あれもこれも

灰原中心二次創作サイトの創作人によるあれこれ日記。何かありましたら「拍手」からどうぞ。お礼は名探偵コナンの小ネタ三種類。

雪山賛歌『沈黙の~』感想(ツッコミ&雑感編)

2011-04-22 23:26:53 | 感想(アニメ等)
 映画第十五弾にして初めて山が舞台の作品であり、公開当時からコ哀的に物凄いらしいという評判に、例年より一週間以上早く見てきました2011年の劇場版名探偵コナン。



 以下は著しく主観に基づくネタバレ、辛口の感想(ツッコミ&雑感)です。苦手な方はご注意を。


 いつもはガラガラの地方のシネコンのレイトショーと思えないほどの観客に驚きましたが、これもコ哀効果か?と始まる前からちょっとニヤニヤ。そして鑑賞中は哀ちゃんの活躍とコナンとの絡みに終始ニヤニヤ、終わってからはコ哀妄想にひたすらニヤニヤ。某様の「心置きなくニヤニヤするためには一人で行くべき」という趣旨の呟きの意味がよくわかりました。

 映画全体としては推理要素はかなり寂しい反面、制作側が「アクションに注目!」と強調していたようにアクションには力が入ってました。分野としてはミステリーと言うよりも雪山パニックアクションという感じで、どことなくハリウッド映画のような雰囲気でした。アメリカでアニメ制作に携わっていたという新しい監督さんの方向性でしょうが、主人公の活躍が超人的過ぎてギャグなのか?と一瞬疑ってしまうくらいにありえないシーンが多かったのもハリウッド的に見えた原因なのかもしれません。
 とはいえ毎年劇場版コナンには「ありえないご都合主義」だとツッコミを入れてきましたが、今年ほどやってもらうと逆に割り切れるもので、実際登山者視点からはトンデモすぎて一種のファンタジーとして楽しく観ることができました(それでも流石にオイオイ\(- -;)というところも数か所ありましたけどね…)

 それを象徴するのがまさしくOP前の15分だったと思います。トンネルをスケボーで逆走、さらに重力を無視して天井を走行しただけでなく地下鉄が飛び出すほどの爆発に巻き込まれたのにコナンはもちろん死者が無しという、ここまで来るともはや清々しい展開にとにかくレベル7に認定するからお前はBABELに入れと思っていたのですが、今回のコナンのエスパーぶりはまだまだ序の口だったと今ならわかります。
 
 そしていつものOPがスタート。いつもどおり子供になった経緯や博士の発明品紹介(劇場版スタッフの弁当箱型FAXへのこだわりにはもはや愛すら感じますw)、正体を知る人物として哀ちゃん登場、探偵団と小学生生活について…って組織は?
 確かに今回の映画には組織は全く関係ないとはいえ、黒い服の切れ端さえ感じさせないという徹底ぶりにちょっと唖然といしているうちに、奇跡のトンネル爆破事件の警視庁発表からストーリーが再開してました。
 ここからはもうツッコミどころのオンパレードですが、人間とは恐ろしいもので北ノ沢村に到着する頃には、今回の映画の常識のスルー度に完全に慣れてしまっていました(笑)

 というわけで北ノ沢村に来てからはひたすらコ哀のターンだったわけですが、書いていると長くなったのでコ哀と哀ちゃんについては独立した記事を用意したので、よろしければそちらをご覧くださいませ。

 哀ちゃんの活躍もさることながら今回の映画では探偵団の活躍も大きかったです。事件のカギを握る冬馬君のキャラクター性もありストーリーを回す役目を彼らが担っていましたしね。私は灰原贔屓なのでどうしても彼女を中心に見ますが、全体としては今回の映画はコナンと哀ちゃんを含めた探偵団の映画だったと思いました。

 一方でわりを食った形でかなり影が薄かったのが一応メインヒロインの蘭です。途中でもクライマックスにもそれなりに新蘭シーンは入ってはいましたが、例年に比べて申し訳程度と言う感が否めませんでした。
 おそらく新蘭のポイントの一つであろうお土産エピソードも「園子に言われてその気になって」というどうにも受動的なものですし、クライマックスの新一の携帯に電話をするシーンにしても、ここで近くに居ない新一に電話をしてどうするよ?と思いますし、何となくパニックで錯乱しているような感じに見えます。みんなが必死になって雪を掘ってるのに蘭だけ出血という演出もやり過ぎ感があるんですよね。
 いや、この作品の劇場版には必ず新蘭シーンがいることはこれまでの経験から痛いほどわかっているのですが、それでももうちょっと入れ方があるんじゃないかなあと、もうちょっと蘭というキャラクターの良さが出るシーンにしてあげて欲しかったです。
 
