4月9日から25日まで、娘たちは春休み。そのちょうどなか日に当たる4月18日の月曜日、
友達から「娘たちを連れて、牧場を見にこないか?」とのお誘いがあった。元はと言えば
1ヶ月以上前に、「機会があったら娘たちを連れて牧場見学に行ってもいいか?」と
私がお願いしたのだが、たまたま有給をとって、午後時間が空いたという事で私の
お願いを思い出してくれたらしい。もちろん、すぐさまOKの返事をして、待ち合わせの
午後4時に彼女のお宅を訪れた。
彼女の家は、私たちの住むサラン・レ・バンから車で10分の所にある村だが、広大な
牧草地と放牧場のなかに家はたったの4軒。しかも、その内の2軒は彼女のパートナーの
弟とその叔父さんの家で、残りの1軒はどこかで管理している山小屋で普段人は住んで
いない。
牧場を運営しているのは、彼女のパートナーとその弟の2人。40頭の大人の牛と、20頭
余りの若牛、さらに20頭余りの子牛を飼っている。私の友人とそのパートナーの弟の
奥さんはそれぞれ別にフルタイムの仕事をしているので、2人だけで合計80頭余りの牛の
世話をしている。
小雨の降るなか牧場に着いた私たちは、早速子牛の居る小屋を見せてもらった。子牛たちは
出来るだけ早く母牛から引き離されて、子牛だけを集めた小屋で育てられる。驚いた事に、
母牛が乳牛なのにも関わらず、母牛からお乳を貰えるのはほんの短い期間で、あとは
粉ミルクで育てられるそうだ。考えてみれば、乳牛なのだから牛乳を売るのが目的で飼って
いる訳で、高く売れる牛乳を得るために年に一度出産させられているのだから、そのお乳を
全て子牛に飲まれたら商売にならないのは当たり前。しかし、身の回りの動物といえば
ペットばかりの私にとっては、この辺からすでに違いを痛感させらてしまった。
ちなみに、牧場で飼っている牛は、全部雌牛で、雄牛が生まれた場合は、すぐさま肉牛と
して売られてしまうというから、この辺りも商業動物とペットの大きな違いだ。
↓子牛たちは臆病だが、とても好奇心が旺盛。少し離れたところに固まって、みんながこっちを見ている
↓牛の哺乳瓶は、バケツに乳首を付けたもの
子牛を見せてもらった後は、おやつを頂き、6時頃になると今度は放牧されていた成牛を
集めて搾乳をするところを見せてもらった。「アヨヨヨヨヨヨヨヨ~」という独特の
音程とリズムで声を掛けて牛を集める方法もあるそうだが、今回は犬を使って牛を集める
ところを見せてもらった。
↓1頭当たり1ヘクタール以上の牧草を確保しなければならないので、広大な敷地を必要とする
↓犬が放たれる前、くつろいでいる牛たち
↓犬が放たれるとすぐに立ち上がり…
↓犬が放たれた3秒後には牛たちは列をなして搾乳場に向かう
先日、この辺りで生産されるコンテというチーズの記事(チーズの住人)を書いたが、
フランシュ・コンテで飼われている牛からとれる牛乳は全てコンテを始めとするチーズに加工される。
そのため、各農場で絞られた牛乳は、その日の内にチーズ加工場のトラックが集めに来る。
チーズの品質のために牛の種類も指定されていて、フランシュ・コンテでは写真のような
白地に茶色の斑模様のモンベリヤード(95%)とフレンチ・シメンタール(5%)の2種類の
牛しか飼われていないそう。私たちがスーパーで買う飲用の牛乳は日本でよく見る白黒模様の
牛で、ここで見られる白茶模様の牛はフランス内でもこの地域特有の牛で、チーズ作りに
適している上にチーズ加工用に売った方が高値で買い取ってもらえるため、飲用として市場に
出回る事はないそう。牛一頭あたりの搾乳量は1日平均20リットで、この農場では成牛が
20頭いるので、1日の搾乳量は800リットルにのぼる。
↓搾乳の様子
↓さっき牛を集めた犬と下の娘
搾乳が終わった牛たちは再び放牧場に戻されて夜を過ごす。と言うのも、牛は夜の間も
人間のように長時間眠る事はないらしく、昼だろうが夜だろうが2時間寝ては草を食べる
という事を繰り返すそう。しかし、冬の間は牛舎で飼われているので、この辺りの牛が
放牧場に出てき始めたのは1ヶ月ほど前。フランシュ・コンテの春の訪れは、牛の放牧に
よって知らされるのだ。
↓冬の間、牛たちの食料となる干し草を保管する場所。今はほとんど空になって、子供達の
いい遊び場所
↓牛は雄も雌もツノが生えるが、子牛のうちにツノが生える部分を焼いてしまうことで
ツノが生えなくなるそう。こうすることで、お互いに傷つけあったりする事を防ぐ
↓うまくツノが焼けていないと、後々ツノが生えてくる
この日は牧場の仕事のほんの一部を見せてもらったが、下の娘は将来牧場で働きたいと言い出したほど
牧場の生活が気に入ったらしい。忙しい時間を割いて私たちを招いてくれた友達に感謝!
