犬がおるので。

老犬から子犬まで。犬の面倒をみる暮らし。

こんちゃんの恋、2。

2015年06月17日 | おせわがかり日誌


なんでかは忘れてしまった。

大体2週間くらい前からではないかと思う。



こんちゃんの散歩道。

コースは決まっていない。



ボケ防止のためにあちこち回ることにしている。

たまにいるけど、今はソト犬ってあんまりいない。

だからこんちゃんはオレコ以外のわんことは、

接触がほとんどない。なかった。のだけど。



その子はもともと、小さかったオレコと仲良しだった。

同年代か、ちょっとおねえさんだったと思う。

黒柴で、近所の子。女の子だけど外犬だった。

3歳を過ぎたオレコが生意気盛りを迎え、

何度か吠えたことがあったけど、彼女はやさしい子で、

オレコにはずっとよくしてくれていた。




オレコの体力が旺盛になり、

気難しさもピークに達し、

散歩についてはかなりわがままになってきた。

家の近所だと決められたところしか行かない。

彼女のおうちはオレコのコースからは外れた。



そういう状態で時が流れ、

こんちゃんは好奇心旺盛で、素直にどこでもついてくるので、

久しぶりに黒柴ちゃんのおうちの前を通ることにした。



もう少し若いころ、オレコを連れて挨拶をしにいってたころは、

気配を察すると、奥の犬小屋から飛んできてくれたものだが、

おじいわんのかそけき気配では、なかなか気付いてもらえないようで、

何度か通って、こんちゃんが黒柴ちゃんの存在に気付いたのは、

だいぶあとのことだった。



黒柴ちゃんも中年にさしかかっていて、

犬が通ったくらいじゃ体も起こさないが、



久しぶりに挨拶をすると、物憂げに顔をあげてくれ、

この子うちの子だからよろしくね、と、こんちゃんを紹介した。



ふーん、というふうに見て、またすぐに横たわる。




その短い間に、こんちゃんはどうも、

黒柴ちゃんに恋をしたようだった。



はじめて、しっぽを振ったのだ。



犬に対しても、人に対しても、

それは初めてのことだった。