以下はドラマ「根の深い木」の話ですから「学問的叙述」じゃありません。自慢じゃないですが、私に学問的叙述はできません。
ハングル文字は15世紀半ば、朝鮮王朝の4代目、世宗が「発明」しました。その後、オンナ文字とか卑しい字とかいわれた「不遇時代」がありました。でも不遇時代も使用されてきました。
当然です。庶民には漢字を学ぶ機会がほぼなかったからです。王室の女性であっても、漢字は読めない方が多かったようです。少なくともドラマでは、例えば7代王の世祖の正妻などは漢字は読めません。
だから庶民はハングルを使いました。ハングルはひらがなと同じ表音文字です。
一方、漢字が読めることが階級を表していました。科挙があり、科挙は漢文でした。漢文を自由に操れることが両班(上流階級)のあかしでした。
ハングルを発明した世宗の意図には2つの解釈があります。人民の意見を聞こうとした。逆に人民に「通達」がきちんと伝わるようにしたかった。ドラマは美化されますから、当然、前者です。もっとも「きちんと通達が伝わる」のも「民の為」ではあります。悪徳役人が多かったからです。(むろん朝鮮独自の文字を作りたいが主たる動機でしょうが)
根の深い木、にはハングル公布を「阻止しようとする勢力」が登場します。
で世宗対その勢力の戦いが始まるのです。世宗は聖君とされているので、戦うイメージがなくてドラマにしにくいのですが、根の深い木は「戦う世宗」を描いています。
「反対派」にも「いいぶん」があります。「民の声をきくことが、必ずしも正しい政治を導かない」というものです。「衆愚政治の危険」を指摘するのです。一理あり、なわけです。
一方的に世宗を聖君にして、反対派を「ワル」としてはいません。まあ人殺しとか何でもするので「ワル的」ではありますが。
☆韓国の時代劇は、結構現実を反映していて「民主主義とは何か。一部の特権階級が政治を行うことの是非」などを問いかけてきます。
終わり。
補足1
今の韓国は「公教育で漢字を教えない」ようです。「よう」と書いたのは「もめている」からです。漢字教育復活を朴大統領は目指しましたが、達成したとは聞きません。
ハングルしか読めない世代がいる。これはこれで困ります。僕は困りませんが、大変な文化破壊をしたもんだな、とは思います。
補足2
朝鮮王朝は、14世紀末期に「李成桂」イソンゲが立国しました。王朝を「確立」させたのは3代イバンオンです。重臣(豪族)を粛清し、王権を強化しました。
4代目が彼の三男の「世宗」です。本名は「イ・ド」です。聖君とされていますが、そりゃ中世の王ですから、美しいことばかりやっていたわけでありません。男子が沢山いたのですが、長男相続にこだわり、病弱な長男を王とします。で、兄弟間の家督争いが起きます。家督相続では失敗をした王です。
ハングル文字は15世紀半ば、朝鮮王朝の4代目、世宗が「発明」しました。その後、オンナ文字とか卑しい字とかいわれた「不遇時代」がありました。でも不遇時代も使用されてきました。
当然です。庶民には漢字を学ぶ機会がほぼなかったからです。王室の女性であっても、漢字は読めない方が多かったようです。少なくともドラマでは、例えば7代王の世祖の正妻などは漢字は読めません。
だから庶民はハングルを使いました。ハングルはひらがなと同じ表音文字です。
一方、漢字が読めることが階級を表していました。科挙があり、科挙は漢文でした。漢文を自由に操れることが両班(上流階級)のあかしでした。
ハングルを発明した世宗の意図には2つの解釈があります。人民の意見を聞こうとした。逆に人民に「通達」がきちんと伝わるようにしたかった。ドラマは美化されますから、当然、前者です。もっとも「きちんと通達が伝わる」のも「民の為」ではあります。悪徳役人が多かったからです。(むろん朝鮮独自の文字を作りたいが主たる動機でしょうが)
根の深い木、にはハングル公布を「阻止しようとする勢力」が登場します。
で世宗対その勢力の戦いが始まるのです。世宗は聖君とされているので、戦うイメージがなくてドラマにしにくいのですが、根の深い木は「戦う世宗」を描いています。
「反対派」にも「いいぶん」があります。「民の声をきくことが、必ずしも正しい政治を導かない」というものです。「衆愚政治の危険」を指摘するのです。一理あり、なわけです。
一方的に世宗を聖君にして、反対派を「ワル」としてはいません。まあ人殺しとか何でもするので「ワル的」ではありますが。
☆韓国の時代劇は、結構現実を反映していて「民主主義とは何か。一部の特権階級が政治を行うことの是非」などを問いかけてきます。
終わり。
補足1
今の韓国は「公教育で漢字を教えない」ようです。「よう」と書いたのは「もめている」からです。漢字教育復活を朴大統領は目指しましたが、達成したとは聞きません。
ハングルしか読めない世代がいる。これはこれで困ります。僕は困りませんが、大変な文化破壊をしたもんだな、とは思います。
補足2
朝鮮王朝は、14世紀末期に「李成桂」イソンゲが立国しました。王朝を「確立」させたのは3代イバンオンです。重臣(豪族)を粛清し、王権を強化しました。
4代目が彼の三男の「世宗」です。本名は「イ・ド」です。聖君とされていますが、そりゃ中世の王ですから、美しいことばかりやっていたわけでありません。男子が沢山いたのですが、長男相続にこだわり、病弱な長男を王とします。で、兄弟間の家督争いが起きます。家督相続では失敗をした王です。