友達から「娘たちを連れて、牧場を見にこないか?」とのお誘いがあった。元はと言えば
1ヶ月以上前に、「機会があったら娘たちを連れて牧場見学に行ってもいいか?」と
私がお願いしたのだが、たまたま有給をとって、午後時間が空いたという事で私の
お願いを思い出してくれたらしい。もちろん、すぐさまOKの返事をして、待ち合わせの
午後4時に彼女のお宅を訪れた。
彼女の家は、私たちの住むサラン・レ・バンから車で10分の所にある村だが、広大な
牧草地と放牧場のなかに家はたったの4軒。しかも、その内の2軒は彼女のパートナーの
弟とその叔父さんの家で、残りの1軒はどこかで管理している山小屋で普段人は住んで
いない。
牧場を運営しているのは、彼女のパートナーとその弟の2人。40頭の大人の牛と、20頭
余りの若牛、さらに20頭余りの子牛を飼っている。私の友人とそのパートナーの弟の
奥さんはそれぞれ別にフルタイムの仕事をしているので、2人だけで合計80頭余りの牛の
世話をしている。
小雨の降るなか牧場に着いた私たちは、早速子牛の居る小屋を見せてもらった。子牛たちは
出来るだけ早く母牛から引き離されて、子牛だけを集めた小屋で育てられる。驚いた事に、
母牛が乳牛なのにも関わらず、母牛からお乳を貰えるのはほんの短い期間で、あとは
粉ミルクで育てられるそうだ。考えてみれば、乳牛なのだから牛乳を売るのが目的で飼って
いる訳で、高く売れる牛乳を得るために年に一度出産させられているのだから、そのお乳を
全て子牛に飲まれたら商売にならないのは当たり前。しかし、身の回りの動物といえば
ペットばかりの私にとっては、この辺からすでに違いを痛感させらてしまった。
ちなみに、牧場で飼っている牛は、全部雌牛で、雄牛が生まれた場合は、すぐさま肉牛と
して売られてしまうというから、この辺りも商業動物とペットの大きな違いだ。
↓子牛たちは臆病だが、とても好奇心が旺盛。少し離れたところに固まって、みんながこっちを見ている
↓牛の哺乳瓶は、バケツに乳首を付けたもの
子牛を見せてもらった後は、おやつを頂き、6時頃になると今度は放牧されていた成牛を
集めて搾乳をするところを見せてもらった。「アヨヨヨヨヨヨヨヨ~」という独特の
音程とリズムで声を掛けて牛を集める方法もあるそうだが、今回は犬を使って牛を集める
ところを見せてもらった。
↓1頭当たり1ヘクタール以上の牧草を確保しなければならないので、広大な敷地を必要とする
↓犬が放たれる前、くつろいでいる牛たち
↓犬が放たれるとすぐに立ち上がり…
↓犬が放たれた3秒後には牛たちは列をなして搾乳場に向かう
先日、この辺りで生産されるコンテというチーズの記事(チーズの住人)を書いたが、
フランシュ・コンテで飼われている牛からとれる牛乳は全てコンテを始めとするチーズに加工される。
そのため、各農場で絞られた牛乳は、その日の内にチーズ加工場のトラックが集めに来る。
チーズの品質のために牛の種類も指定されていて、フランシュ・コンテでは写真のような
白地に茶色の斑模様のモンベリヤード(95%)とフレンチ・シメンタール(5%)の2種類の
牛しか飼われていないそう。私たちがスーパーで買う飲用の牛乳は日本でよく見る白黒模様の
牛で、ここで見られる白茶模様の牛はフランス内でもこの地域特有の牛で、チーズ作りに
適している上にチーズ加工用に売った方が高値で買い取ってもらえるため、飲用として市場に
出回る事はないそう。牛一頭あたりの搾乳量は1日平均20リットで、この農場では成牛が
20頭いるので、1日の搾乳量は800リットルにのぼる。
↓搾乳の様子
↓さっき牛を集めた犬と下の娘
搾乳が終わった牛たちは再び放牧場に戻されて夜を過ごす。と言うのも、牛は夜の間も
人間のように長時間眠る事はないらしく、昼だろうが夜だろうが2時間寝ては草を食べる
という事を繰り返すそう。しかし、冬の間は牛舎で飼われているので、この辺りの牛が
放牧場に出てき始めたのは1ヶ月ほど前。フランシュ・コンテの春の訪れは、牛の放牧に
よって知らされるのだ。
↓冬の間、牛たちの食料となる干し草を保管する場所。今はほとんど空になって、子供達の
いい遊び場所
↓牛は雄も雌もツノが生えるが、子牛のうちにツノが生える部分を焼いてしまうことで
ツノが生えなくなるそう。こうすることで、お互いに傷つけあったりする事を防ぐ
↓うまくツノが焼けていないと、後々ツノが生えてくる
この日は牧場の仕事のほんの一部を見せてもらったが、下の娘は将来牧場で働きたいと言い出したほど
牧場の生活が気に入ったらしい。忙しい時間を割いて私たちを招いてくれた友達に感謝!