神奈川工科大学/災害支援関連ブログ

2011年4月開始の「東日本大震災被災者支援ブログ」を名称変更し、さらに広い支援活動に関する実践、教育、研究を掲載します

災害時に電気の供給問題

2018-04-11 16:27:30 | 支援
今年のゴールデンウィークにはKWR車椅子修理屋サークルが東北にて修理活動を行いますが、継続する力は学生の間に受け継がれています。
思い出すに、2011年11月、学園祭の期間中にロボット・メカトロニクス学科小川研究室主催で「ディスカッション: 再考・震災と障害者の暮らし -東日本大震災を踏まえて-」と題して討論会を開きました。さまざまな障害の方々が集まり、東北での支援経験を、障害者インターナショナル日本会議の方に語っていただいた後、ディスカッションをしました。その中に、次のような発言がありました。

「厚木市にあります重症心身障害児親子の会に所属しております。私たちの厚木市では今回の震災の際は揺れが確かにひどかったのですが、建物が倒壊したりですとか日常生活ですぐに何か問題が起きたりとかは無くて停電が起きたくらいです。重症心身障害児というのは分かりにくいと思いますが、例えばタンが自分で出せない子がおりまして、停電になりますと吸引器というコンセントに差し込んで充電して使う機器が、停電になりますと吸引ができなくて生命の維持に支障が出てくる状況が今回の震災ではありました。厚木市では各避難所に発電機が設置されてると確認したのですが、実際にそこに避難した場合に生命維持に必要な吸引器に充電をさせてもらえるのか確認しますと、そういう状況にはないと聞いております。また各市町村において対応が違いまして、他市の会員の方もいらっしゃいまして、そこではその様な発電機が設置されていない状況で、発電機は市役所のみで避難所にはありませんでした。それでは子供が生きていけない。計画停電中の2時間、2回のサイクルで回ってくる吸引で充電が切れてしまうので、急遽足踏み式の吸引器を準備したり、身近な生命維持のために動いたお母さんが沢山いました。この様な情報は全く入ってきませんし、全く動けない子供を抱えてお母さんがあちこちに情報を探して走り回ったりして大変な思いをしたお母さんも沢山いました。この様な時に地域のネットワークや情報を発信してくれるところがあれば助かったのにというのが感想です。しかし、今回の災害はこちらに大きな被害は起こらなかったのですが、今後こちらにも震災が来ると聞いています。その際に各市町村に避難所が設置されるのですが、ニュースでも今度の震災で障害児の方が長く避難所で生活をしていたということは聞いていませんし、家で生活が出来ずに避難所に行ったのに駄目で仕方なしに家庭で避難生活をしていたことは聞いています。でも避難所に居ないと支援物資も頂けません。私たち障害児を抱えた親たちはどの様にすべきなのか・・・」(報告書p.10)

あれから7年を経て改善されていることと思いますが、再度、指定避難所、在宅避難での発電機の供給をいかに整備していくかは、優先されるべき課題と言えます。

支援ブログ管理者
コメント
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