自分の幼かったころのクリスマスの思い出で心に残っているのは、
幼稚園児くらいだったころ、
近所の子が持っていたゼンマイで動くウサギが欲しくてたまらなかった。
それがクリスマスイブの翌朝、私の枕元にあった驚き。
サンタさんはいると確信した。
が、そのころ、近くの児童公園に行くと、少し年かさの男の子たちが、
「サンタクロースなんか嘘だ。あれは親が買って枕元に置いているだけだ」と言っているのを聞き、
また驚いた。
私は、親にゼンマイで動くウサギがほしいなんて一言も言った覚えがなかったから、
それは違うと思った。
それは私の幼かったころの思い出だが、
今度は私が親になってからの私の子供たちの思い出もある。
私の上の二人の子は、小学校に入学しても、まだサンタさんを信じていて、
クリスマスイブの日は、ベランダの窓を少し空かせて寝た。
翌朝、枕元にプレゼントが置かれているのを発見した二人の子は、
ベランダから空に向かって、
「サンタさん、ありがとう」と大きな声でお礼を言っていた。
上の二人の子は、比較的大きくなるまでサンタクロースを信じていたと思う。
年の離れた第三子については、あまり記憶にないが、この子は上の子たちがいたせいで、
そんなに大きくなるまで信じていたことはなかったと思う。
いま自分が老人になって思うことは、
子供たちには、できるだけ長く、こうした夢を見させ続けてやりたいということだ。
そうすれば、大人になって辛いことがあっても、
子供の頃の楽しかった思い出を思い出して、また生きる力を甦らせることができると思う。
できれば、大人になってからも、いや一生、夢を見続けていられればと思う。
*
★朝おきてゼンマイ仕掛けのウサギさんありしに驚く幼(おさな)でありき
★わが子らは窓を閉めずに寝た夜を覚えてゐるやサンタを待ちて
★クリスマスイブの翌朝大声で空に向かひて言ひしありがたう
幼稚園児くらいだったころ、
近所の子が持っていたゼンマイで動くウサギが欲しくてたまらなかった。
それがクリスマスイブの翌朝、私の枕元にあった驚き。
サンタさんはいると確信した。
が、そのころ、近くの児童公園に行くと、少し年かさの男の子たちが、
「サンタクロースなんか嘘だ。あれは親が買って枕元に置いているだけだ」と言っているのを聞き、
また驚いた。
私は、親にゼンマイで動くウサギがほしいなんて一言も言った覚えがなかったから、
それは違うと思った。
それは私の幼かったころの思い出だが、
今度は私が親になってからの私の子供たちの思い出もある。
私の上の二人の子は、小学校に入学しても、まだサンタさんを信じていて、
クリスマスイブの日は、ベランダの窓を少し空かせて寝た。
翌朝、枕元にプレゼントが置かれているのを発見した二人の子は、
ベランダから空に向かって、
「サンタさん、ありがとう」と大きな声でお礼を言っていた。
上の二人の子は、比較的大きくなるまでサンタクロースを信じていたと思う。
年の離れた第三子については、あまり記憶にないが、この子は上の子たちがいたせいで、
そんなに大きくなるまで信じていたことはなかったと思う。
いま自分が老人になって思うことは、
子供たちには、できるだけ長く、こうした夢を見させ続けてやりたいということだ。
そうすれば、大人になって辛いことがあっても、
子供の頃の楽しかった思い出を思い出して、また生きる力を甦らせることができると思う。
できれば、大人になってからも、いや一生、夢を見続けていられればと思う。
*
★朝おきてゼンマイ仕掛けのウサギさんありしに驚く幼(おさな)でありき
★わが子らは窓を閉めずに寝た夜を覚えてゐるやサンタを待ちて
★クリスマスイブの翌朝大声で空に向かひて言ひしありがたう