☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『ちゃんと伝える』(2009)

2014年06月04日 | 園子温監督☆映画
『ちゃんと伝える』(2009)

監督:園子温
北史郎:AKIRA
北徹二:奥田瑛二
中川陽子:伊藤歩
北いずみ:高橋惠子
田村圭太:高岡奏輔
渡辺先生:吹越満
釣堀のオヤジ:綾田俊樹
釣具屋店員:諏訪太朗
葬儀屋:佐藤二朗
田中先生:でんでん

【作品概要】
「愛のむきだし」が国内外で高い評価を得た園子温監督が、亡き父とのエピソードを元に映画化した家族ドラマ。
【感想レビュー】
父親と息子。よく言われることだけど、男同士って難しい…。

園監督は、父親との確執をご自身の著書『けもの道を笑って歩け』の第二章でも触れています。

“父は2008年に亡くなりましたが、僕と父が腹を割って話すことは、最後までありませんでした。”
32ページより

家族をテーマにした作品が多いのも、そういった背景があるのだと思います。
園監督は、父親ともっと話せたのではないか…と後悔したのかなぁ…と思うと、観ながらなんだか切なくなってしまいました。

しかし、現実の世界では、確執を埋めていけるような、そんなきっかけはなかなか…無い。

そして、この作品の父と息子は、父の病気や入院をきっかけに、やっと打ち解ける事が出来た親子…という風に見せているが、そうではない気がするのです。

うまく言えないのだけれど、この映画は、一見すると、父と息子のシコリが、父の癌をきっかけにお互いが変化していき、改善していく事を描いているように見せているのだけども、実は全く逆の事を描いているように見えるのです。劇中の彼らは、息子のある試練がありながらもうまくいきます。けれども、額面通りに受け取れないシグナルが…。

なぜか。

それは、上滑りするような芝居がかった会話のやり取りからも伺える気がします。
これは、意図した台詞であり、意図した演出なのではないかと。

小道具の蝉の脱け殻からも。

それを、そっと持つ父。
それを、そっと持つ息子。
釣り竿のそばに蝉の脱け殻を置いてくれと病室で頼む父。
釣り竿の先端に、それを、そっとくっつける息子。

退院したら、2人で釣りに行く約束をしているのだ。
釣りは、2人の希望。
けれど蝉の脱け殻は…。
空洞のそれを大切にしても、仕方ないのに…。そこには、もう温度はないのに…。
温度のあるうちに、『ちゃんと伝える』をしなければ…。


また、園監督作品の常連俳優さんがたくさんっ
今回は吹越満さんが、素敵でした…
満島さんもちょっと出てました。

淡々と時間が過ぎていく作品ですが、一番のクライマックスの湖のシーンは、園作品臭がたっぷりです!


『ヒトラー暗殺計画 ワルキューレ作戦』

2014年06月04日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『ヒトラー暗殺計画 ワルキューレ作戦』
監督:リーアム・デール

【作品概要】
悪の化身ヒトラー暗殺計画の中心人物はフォン・トレスコウ少将とフォン・シュタウフェンベルク大佐。1944年7月20日、総統大本営“狼の巣”で実行された爆薬によるヒトラー暗殺と、引続き発動した<ワルキューレ作戦>によるクーデター。暗殺計画実行に至る経緯と背景、一時は成功したかにみえたクーデター失敗の要因、貴重な史料フィルムとナレーションで描いた英国制作のドキュメンタリー・ドラマ。

【感想レビュー】
55分の世界史のDVDでした
いつもの内容をろくに調べずに借りる癖が…。

記録映像がわりかし早いタイミングで入れ替わる上、ナレーションも早口で字幕入替が早いので、けっこう疲れます

暗殺計画ワルキューレ作戦そのものを深く掘り下げたというよりは、ドイツをそのような事態に導いたヒトラーを知る必要がある、という事で、ヒトラーのオーストリア時代に遡り、時系列に沿って解説していく、といったドキュメンタリー作品です。

ほとんどが、当時実際に記録された映像を使っているのですが、なぜかシュタウフェンベルク大佐の所は、再現…?で、ちょっと残念な感じもありました。

けれども、暗殺計画実行の7月20日の別荘の会議で、失敗した幾つもの要素を、挙げたのは分かりやすかったです。
例えば、爆弾を仕込んだ鞄をヒトラーのまずまずそばに置いたのに、シュタウフェンベルク大佐の退席後に、足元の鞄が足に引っかかり邪魔だったのでズラされてしまった事など、トム・クルーズ主演の『ワルキューレ』にも似たような描写はありました。ちょっと違うようにも思ったけども…。

とはいえ、焦点は暗殺計画の中心人物はフォン・トレスコウ少将だったと思います。
ほぼ、知っている内容だったのですが、ダイジェストを早送りを観ているようで、ちょっと疲れてしまいました