福島の三貫地貝塚から出た人骨によって、三貫地縄文人の核DNA解析が決定された。それは2016年のことである。
3、核DNA解析によれば、縄文人のDNAはきわめて特異である。東ユーラシア人および南米人に分岐する「以前に」分岐したグループと考えられる。従って現代ヤマト人や中国人、東南アジア人からは「遠い集団」に位置している。
4、核DNA分析によれば、縄文人の遺伝子情報のうち現代ヤマト人に受け継がれたのは12%である。今まではもっと高い数値が言われていたが、より正確な分析によってその数値は12%程度と結論づけられた。
5、アイヌ人は縄文人と比較的近い位置にいるが、それでもかなり離れている。まして現代ヤマト人は縄文人とはもっと離れた位置にいる。
6、現代ヤマト人と近縁なのは、南部、北部中国人である。
7、これらの分析により、数回におよび渡来した「大陸、北方、南方からの渡来人」が「縄文人」と混血し、現代ヤマト人が形成されたことは間違いない。ただし現代ヤマト人の遺伝子は圧倒的に渡来人と近く、縄文人由来の遺伝情報は12%程度と低い。
私が読み取った内容は以上ですが、核DNA解析は今後もますます進化するようで、さらに正確な分析ができるようになるようです。