日本・フランス・アメリカ 3つの国をくらべてみたら

アメリカでの生活を中心に、6年半暮らしたフランスや母国日本との違いに触れながら、気の向くままに書いていきます。

ガレット

2013-01-26 23:45:28 | 
フランスには1月に“ガレット・デ・ロワ;Galette des Rois”と呼ばれるケーキを食べる習慣がある。元々、1月2日以降
最初の日曜日の『公現祭(エピファニーとも呼ばれる)』というキリスト教の行事にまつわるケーキだそう。公現祭とは
クリスマスにキリストが誕生したことを祝って、当方から3人の博士がお祝いに駆け付けた日。この3人の博士の事を
フランス語で“ロワ・マージュ;Rois Mages”と呼び、このガレットにも“ロワ”の名前が付けられた。

しかし、フランス語で“ロワ;Roi(Roisは複数形)”には“王”の意味があって、ガレット・デ・ロワにも王冠が
欠かせない。と言うのも、1月になるとケーキ屋、パン屋、スーパーなどで売られるガレット・デ・ロワは必ず
紙でできた王冠と一緒に売られている。

実は、ガレット・デ・ロワには食べ方がある。人数分、または人数+1人分に切られたガレットの中には“フェーヴ;Fève”
と呼ばれる、陶器で出来た小さな人形だったり、何かをかたどった物が1つ入っていて、それが当たった人が王様になるのだ。
切ったケーキを分ける際には、切り口からフェーブが見えてしまった場合でも公平になるように、一番年少の人が
テーブルの下に隠れて「これは誰に?」とケーキを配る人が聞くと、その場に居る人の名前を言って誰の分かを決めて
行く。王様になった人は、王妃を指名することができる。

食べ方と言ってもたったこれだけの事だが、子供などが居るととても盛り上がる。フランス人はこのガレット・デ・ロワが
大好きで、1月中は事あるごとにこのケーキを食べる。毎年、フランスの人口に相当する数のガレット・デ・ロワが売れると
言うから驚き。もちろん、手作りする人もいるので、実際の消費量は更に多いだろう。

ガレット・デ・ロワは地方によっても違うようだが、この辺りではパイ生地にアーモンドパウダーを練って作った生地が
入っている。もっと南の方では、リースの形をしたブリオッシュで出来ているガレット・デ・ロワもあるそう。
ちなみに、人数+1人に切り分けるのは貧しい人への施しの意味があるようで、いかにもキリスト教的。ケーキの中に
入れられるフェーブは“ソラマメ”の意味で、もともとは本物のソラマメが入れられていたそうだが、19世紀後半から
陶器でできたフェーブを使うようになったそう。

娘たちと、朝ごはんにガレットを食べた↓


フェーブ↓


ちなみに、最近日本でもガレット・デ・ロワを販売している店があるそうだが、こういった習慣を知らないことから
フェーブを異物混入と勘違いして苦情を言ってくる人が居るため、ケーキの中にフェーブを入れずに添付して、
説明書きと一緒に渡しているお店もあるそう。確かに、間違えて呑み込んだらえらいことだ!

セブンイレブンでも2009年からフェーブの代わりにアーモンドを入れたガレット・デ・ロワを販売しているそうだが、
ガレット・デ・ロワを知らなかったからか、私は一度もお目にかかったことが無かった。


そして、深夜になって日本に出張に行っていたダンナが帰ってきた。娘たちは既に寝てしまっていたが、明日は早起きをして
早くパパに会いたいと言ってベットにもぐり込む姿がかわいらしかった。

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2 コメント

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Unknown (yunaママ♪)
2013-02-20 00:45:20
ガレットの大きさに驚いたが、とってもおいしそう!
食べてみたいな!

確かに知らずに食べてフェーブが入ってたら、苦情ものだよね。
でもなんでこんなかわいい異物が?と不思議なかんじだろうなぁ。

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yunaママ♪さんへ (kanaemon)
2013-02-21 01:20:56
ガレットは色々な大きさがあって、写真のは薄めで普通の物より一回り大きいです。
でも、菓子パン感覚でモリモリ食べられるし、娘たちは何より、フェーブが入っているかが楽しみで
「お代わり!」とか言って食べてます。

日本で売るにはやっぱり説明書きは必要だよね。
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