あれもこれも

灰原中心二次創作サイトの創作人によるあれこれ日記。何かありましたら「拍手」からどうぞ。お礼は名探偵コナンの小ネタ三種類。

『名探偵コナン 灰原哀物語~黒鉄のミステリートレイン』を見ましたよ

2023-01-09 23:04:31 | 感想(アニメ等)
 ついに!というかいよいよ!というか年末に唐突に発表されて衝撃のままに待った『名探偵コナン 灰原哀物語~黒鉄のミステリートレイン』が公開され、初日は無理でしたが、公開二日目に見て参りました。
 
 というわけで以下、感想です。


 いつもながら映画館にはぎりぎりに飛び込んだものの、初日観覧の先達の教えに従いパンフだけを購入していざ劇場へ。「今までの哀ちゃんの歩みを振り返りつつのベルツリートレイン編の総集編」という前情報はあるものの、ベルツリー急行編ってそんな哀ちゃん大活躍!ってわけでもないのでは?という疑問に、ティザーはバスジャックの時のコナンと哀ちゃん、といういったいどんなだよ!?という不安と期待にあふれて座席に着くと早速始まります。

 まずOPですが、控えめに言って最高ですね。いつもの江戸川の口上を灰原さんが言ってくれます。とてもいい。カッコいい。途中で哀ちゃんのやることなすことに口出しせずにはおられないお猪口の器な江戸川君がツッコミを入れてきますが、最高の灰原さんを眺めている私は余裕で聞き流しますよ。勝者の余裕というものです。

 それにしてもこういう形でこれまでの宮野志保とシェリー、そして灰原哀の軌跡を見てるとそれだけで胸が詰まります。
組織の中で薬を開発していたこと、その後ろにはお姉ちゃんの明美さんの存在があったこと、その大好きなお姉ちゃんが自分を目的にしたFBIのハニートラップに利用された挙句に自分を組織から抜けさせようとして犯罪に手を染めた上に殺されたこと、この一連の流れに組織に反抗して殺されかけたこと、それならとAPTXを服用したら幼児化して、「藁にもすがる思いで」(私はここの部分をコナンくんに100回書き取りさせて音読させたいのよ)工藤新一のところに来たこと。
 もうね、ここまでの彼女の人生がね…だって、まだ18なんですよ、彼女。新一や蘭と一歳しか変わらないのに、守ってくれる人は誰もいなくて、たったい一人のお姉ちゃんの存在が支えで、でもそのお姉ちゃんには自分が、自分にはお姉ちゃんがお互いに頸木になってるという現実を18歳の女の子が一人で背負ってたんですよ。
それでも頑張って生き抜いてくれて、今灰原哀として生きててくれてることが、たまらなく愛おしいです。

 この時点でもう長年醸し続けた灰原哀というキャラクターに対する感情があふれるのを止めれられませんでした。

 そして本編スタート。ここからは現在の灰原哀というキャラクターを描く原作からのダイジェストシーン。懐かしの黒の組織からきた女からテンポよく続いていきますが、これもまた重要シーンの連続でこれまでの哀ちゃんの軌跡が胸を締め付けます。
 その中でも、これには触れないわけにはいかない!明美さんと志保さんの最後の会話の喫茶店のシーンですよ。姉妹の最後の対面になったあの喫茶店。お互いがお互いを思いやり心配していた二人を見る度に私の涙腺は崩壊しそうになるんですが、別れ際ですよ。席を立とうとする明美さんがね、テーブルから伝票を自然にスルりと抜くんです。それはとてもお姉ちゃんの仕草で、それだけで二人がどんな姉妹だったのかが浮かんできます。
 これはパンフのネタバレにもなるんですが、哀ちゃんの声を担当している林原さんがこれまでの哀ちゃんの印象的なシーンとして「お姉ちゃんの留守電」を挙げておられて、「写真もデータもない自分にとって唯一残された思い出」っていうコメントがついていたんですけど、まさにそうなんですよね。宮野志保としては記憶以外何一つ持ち出せてないんですよ。(それだけにタイムカプセル事件で子供の頃のものとはいえ、写真が手に入ったのは良かったんですが、返す返すもあの時の江戸が(ry…いえ、やめましょう)
 
 そんなまさに何一つ持たないで新生活を始めた哀ちゃんが周囲とどう関係を築いてきたのかを中心に名シーンをドーンと並べながら続きます。ただ個人的には青の古城から探偵団との関係を描くのであれば歩美ちゃんの「哀ちゃん」呼びのキャンプ場の話は入れてほしかったなあと思ったり。

 で、そんな灰原哀ダイジェストが終わってミストレ本編が始まります。ミストレ、事件については一ミリも覚えてなかったので、いっそ初見くらいの初々しい気持ちで見れました。
 ストーリーそのものについての感想はサンデーの感想でずっと書いていたことと大きく変わることは無いんですが、10年を経た(いや、私も記事の日付見て愕然としましたけども)今の原作コナンの状況から考えると改めて「宮野志保(シェリー)の立ち位置」の特別さが際立っているなと思います。あれから10年、さすがに少しは話は展開しましたが、しかし一方で哀ちゃんが組織や真相にぐっと関わるような原作エピソードはほとんどなかったというのも事実です。結果、ラムや組織周りの登場人物が少しは増えたりその正体がわかったりはしましたが、物語の本質やAPTXの秘密については10年前からほとんど進展はないわけでですが、逆説的に哀ちゃんの関りが薄かったことはこのことの証左にもなっています。
 なぜなら彼女は組織、FBI、公安等の全ての勢力が手中に入れたがっているワイルドカードだからです。組織について、その目的や真相はもはや哀ちゃんの存在無くしては語れないくらいのキーストーンの位置に彼女はいます。だから今回のように彼女の身柄がターゲットになる時、全ての勢力を巻き込んだ動きにならざるをえないんですよね。
 そんなある意味では主役であるコナンよりもゲームチェンジャーな彼女をどの陣営が手に入れるかによって趨勢が決するといっても過言でもない存在という、彼女が背負うものの大きさに胸が締め付けられる思いがします。本当はお姉ちゃんを大事にしたかっただけの普通の18歳の女の子なのに。

 としみじみと事件を見ていたら最後にコナンが締めくくりのように「彼女は今、信じようとしている。仲間を」みたいに良いことを言ってまいたが、これについては灰原モンペとしての私は「いや、名探偵は友達面してるかもしれんけど、あいつら(安室やら赤井やら)は哀ちゃんの仲間とちゃうやろ!!」と高速のツッコミを入れたのはいうまでもありません。

 で、ED。緊迫感のあるカッコいいEDですよね。私はコナン本編映画のEDもこういうやつの方が好みなんですが。

 最後はいつものED後のおまけ。BIG大阪のカップ、ピーナッツバターとブルーベリージャムのサンドイッチ、博士、と好きなものに囲まれている今の哀ちゃん。ここに来たときは何も持ってなかったけど、今はこんなに大切なものがあるんですよね。どうかどうか、映画のEDでも彼女が大切もの、好きなものに囲まれて笑顔でいれますように。

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