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かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

モリッシー 新アルバムに関する唯一のインタビュー全翻訳 (HOT PRESS Aug.20) 4

2014-08-22 01:47:28 | Morrissey Interview

「モリッシーの心の平和」 日本語訳 Part4

 

◆あなたは新アルバム『ワールド・ピース・イズ・ノン・オブ・ユア・ビジネス』発売

に当たり、興味深いプロモーションビデオを先行公開しましたね。

ナンシー・シナトラとパメラ・アンダーソンそれぞれが出演した、タイトルトラックと

「アース・イズ・ザ・ロンリエスト・プラネット」の歌詞朗読ビデオです。

ナンシー・シナトラから、彼女はあなたの大ファンだと聞きました。でもパメラは

あなたのことを知っていましたか?


もちろんだよ。私はチベット人僧侶ではないんでね。

 

◆パメラと言えば、ハリウッドのセレブですよね。今まで、ハリウッド的な世界を

魅力的に感じたことはありますか?


ああ。あまりにも魅惑的で、芳しい香りに包まれ、タオルはふわふわで、インチキ礼儀作法で

満たされているからね。買い物、レストラン、そして買い物、レストランばかりのあの目的のない

生活には、すぐに仲間入りできるよ。あいにく、ハリウッドではどうでもいい情報をたくさん浴びる

ことはできるけど、憂鬱な気分にならないってことは保証されないよ…自分でわかったんだ。

 

◆究極のセックス・シンボルは誰でしょうか?

 

それは君が何を求めているか、によるよね。そして我々の社会の間違いは、みんなが

同じタイプのものを求めている、という大づかみな憶測に基づいていることだ。

パメラ・アンダーソンとパトリック・デンプシー(セックス・シンボル的存在のアメリカ人俳優)、

ふたりに会ったけど、そうだね、ふたりともとても美しかった。でもこの社会において我々は、

少なくともふたりの内のどちらかに気分をそそられないと、死んでるんじゃないかと思われ

てしまう。

 

◆きっとここ数年ずっと、あなたにはたくさんの映画出演の依頼があったに違いない

と思うのですが…


私に?映画出演??君、気は確かかい?私には、ライス・クリスピー(ケロッグの米

シリアル)とキット・カットのコマーシャル出演オファーしかなかったけど?

ああ、『マクベス』主演が控えてなくてよかった!…そんなことになったらあまりに困るから。

 

◆あなたは俳優になることができたと思いますか?

 

まだそうなれる望みがあった頃のことを言ってるの?うーん、なれなかったな、

どんな種類であれ性的なことに関心を持ったことがないんだよね。俳優とは、

何をするにも、強い官能性がそなわっていなければならないと思うんだ。

舞台の上に立っていない私の普段の生活では今までに、女性も男性も、

白サイ(アフリカに生息する最大種のサイ)も魅了したことはないんだからね。

だからそんな私が、映画の中で魅力的になんかなれっこないと思う。

 

◆『ワールド・ピース・イズ・ノン・オブ・ユア・ビジネス』は発売日に、アルゼンチン、チリ、

ペルーでチャート1位になりました。彼らの音楽の趣味の良さはさておき、なぜあなたの音楽は

南米の人々の心をとらえるんだと思いますか?


全世界に通用するようなポップ・ミュージックばかりがあふれ、多くの人々がうんざりしている。

ほとんどの歌手やグループが似たり寄ったりの音を出していて、取り替えがきくんだ。いまだに、

10曲もナンバーワンヒットを出している歌手たちの見分けがつかないんだよ。南米、ギリシャ、

トルコ、イスラエル、スウェーデンでは、私はニセ刺激物に対する解毒剤と見なされていて、

人々は私の良さをわかってくれる…そうわかったんだ。どの国で演奏しても、たいてい素晴らしい。

英国は私のことをひどい変人と思っている。私は歌いたいことしか歌わないからだと思うよ。

ほとんどの歌手は、売れそうに思える歌であれば、何でも歌うのにね。


◆今まで行った南米ツアーで、一番印象に残っているものは何でしたか?


私はバンドと一緒にいることが大好きなんだ。とってもうまくやってるし、毎日一日のしめくくりは

一緒にただ座って話して話して話しまくって、ふざけたりする。プロのセラピーを受けるより

効くね。私の印象にいつも残っているのは、サン・パウロやベロ・オリゾンテ(ブラジル)や

ボゴタ(コロンビア)やグアダラハラ(メキシコ)みたいな荒っぽい都市。もがいているみたいな

場所にものすごく愛着を感じるんだ。そういう所に私たちは一体感を感じることができる…

地元の人と同じような服を着てるしね、実際。


◆ロスで、トム・ジョーンズが前座主演したのには感激しました。どうやって実現させた

んですか?


あれは信じられない夜だったね。トムには2、3回会ったことがあった。そして、馬鹿げて聞こえる

かもしれないけど、彼は私を普通の男として扱ってくれる、数少ない人間のひとりだったんだよ。

私のグラスが空にになりそうになると、何気なく酒をつぎ足してくれたりね。それに彼は私のことを

好きみたいだった。でも彼は私の音楽は好きじゃないと思う、なぜ好きじゃないかはわかるけどね。

 

◆トム・ジョーンズから学んだことは何かありましたか?


ああ!70歳を超えても「サンダーボール作戦」(トム・ジョーンズの歌う007映画のテーマ曲)

は歌うことができて、そしてすばらしくいられるってことを学んだよ。


◆あなたが歌を聴いて「こういう歌を作れればいいのに」と思うようなアーティストは

いますか?


現在のソング・ライターにはいない。もちろん、ダミアン・デンプシー(モリッシーがファンであること

を公言しているアイルランドの人気歌手)のためならなんでもするよ、みんなそうだろうけど。

あとクリッシー・ハインドも大好きだ。でも、誰の才能もうらやましいと思ったことはない。

他のどんな歌手も、私というソング・ライターと同じような関心を持っているとは、思えないから。

 

◆その存在とテクニックの面において、どのような歌手があなたの基準になって

いますか?


繰り返しになるが、この現代においては、誰もいない。今やスターとは、コスチュームやライト

や多大な経費でごまかされた者のこと…そういったもので、我々が見ているスターたちは

実際には歌えず、何も言うべきこともない奴らだということに気がつかないように私たちの

気をそらしているんだよ。

 

(つづく)

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