鬱のようだ。
家に一人でいると、わけもなく涙が出てくる。
それで今朝、夫が大阪に還ってから、
お風呂に入って気分を変えて、少しお出かけすることにした。
行先は、ごく最近できたらしいイオンタウン。
私の家の最寄り駅の川西能勢口は能勢電の始発駅でもある。
ふだんは梅田行きか神戸行きばかりだが、
その能勢電に乗って鼓が滝というところにできたらしいイオンタウンに行くことにした。
川西能勢口駅で切符を買う前に路線図を撮影した。
が、写りが悪くてよく見えない。
路線図の上部の黄色の部分が能勢電の路線ということだけお分かりいただけたら、
その根元の部分が川西能勢口駅である。
まず川西能勢口駅のホーム。
次は、絹延橋駅。
これは、昔、池田に中国から織姫が来て織ったものを染めて洗った名残の名称だと思う。
その次が滝山駅。
これは西行の歌にちなんだ駅名と思う。
西行の歌というのは
音に聞く鼓ヶ滝をうち見れば川辺に咲きしたんぽぽの花[2](白百合の花)
「たんぽぽの花」と「白百合の花」と2説あるようである。
次の駅が「鶯の森」、その次が今日行こうとしているイオンのある「鼓が滝」駅。
写真を写しそびれたが、「鼓が滝」駅で降りて、イオンへ。
この場所は、昔、道路を隔てた向かい側にあった「ダイエー」の駐車場だったところだ。
イオンの中を一渡り見学してから、道路の向かい側のダイエーを撮影した。
ダイエーは閉店したようだ。
私は、新しくできて賑わっている場所より、こうした寂しい場所のほうに惹かれる。
道路を渡ってダイエーまで行った。
やっぱり思った通り、閉店したお知らせが貼ってある。
昔は、このダイエーが賑わって、この辺りは渋滞が激しかった。
新しくできたイオンのあったところ全部が駐車場だったくらいたくさんの車だった。
こういうところを目の当たりにすると、栄華盛衰という言葉が浮かぶ。
中内功氏のダイエーも、かつてはあれほど栄えていたのに・・・。
ダイエーの店名自体が大栄だったと記憶している。
中内さんも草創期はよかったが、年取ってからは時代を見る目が狂ってきたのだろう。
最後は株主総会でも糞みそに言われたとか聞いている。
一度は栄耀栄華の渦中の人であっただけに哀れであった。
そんなことを思いながら、ダイエーの裏の銀橋を渡って猪名川を撮影した。
猪名川も、ここらあたりは流れが狭隘になっていて、独特の景観だ。
向こうに見える鉄橋のあたりに西行の鼓が滝があったと言われている。
*
★栄えれば滅ぶが此の世の定めにて中内功のダイエー閉店
★新しくできたイオンの店舗より心惹かれるダイエーの店
★渋滞を招きてをりしダイエーの店がこんなになるとは誰も
★猪名川で子らを遊ばせその帰途に寄りしダイエー栄えてゐたり
★あのころはわれも夫も若かりきお金なくても喧嘩もせずに
★子供らを育てることに心血を注ぎしわれとあのころの夫
★年取りてこんな喧嘩をするやうになるとは夢にも思はざりけり
★猪名川の多田のあたりで一日を一家で楽しく過ごしたことも
★上の子が小学生で下の子が幼稚園児でありしあのころ
★末の子はまだをらざりしあのころの一家四人の写し絵のこる
★ダイエーでラーメン定食食べたこと炭水化物ばかりのメニュー
★あのころはお金がなくて安ければ何でもよかつた夫婦でありき
★われと子を此の世で一番大切に思ひてくれしあのころの夫
★義母義妹きびしくあれど夫さへゐればよかつたあのころのわれ
★このごろの夫われより他の女おもひてをるやわれを忘れて
★同窓の女性はたまた社会人講座で知り合ふ未亡人たち
★夫ゐぬ女ら化粧して若く見せてデートに誘ふや否や
★騙される者が悪いか化粧して騙す女が悪いか知らず
★ダイエーがつぶれてイオンできるごとわれは忘られ家に籠れる
★テレビにも出てゐし美人同級生来れば同窓会は華やぎ
★今もなほ美人のままでゐる人はかつてテレビで司会してゐき
★七十を四つ過ぎても妖艶な人がマドンナ同窓会の
★労はりをいただけなくば家にゐるばかりの妻は老けるばかりで
★家にゐて家族ささへてこしことを誇りに今も思ひ家妻
★外に出る妻にあらねば化粧せず服も買はざりかつても今も