☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『私の頭の中の消しゴム』(2004)

2014年06月21日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『私の頭の中の消しゴム』(2004)

監督 :イ・ジェハン
チェ・チョルス:チョン・ウソン
キム・スジン:ソン・イェジン
ソ・ヨンミン室長(スジンの元不倫相手):ペク・チョンハク
アンナ・チョン(ヨンミン妻の同級生):イ・ソンジン
キム社長(スジン父):パク・サンギュ
【作品概要】
不治の病と闘いながら、きずなを深めていくカップルを熱演する。“若年性アルツハイマー”という重いテーマを扱いつつも、最後まで希望を捨てないエンディングは秀逸。今までの韓国映画とは一線を画す、美男美女による格調高い恋愛ドラマ。(Yahoo!映画より)

【感想レビュー】
『サヨナライツカ』のイ・ジェハン監督作品なので、観たいな…と思いつつ、恋愛映画は苦手なので後回しにしていましたが、先日、WOWOWで放送していたので、やっっと観ました。
この手の映画は、ツッコミながら観てしまうと味わえないので、そこの感覚には蓋をして(!!!!)観ました

『サヨナライツカ』は後半が残念な感じが否めないのですが…前半は映像美が素晴らしいし、何度も観る作品なので、映像美には期待して観ました

ストーリーもありきたりですし、展開も早いし(ここは良かったです)、主人公の2人の容姿や雰囲気、細々としたエピソードが肝だなぁ…などと偉そうに観ましたが…まんまとちょっと泣きました
(私のどこにそんな一面が…)でも、少女漫画の世界に連れて行ってくれます

しかし、その涙も吹き飛んだのは…吹き飛んだのは…医師の老けメイク…。
これは…まさか…『サヨナライツカ』でも観たあの…老けメイクでは…

うーん、うーん。

それでも、主人公の2人の雰囲気は良かったです。男性に漂う粗野な見た目とその精神は、育ちから来るものの、どこか理知的な雰囲気が漂っていたり。
女性の方は、さぞ大事に育てられたのでしょう、というお嬢様育ちながら、視聴者に反感を持たれなそうな感じなので。
俳優陣が良かったです

しかし、あの老けメイクは…。
イ・ジェハン監督の美意識を持ってしてなぜ…。


『MOVIE BOX-ING ムービーボクシング 2ノーパンツ・ガールズ』(2004)

2014年06月21日 | 園子温監督☆映画
『MOVIE BOX-ING ムービーボクシング 2ノーパンツ・ガールズ』(2004)

【作品概要】
毎年函館で開催される<函館港イルミナシオン映画祭>が主催するシナリオ大賞の優秀作品を映像化する短編オムニバス企画“Movie Box-ing”の第2弾作品。今回は、大賞を受賞した森田剛行の『ノーパンツ・ガールズ』を基に、3人の気鋭監督が独自の切り口で競作。作品は、現役学生の月川翔監督による第1話「ノーパンツ・ガールズ」、「アニムスアニマ」の斉藤玲子監督の第2話「ノーパンツ・ガールズ外伝」、そして「自殺サークル」の園子温監督が描く第3話「大人になったら」の3本で、同一の原作とは思えない三者三様の世界観が展開していく。
「ノーパンツ・ガールズ」、「ノーパンツ・ガールズ外伝」、「大人になったら」(ツタヤディスカスより)

【感想レビュー】
園子温監督の過去作品を巡る旅。ついに20作品目です。
なんというか…、タイトルにもめげずに借りて観ました。
『性戯の達人 女体壺さぐり』や『うつしみ』も観たので、もう怖いものなど無いのだ‼ガハハ的なテンションであります

これは、原作『ノーパンツ・ガールズ』を元に3人の監督が撮ったものなのですが、三者三様でそういう意味では面白かったです。
小学生の高学年の女の子達が、退屈な日常を憂いている…というシュールで、でもありそうな話。(ノーパンという生理的に受け付けない状況にはあえて目を瞑ります…)

【第1話 月川翔監督】
「ノーパンツ・ガールズ」
大人びた女の子達と子ども全開の同級生の男の子達の対比が懐かしく思いだされる、まずまず爽やかな作品でした。

【第2話 斉藤玲子監督】
「ノーパンツ・ガールズ外伝」
女性の監督だからなのかは分からないですけど、女性が主体の目線は居心地が良かったです。

【第3話 園子温監督】
「大人になったら」
お目当ての作品。これは…やっぱり三作品の中でもぶっっ飛んでおりました…

少女達の、退屈過ぎる子どもである状態から早く“大人になりたい”という願望を映像化した、ちょっとリアルでショッキングな内容です。
サーッと流して観れば、変化球のアダルトビデオ的な要素を楽しめばいいのかも…。私には分かりませんが…

ただ、園監督らしいなと思ったのは、成人女性達が小学生の格好でランドセルを背負っているシーン。
内面の“大人”を、可視化しているのです。しかしそれ位ならまだありそうなのですが…、教室のシーンで、女性教師が教壇に立って、静かにしなさい!とクラス中に呼びかけるシーンで、教師が子どもになり、大人になりたい少女達が成人女性の画になるところ。
しかし、廊下に彼女達を呼び出して諭すシーンでは、教師が成人女性に戻って、少女達は元通り子どもの画になるところ。

そういえば、『Strange Circus 奇妙なサーカス』(2005)の中にも、成人した女性が小学生の格好でランドセルを背負って歩くシーンや教室に居るシーンがあります。それは勿論、理由があってのシーンなのですが、画だけ切り取ると、アダルトビデオと紙一重な感じに…!
この短篇映画に、撮るにあたってどのような裏話があるのかは分かりませんが、原作がある中で、画によってある種の二重の概念を持ち込む辺りが、園監督っぽいな…などと偉そうに観ました…。