神奈川工科大学/災害支援関連ブログ

2011年4月開始の「東日本大震災被災者支援ブログ」を名称変更し、さらに広い支援活動に関する実践、教育、研究を掲載します

地元市と当大学地域連携災害ケア研究センターの合同ミーティング

2021-04-28 08:56:00 | 地域と共に
 数年前から地元の厚木市と災害対策について市長室長、危機管理課長の出席を得て、会合を続けてまいりました。当大学に地域連携災害ケア研究センターが発足して以降は、実践的・研究的な面も協働で行う姿勢でおります。
 実施した大まかな内容は以下の通りです。
 日 時: 2021年4月26日(月)13:30~15:00
 テーマ:  情報交換(厚木市のコロナ対策・災害対策の状況、当研究センターの今年度の取り組み(学生・市民向け防災・災害対策講座の開講、シンポジウムの開催)等について意見交換)
 参加者: 厚木市危機管理課長、主事、臨床工学科、看護学科、情報工学科、管財課、そして地域連携・貢献センタースタッフ(スタッフは地域連携災害ケア研究センター管理室を兼務)
 おおまかな内容:
 1 厚木市におけるコロナ対策、防災・災害対策の動向
   厚木市の新型コロナ感染の現状
   神奈川県内の厚木市を含めた6市が蔓延防止法の対象となるので、諸制限についての説明
   ワクチン接種の準備状況
 2 避難所関係について
   指定避難所は48か所。緊急避難所として公民館を指定している。
   指定避難所や緊急避難所等を合わせて144か所の避難所を準備している。
   新型コロナ感染対策として、災害が発生した場合には、ある程度の施設を避難所として開く方向
   今年度の危機管理課の重点的取組
   ・ 医療的ケア児の避難所の確保
     必要最小限の医療機器用電力を日産の電気自動車で賄うための公民館整備。
   ・ 荻野運動公園の災害時必要物資の重要拠点しての整備。
   ・ 気象観測装置の3か所増設
   ・ 帰宅困難者対策
   ・ 昨年実施の水害被害調査を反映させたハザードマップ(オールハザード対応)を今年度内完成と全戸配布。
 3 昨年度実施の研究活動 防災無線の聴こえ調査と今後
    D科 上田麻理教授
   〇 パワーポイントにて発表
    ・ 調査結果と課題解決方向について意見交換を行う。
    ・ 今後も危機管理課との協働で調査研究の継続を確認する。
    ・ 厚木市との協力体制に強化と聴こえ調査結果の共有に注力することで合意する。
 4 防災教育プログラム(案)について提案
  5 コロナ禍における災害対策についてのシンポジウムの提案
 これらが話し合われました。今後、イベントなどの開催については準備ができ次第、お知らせします。

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地域連携災害ケア研究センター幹事
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熊本学園大学に学ぶ・・・その2

2021-04-22 09:27:22 | 支援
 昨日、紹介した熊本学園大学の実践で、大学避難所として活動した教員や学生さんの声には、多くの学びがあります。もう少し引用させていただくことにします。出典の本は、昨日、記載しております。
 「なぜ今回、このような避難所運営が可能だったかという理由について話します。まず、教職員や先生方ですが、基本的に職務命令で出てきた人は一人もいません。一応メールで呼びかけはしましたが、実際は「ボランタリーに、何かしなくちゃ」と出てきた人たちですね。・・・コアになる先生たちが10人ぐらい、いました。・・・次に、ボランティアの学生で。本当によく動いてくれました。・・・そして、目の前にある「やらなければならないこと」に対して、自分たちで動きます。登録されたボランティアだけで450人いました。」(p.35)
 「震災が起きてから奇跡が起きることはないんです。震災の前、どういう大学だったか、どういう学校だったか、どういう公民館だったかというのが、いざ災害が起きたときに見えてくるものなんです。」(p.39)
「在宅で医療機器を使用されている方への配慮・・・避難所の方々は電化製品を持ち込み、教室内の電源コンセントを使っていろんな充電を始めるわけですが、容量を超えてブレーカーが落ちたりして使えなくなってしまう危険性がありました。でも、このように命を守るために必要な電源があるんだということを知り、この方については優先的にホールをご案内しました。」(p.48)
 学生さんの話としては、「避難者のニーズを把握しようということで、数百人という方々の状況を把握するために、5,6人でいろいろお話を聞いたり、困りごとの相談にのったりしていました。・・・学園大の避難所がなぜ、そこまでうまく運営できたか-。やっぱり、専門職の先輩方、あらゆる分野の専門家の先生方がいらっしゃったことで、いろいろな角度から被災された方のケアができたんだと思います。」(p.85)
 以上の引用について、コメントは書きませんが、今年度も当大学では地域住民の方、市行政の方、さまざまな領域の方々と親しくお付き合いをしながら活動していくこと、それがいざという時に活きてくるものと思います。

