3月6日、アメリカ、ヒューストンの、アートや音楽記事を中心とした
フリーペーパー“Free Press Houston”が、モリッシーにインタビューした
記事を掲載しました。翻訳しましたので以下でご紹介します。
今年のモリッシーのツアーは3月29日のメキシコを皮切りに始まりますが、
4月14日はアメリカ、ヒューストン公演。その前にインタビューをとったようです。
短いですが、けっこう突っ込んでいて、モリッシーもリラックスした感じで
答えていておもしろいです。
モリッシー、ノーズ・ブリーズにいた説、全否定…などw
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Free Press Houston(以下、FPH):
こんなことお聞きするのは野暮で嫌なのですが、ファンはあなたがどうしてるか
あまり知らされてないので聞いていいですよね、元気にやってますか?
モリッシー:すごくピンピンとしていて、しょちゅう幸せで、元気に見えると思う。
これ以上何か求めるものなんてあるかい?あるとしたら何?
FPH:アメリカに長い間住んでいる方のひとりとして、時々イギリスを恋しくなる面は
ありますか?
モリッシー:それはあるよね。ロンドンにいても、いつもホームシックでイギリスが恋しくなる。
あまりにもロンドンは変ってしまって、私がかつて住んでいた街とはもはや似ても似つかない。
イギリスは600年もの間いかなる変化も拒んできたというのに、ただただ驚きだよ。不幸なことに、
現在、皆催眠術にかかったかのようにアイフォンを覗きこみながら歩いている、そしてすべての
ロンドンの店からは無駄に痛ましいダンスミュージックが呆れるボリュームで轟いている。
ハロッズに行くのなんて精神をやられる迷路に迷い込むよう。セルフリッジズ(高級デパート)
から出て来るとまるで車にひかれたかのような気分になるだろう。
FPH:あなたの初期の作品の歌詞の多くでは若き反抗や、皮肉をこめたユーモアを扱っていました。
いまだに社会に対して反発する若者の映画や物語に興味を惹かれますか?
モリッシー:惹かれないけど。でも私はどんなものでも誰でも芸術において社会的に受容されない
ものに常に魅力を感じてきた。そしていつも少し風変りな人々が好きだった。思うに、その好みは
残っているかも…なぜなら…それって自分自身もまさにあてはまると思うから。
FPH:若い頃のキャリアにおいて、あなたはビリー・ダフィーのいたノーズ・ブリーズ含めいくつかの
パンクバンドでプレイしたり、ちょっとの間スローター&ザ・ドッグスと歌ったりしていた言われて
います。それらの後、最近のパンクやポストパンクに興味を持ったことってありますか?
モリッシー:ノーズ・ブリーズにいた記憶がまったくないし、スローター&ザ・ドッグスで歌ったことも
もちろんない。でもある輩がいたずらにこのふたつのバンドで私が歌っていたということにしようと
思いついたのは知っている。我慢しなきゃいけないんだろうけど。そうだね、見られる都合つく限り
多くのポストパンクバンドを見てる。ザ・ブリッグス(LAのパンクバンド)が好きだったし、
リフューズド(スウェーデンのハードコアバンド)も好きだった。でも彼らは自分たちが
パンクだなんて思ってないかも。
FPH:あなたは自分自身を最近の音楽産業の状況そのもの側の人間とは思ってないと思います、
大きく肥大化したレコードレーベルより自分で作品を出す時は来ますかね?
モリッシー:ないね。私はこの件についてものすごくうぶなんだ。メジャーレーベルの
自信過剰さ加減が好きだけどね。
FPH:あなたとボズ・ブーラーは今や20年以上も一緒にツアーをまわったり曲を作っています。
一方、新メンバーのジェシー・トバイアスとも“World Peace is None of Your Business”
ではかなりの曲を一緒に書いています。あなたの曲作りの過程を教えてくれますか?
一緒に作る相手が違うと曲作りへの取り組みも変わりますか?
モリッシー:ジェシーを“新メンバー”だと思ってるのが笑えるな。彼は13年も一緒にいるんだよ!
知る限りは、歌詞と曲が的確なら誰と一緒に曲を書こうとそんなに問題じゃない。
(★参考画像:ちょうどジェシーが昨日7日、
「モリバンド13年記念」でインスタにあげた、2年前の仲良しフォト♪
…首絞められているようだが、仲良しなのか…?)
FPH:あなたのプライベートを詮索しませんが、誰か特定の人を指しているように思える曲が過去にも今も
ありますよね。“Kiss Me a Lot”や“You Have Killed Me”といった曲はある特定の人に向けて書かれたのですか?
それよりも一般的にオーディエンスに基準を合わせているのですか?
モリッシー:歌ううこととは、私にとって、完全に自己探索だ。それゆえ、私は真実を表現しなくてはならない、
それがしばしば自分だけの真実であったとしても。私は何も表現しない歌を歌えない。だから、時に完全には気付いて
いなくても、私の歌は公開可能な範囲でかなり私的な感情だ。
FPH:あなたは“Years of Refusal”のいくつかの曲を、ここヒューストンのサンライズ・スタジオでレコーディング
しましたが合ってますか?どの曲があなたとジェリー・フィンがここで作ったものか教えてもらえますか?
モリッシー:サンライズ・スタジオではシングルの “That’s How People Grow Up”を録った。あと、他の曲の
トリミングをいくつか行った。スタジオの外に鶴の住む背の高いイグサがあったのを覚えている。鶴は自動車の騒音や
人間が歩いているのをまったく気にしてないのがヘンだった。勇敢な鳥だよ。
FPH:あなたはレコードショップを見つければ入る、というほど好きですし、熱心なレコードコレクターです。
ヒューストンには“Cactus”や”Deep End”などといったレコードショップがあります。ヒューストン滞在中に
レコードを買いに行きますか?あなたは最近の音楽が好きではないですが、レコードショップではいつも
どんなレコードを探しているのですか?
モリッシー:私はジェームス・ブラウンとジャッキー・ウィルソンに興味がある。まだ聞いてない彼らのレコードを
発見できると素晴らしい。そうだね、昔の音楽だね。ショパンやベートーベンと同じくね。
FPH:あなたの最近のライブのいくつかでは、ファンのお気に入りの数曲、例えばエルヴィスの歌のカバー
“You'll Be Gone”を混ぜたりしていますね。ヒューストンではどんなパフォーマンスを計画していますか?
また新曲を聞けたりしますか?
モリッシー:あー、もちろん、なんでも起こり得る。それが私にとってエキサイティングなこと。
人目を引き、珍しい身振りをしている限り、私には居場所があると確信している。
驚くべきことには、2017年に音楽を作っている人間でも、その何人かは操り人形ってわけじゃないんだ。
これって信じられないよね?