アメリカの中学校の時間割は、少し日本と違っている。例えば、半年を通して毎日同じ時間割が繰り返されたり、体育の授業があるときもあれば、無いときもあったりする。また、成績が良ければ「上級クラス」をとることができ、英語(国語)と数学は、高校の単位を取得することもできる。能力のある生徒は、こうしてさらに勉強を進めることができるのが、いかにも合理主義のアメリカらしい考え方だ。実際、学校での勉強を終えて社会に出るときには、ほとんどの人が自分の強味を活かして就職先を見つける。だから、得意な分野を伸ばせることのできるアメリカの上級クラスのシステムは、日本人の私から見ても理にかなっている気がする。しかも、生徒も100点をとってそれで終わりではなく、その教科が得意な生徒たちとさらに切磋琢磨できるというのは、得意分野を伸ばす手助けになるのではないだろうか。
ちなみに、フランスには飛び級のシステムがある。小学生のうちは簡単に飛び級をさせるので、多くのクラスに1~2人くらいは、飛び級をしてきた、年齢でいうと1学年下の子が混ざっている。ただし、この場合は全教科が他の生徒より成績が良くないといけないため、少しハードルが高くなる。だから、中学、高校と進むにつれ、飛び級できる生徒の数は少なくなるだろう。そういった意味では、教科ごとに上級クラスを設けているアメリカの方が、より生徒の特性を生かしている気がする。また、フランスでは簡単に飛び級させる一方、簡単に落第もさせる。成績が悪い生徒は小学生でも同じ学年をやり直させるので、こちらも飛び級する生徒同様、多くのクラスに1~2人くらい1つ年上の生徒が混ざっていたりする。
日本では、飛び級も、落第も、上級クラスもない学校が一般的だが、私がフランス、アメリカで子育てをした経験から言うと、上級クラスのシステムが1番子供に良い気がしている。