モリッシーが、“Low In High School”発売直前にビルボードに答えたメール
インタビュー記事を翻訳いたしました(2017年11月14日掲載)。
簡単なものですが、自身のエティエンヌ・レーベルではこれからも精力的に、
自分以外のアーティスト作品もリリースしたいとか、とても元気です。
"My Love I'd Do Anything for You"のオープニングの象のおたけびみたいな、
そしてラストに出てくる断末魔の悲鳴…あれはジェシーを地下に監禁(笑)して
叫ばせてたとかおもしろいしスーパーリアリズムだけど、少しひどいw
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●このアルバムは、音楽的にとても盛り沢山ですね。 "My Love I'd Do Anything for You"の
力強いロックから"The Girl From Tel Aviv Who Wouldn't Kneel”のボサ・ノヴァまで。
歌の音楽スタイルに関して、それを考えながら歌詞を書いてますか?もしくは歌詞ができた
あとにスタイルを決めるのですか?
状況は自然に決まってくる。2人の人間がお互いにこの人と合うかな、と出会うデート・
エージェンシーに少し似ている。音楽と言葉というものが出会うんだ。
●自伝と“ List of the Lost”という2冊の本を書くという経験を積んで、“Low In High School”
では歌を作るプロセスはまったく変わりましたか?それとも前と同じですか?
今までとほとんど同じだよ。言葉がページ上にうまくハマる限り、その歌はうまくいく。
私はいつも言いたいことがたくさんあると感じているので、今が違うものになろうとか新しく
なる時だ、などと感じたことはない。それ(変わらないでいること)をこらえさせられる
ことは、たいてい問題なんだが!
●当然のことながら、君主制はアルバムのターゲットですし、マックス・ロペスはアルバム
カバーで "ax monarchy"のプラカードを持っています。彼はあなたのベーシストMando
Lopezの息子ですよね?なぜ彼を選んだのですか?彼はあなたのアルバムをカバーを飾る
ことに喜んでいますか?
うん、マックスはとても興奮していた。どこかの店に入ったら、ある女性が「あなたのことは
前にどこかで見たことがあるわ」と言ったので彼は「えーと、僕はモリッシーのCDのカバー
に出てるんだ」と言ったが、彼女が言ったのはそういう意味ではなかった。彼女は彼の
先生かなんかだったんじゃないかな。
●“World Peace Is None of Your Business”のように、このアルバムの多くは、直接的に
政治を歌い、石油のための流血や警察の残虐行為いついて言及しています。80年代に書いた曲
よりもあなたの詞が明らかに政治的になったと思うのはなぜですか?(「Meat Is Murder」の
ような曲はもちろんありません)。それとも、そんなに政治的には見ていないのですか?
人々は支配者たちにうんざりしており、私はそんな世界の一部だ。小さな子供は大きくなって
大統領になることをもう望んでいないし、世界はもうすぐ有効期限ギレだという感覚がある。
もしどんなものであれ自分の気持ちや意見を持っていれば、それに背を向ける必要
はない。それこそ明日の希望だ。
●アルバムのオープニング曲、"My Love I'd Do Anything for You"で悲鳴を上げているのは何ですか?
あなたはまだオーディオサンプルのためにBBCサウンドエフェクトアルバムを頼りにしていますか?
叫び声はジェシー・トビアス(ギタリスト)。ローマのスタジオには非常に深いセラーがあり、
そのうちの1つは窮屈で風通しの悪い円形の窓なしの部屋だった。私たちはジェシーを部屋に入れて、
彼の悲鳴を録音した。私たちは最終的には彼をもちろんそこから...一週間かそこら外に出させたが。
●"Who Will Protect Us From the Police" は、現在多くの人が感じている気持ちです。けれども、
あなたが "Ganglord" (2006年)で同じ様なことを歌った当時はそうではありませんでした。
なぜ今人々が(警察の横暴に)気付いていると思いますか?
それは日常生活の避けられない部分だ。アメリカでは、死刑執行は、気まぐれであなたを殺す武装
警察官によって管理されている。警官は、彼らを擁護でうる上級警官ではなく、市民によって常に
責任を問われるべきだ。反政府派の人々を襲ったスペイン、ベネズエラ、ドイツの警察の衝撃的な
映像を見る。私たちは治安部隊をコントロールすることはできないし、だからこそ、社会はどこでも
細断処理されている。私はイタリアで自分自身で体験したが、(警察のしていることは)最悪の路上
犯罪だ。警察は一般市民に答える必要がある。もしそうするのなら、警察の残虐行為は終わるだろう。
一般市民こそ、彼らの賃金を支払っているんだ。君主制または政府は警察に賃金を支払っていない。
●あなたのアルバムをリリースするにあたり、あなた自身のレーベルEtienneを立ち上げました。その
ことで、ビジネスにどのように関わることになっていますか?あなたが予想していたよりも多くの、
もしくは少なく仕事をしていますか?楽しいですか?
世界で何が起こっても、音楽は永遠に存在する。それは大きな喜びであり、産み出し創造するのは
非常に健康的だ。私はエティエンヌを広げ、数え切れないほどのアーティストとと契約したい。
マーケティングのナンセンスからではなく、音楽を歌ったり、演奏したりすることに頼って生きている
アーティストとがいい。彼らは長期的に価値のある人たちだ。
●"Jacky's Only Happy When She's Up on The Stage" みたいな気持ちに、今までなったことがあり
ますか?それともこれは、純粋なフィクションですか?
これは事実に基づいている!私は聖職者になる向きの人間だなんて思ったことがない、例えばで言うと。
●あなたの声は音楽面で、今もなお最も独特で感情的で軽快です。それを保つための特別なテクニック
はありますか?
断じてない。多くのボーカリストが喉で歌おうとしている。それらは、がなっているだけなので、ボーカル
の形をとっていない。結果的に人が聞いているのはすべて喉からのものだ。8歳で、私はFour Topsの
"Walk Away Renee"を買った。私はリーヴァイ・スタッブス(Four Topsのボーカル)を聞いて、
私が何を望んでいたかわかった。
Four Tops - Walk Away Renee (1968) HD 0815007