無国籍児童だった私・東郷は蘇姓でもあった。
結婚はしたことがないので、姓は変わったことがない。
なので、母親の蘇姓と父親の東郷姓しか私は名乗ったことがない。
両親の血筋は両方台湾中&東部の生まれで、戦後外省人とは関係が無く、台湾語が両親の母語だ。
私もそれで台湾語を覚えた。特にどこかで習った言葉ではない。
日本語は学校教育で大卒まで習い、教える資格も大学で単位を取り、本当に台湾台北市で日本語を教えた。
特殊な生まれでも、与えられたやや限られた環境下で、立派な人材に成れる良い例だ。
ふてくされることなく、努力と精進で今の実力を身に付けた私は、自分の無国籍時代を懐かしんでも、その状態を良いとは思わなかったので、台湾がなぜ独立の機運をダメにしたのか理解できなかった。
もしかすると、日本統治時代を懐かしむ台湾人が、いまだに当時と同じことを繰り返しているのではないか?
父親が台湾を嫌って日本人になることを選択した理由が、そこにあるのではないか?