Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ

かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

映画『ノーザン・ソウル』を観て~モリッシーに潜むノーザン・ソウル

2019-02-20 22:09:57 | 映画

本日、新宿シネマカリテにて公開中の映画『ノーザン・ソウル』を観てきました。

舞台は1974年、イギリス北部。最初から最後まで、ノーザン・ソウルが鳴り響く中、労働者階級の

若者が仲間に出会い、音楽~ノーザン・ソウルに出会い、自分の居場所を見つけていく物語に没頭

してきました。あと100回観たい、あの世界からずっと抜け出したくない!!と思いました。

 

映画の中で主人公が、DJが発掘してタイトルを隠しているヒミツ曲「カバー・アップ」(←隠してレアる

ことを言う)を廉価盤の中から探し当てるシーンがある。昔は今みたいにスマホで曲なんて調べられ

なかったから、クラブや街中で聴いて好きになった曲を、なんだろ、なんだろ、この曲なんだろ…って

思い続けて執拗に探したものです。

 

大学で、音楽詳しそうな人見つけると

 

「ねえねえ、これってわかったりする!?とぅーるるるる♪」

「…まったくわからね。。。」

 

なーんてやりとりを何度もした。

 

執念でレコ屋で視聴したり、たまたまラジオで聴いたりしてやっと音源見つけ出して

「こ、これだ!!!」

とタイトルに行きついた時の快感たるや、とてつもなかった。

『ノーザン・ソウル』観て、そんな音楽を好き過ぎる、必死過ぎる、大事過ぎる思いを

思い出して、自分にもまだあるなって確認して、泣きました。

 

ヤクザ映画観た人が健さんになって映画館から出てくるのみたく、上映後一目散に飛び出し

レコード掘りに行った単純な私。。。

 

「ノーザン・ソウル」というジャンル、それは大学の先輩なんかも聴いていたり、それ系のクラブ

にロンドンでも東京でも行ったこともあったのですが、私の印象に特に残っているのは1987年

NME掲載のモリッシーのインタビューでの言及です。

(と、いつものごとくすべてをモリッシーにつなげるw モリッシー、すべての道の行きつくローマかw)

 

インタビュアーにいきなりチコリー・ティップ(英国の5人組のポップ・グループ。ジョルジオ・モロダー

が手がけたシングル曲“Son of My Father”がUKチャートで1位を獲得)は知っているか聞き、

ジョニー・マーと自分は彼らのレコードをゲットするために250マイル車で走ったと言ってます

(ちょっと『ノーザン・ソウル』ぽい)。

 

その流れでインタビュアーに「ポップなノーザン・ソウル系みたいのも許容する?

ウィガンズ・オベイションとか(1975年デビューのイギリス北部のブルー・アイド・ソウルグループ)」

と聞かれます。これ、まさかと思ってインタビュアーがちょっと言ってみただけぽかったんですが、

モリッシーの食いつき方が思いがけす、すごいwww 彼らのシングル名を

立て続けに3曲分連呼。そして彼らのレーベルはノーザン・ソウルのレコード・レーベル

「スパーク・レーベル」だったということまで。

 

「え、ファンだったの!?」と聞かれ、「完璧に。生き証人として」とドヤり、

「単にデイヴ・アンド・アンセル・コリンズ~とか言ってノーザン・ソウルブームに乗ってる

ヤツだと思った??」とオタクっぷりを鼻にかけていました。

 

ノーザン・ソウル本流のレコードだけでなく派生インスパイア系のコレクターだったんですね。

本流ノーザン・ソウルについては、モリッシーの自伝や、彼の選んだ「生涯ベストシングル」

にも出てきます。ガチでシーンにいたことがわかります。

 

はじっこさんセレクトのこちらもご参考にどうぞ!↓

Morrissey's Favourite Northern Soul Classics & Motown Songs

 

そういえばモリッシーの親友リンダー・スターリングは、リバプール生まれですが

ウィガン(映画中にも出てくる、ノーザン・ソウルのアイコン的存在である

伝説的クラブ「ウィガン・カジノ」がある)育ち。プログレやフォーク、そして

ウィガン・カジノで流れるノーザン・ソウルをミックスして聴いて育ったと言って

ました。モリッシーがリンダーに初めて会うのは1976年のピストルズのライブで

なので(当時17歳)、ちょうどノーザン・ソウル真っ盛りの頃。ウィガン・カジノは

パンフレットによると81年までやってたので、一緒に行ったかもしれないですね。

 

…などと、イギリス北部育ちのモリッシーの音楽遍歴もオーバーラップさせながら

観るという、(かなりw)特殊な楽しみ方もできる『ノーザン・ソウル』!!

 

主人公が最初ダサかったとき、ザ・フォールのマーク・E・スミスの若い頃の

かっこうに似てるな~と思っていたら、パンフレットでクボケンさんが見事

言及していました(『ロックに潜むノーザン・ソウル』←今回のブログタイトルは

こちらのパク…ではなくオマージュ)。

 

これまたパンフレットが、監督・キャストインタビューに続いて、

映画ライター常川さん、日本ノーザン・ソウルシーンの面々、

そしてクボケンさん、ele-king野田努さん、ブレイディみかこさん、荏開津広さん

という私の尊敬する贅沢過ぎる執筆陣で…何度も読み返せるボリュームでお得。


こういう作り手の丁寧な愛情のあふれるパンフレットを読むのも幸せです。

是非、劇場でご覧になって音楽を好きになることの幸せに震え、見も心も躍らせて

ください♪

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