 さて登山者目線としてはとにかく粗が目立ったというか、おそらくまともに冬山をやる人がスタッフにいなかったんでしょうね。スノーシューハイクなどは明らかに流行だから入れたんでしょうけど、きっとスノーシューなんて履いたこともない上にちゃんと取材もしてなかったと思います。
 クライマックスの雪崩にしても現実的かどうかはこの際置いたとしても、あれほど無駄知識を披露しているコナンが、なぜ両手で口元を覆うだけで格段に生存時間が延びるという雪崩の対処法を知らないのかということについてはツッコみたいところです。
 それからタイトルから雪崩の生存率の15分が関係するというのは予測できていましたが、別に時限爆弾じゃないんだから15分きっかりを計って云々という話じゃ無いんですよね。あくまで「目安」としての時間ですから。哀ちゃんの「あと一分切ってる」とかかなりおかしなセリフになってしまってます。それに上に書いたようにちょっとした事でこの15分と言うのは大幅に伸びますしね。
 確かにこの辺を厳密にやるとクライマックスシーン自体が成立しないのですが、メインのシーンなだけにキャラクターたちの必死さがナンセンスに見えるような形にはしないでいただきたかったです。去年の『天空~』が半硬式飛行船の設定をうまく利用してストーリーとアクションを構成していただけに残念でした。
 
 哀ちゃん中心視点の哀ちゃん贔屓の私としては今回の映画は本当に満足の行く映画だったのですが、それはキャラ映画として見た場合であって、映画全体としての評価はそれほど高くありません(そうはいってもコ哀映画としてはDVD化のあかつきには何度も繰り返し視聴することは間違いないほど気に入っています!たとえ「どないやねん」と言われても灰原視点では傑作です(笑)


 以下はいつも通りツッコミどころの箇条書きです。いつもよりマニアックなのは登山者仕様です。
・江戸川コナンはすでに人間じゃないと思います!
・「言葉は凶器」これは全くその通りですね。もしかしたら幼いころの新一少年も蘭と喧嘩をしている時に博士に言われたのかもしれませんね。私も心したいと思います。
・いくら工藤新一の存在を隠したって記者会見でこれだけ「コナン少年」を連呼したら隠している意味がないよね。
・おっちゃんに眼鏡の魅力を小一時間説教してやりたい!と思ったのは私だけではないはず!
・いくら幼馴染でもこれだけ複雑な感情を持っていて、よく全員集合できたものだと思う。
・しかも幼馴染五人のうち3人が犯罪者って、かなりヤバいような・・。
・博士の少年探偵団への貢ぎっぷりはどんどん酷くなっている気がするので、哀ちゃんには体重管理だけではなくぜひ財務管理もしてあげて欲しい。
・セブイレのマジックファイルネタの仕込が意外と面白かったです。小林先生のお土産を選ぶ哀ちゃんのセンスが秀逸。
・これもマジックファイルネタですが、事件を聞いて始発に乗ってすっ飛んでくるくらい親友を愛してやまない平次に何かお土産を買ってあげても良いと思うよ、工藤君?
・EDの雪山はおそらく室堂からの立山だと思うのですが、ということは北ノ沢ダムのモデルは黒部ダムなんでしょうか?舞台は新潟と言いながらモデルが黒部ダムってまんまホワイトアウトですね。
・園子は本当に良いやつですよね。こんな良い子とつきあえる京極さんは本当に幸せですよ。
・ゲスト声優の戦場カメラマン氏は去年の子役や一昨年の歌手よりはマシでしたけど、ほぼ本人役でのあの登場はただのギャグ要員でちょっと可愛そうな気がします。
・犯人にあれだけの技術力と行動力があって、なぜ「ダムの底に潜水する」という発想がでなかったのかが今回最大のミステリーだと思います。
・雪崩に埋もれるコナンの探偵団バッチは鳴らすという発想が出なかったのも謎。
・さらにあのシチュエーションで新一用の携帯に着信するってdoc〇moもびっくりですね。
・雪崩が出てくる山岳ミステリーとしては『狼は瞑らない』が一番のお勧めです。政治家と開発とテロリストが出てくる設定は同じですがこちらはかなりのハードボイルドです。

 それでは今年もダンナの一言で締めたいと思います。
  毛利探偵がずっと起きてたのにびっくりした!
 ってそこかよ(笑)




 
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