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地域連携災害ケア研究センター幹事

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熊本学園大学に学ぶ・・・

2021-04-21 17:01:53 | 支援
 熊本学園大学は、指定避難所でも福祉避難所でもなかったようですが、とりあず大学を開放しています。そして、「どなたでもどうぞ」の精神で。
 「管理はしないが配慮はする」・・・「この避難所からは感染症は出さない」と堅く決意し、感染予防に励んでいた様子が伝わってきます。発災直後には、名簿を作るよりは、困難を抱えていそうな人に気を使ったほうがいい、と。そして、家族同様に暮らしているペットを連れてこられ、「ペットは駄目」って言った瞬間に、「あなたは避難できません」ということになってしまう、大学には、教室もあれば廊下もある、ちょっと隠れるところまで、いろんなスペースがあるので、いろいろなニーズに応えることもできる、そのような考えで、どなたも受け入れていった、それは「みんな一緒の避難所」の考え方だと思います。
 神奈川工科大学でも、目配り、気配りをすることさえしっかりできれば、区別なく多様なニーズに応えていけるはず、そう思っています。これから、そうした考えのもと、いざ発災という時に行動できるように準備していきたいと思います。

 『平成28年熊本地震 大学避難所45日 ~障がい者を受け入れた熊本学園大学震災避難所運営の記録~』(熊本日日新聞社刊、2017年11月発行)を読んで・・・

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地域連携災害ケア研究センター幹事

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有益な全国フォーラムが開催されます

2021-04-20 13:25:08 | お知らせ
 一昨年、このフォーラムに参加し、災害ケアに関するさまざまな情報を得ると共に、ネットワークを広げることができました。
 本日は、その全国フォーラムについて紹介致します。当大学が絡んでいるわけではないのですが、関心のある方にはきっと有意義だと思いますので・・・。
 昨年は、コロナのために中止になってしまいましたが、今年はオンラインで開催するそうです。

「第5回 災害時の連携を考える全国フォーラム(オンライン)」
日時は、5月26日(水)・27日(木)で、多くの分科会が設けられていますので、皆さんのご関心と重なる分野があると思います。
 下記URLのJVOAD (Japan Voluntary Organizations Active in Disaster) ウェブサイト内、特設ページをご覧ください。
  http://jvoad.jp/forum/
 申し込みの締め切りは、5/16 (4/23まで、割引きあり) とのこと。

 開催の目的として次のように掲げられています。「今年は、コロナ禍で改めて見えてきた課題を明確にし、「地域 (エリア) 」・「分野(テーマ)」・「備え(つながり)」 を柱とした20以上の分科会や全体会を通じて、多様なセクターが知り合い、課題を共有することで多種多様な災害支援の担い手が増えるきっかけを作ると同時に、次の災害に備えた連携体制の構築を目指します。」

 ご関心がありましたら、ぜひ、上記サイトにアクセスしてみてください。

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地域連携災害ケア研究センター幹事


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熊本地震から5年、大学の役割とは

2021-04-16 11:03:57 | 支援
 2016年4月14日と16日の2度にわたって発生した最大震度7の熊本地震から5年が経ちました。この2度目の地震が5年前の今日のこと。
 最近のニュースでは、熊本城の天守閣の工事が完了し、今月中には一般公開されるという。この熊本地震を振り返ってみると・・・
 直接死50人、関連死221人、豪雨による二次災害死5人の計276人が亡くなっています。熊本地震は、関連しの多さが顕著で、避難生活のストレスによる持病の悪化などが原因と言われており、死者全体の8割を占めています。熊本県が関連死を分析した結果、原因別では、避難生活の肉体的・精神的負担が4割近く、発生初期に避難環境を整備する重要性を示しています。
 大学避難所として、熊本学園大学震災避難所運営の記録「その時、教授と学生たちは自ら行動した!」と副題を付け、熊本日日新聞社から出版されています。「災害弱者に対応する福祉避難所が不足し、あっても十分機能しないことが浮き彫りとなりました。これからさらに進む超高齢化社会において、大学がどのような役割を担っていくべきか、地域社会の人々に寄り添いながら考えていかなくてはなりません。今回、あのような大きな地震に遭遇したことで、あらためてその責任を強く感じています」と冒頭に記されている。神奈川工科大学においても、同様の意識をもって災害に対する大学の役割を考え、非常時に備えていくべきだと思っています。そして、熊本学園大学での経験を活かして、準備を進めていきたいと思い、報告に記されているキーワードを、今後取り上げていきたいと思っています。

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地域連携災害ケア研究センター

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