毎年11月3日に行われている全日本剣道選手権大会、剣道界ではめずらしく全国放映される剣道日本一を決める大会です。私も毎年、この大会を楽しみにしています。今年は熊本の西村選手の優勝で幕を閉じましたが、決勝戦を含め見ごたえのある試合が多くみられました。
その中でも、準優勝した東京の内村選手の戦いぶりが特に印象に残りました。内村選手はこの大会で三度の優勝経験のある名手ですが、近年は若手の台頭もあってこの大会でなかなか成績が残せていませんでした。ですが、今回は37歳という年齢を感じさせず、次々と若手を破っての決勝進出は見事なものでした。剣道という競技は、体力が衰えてきても技はどんどん磨かれていくものです。今回の内村選手の活躍はそれを証明してくれました。改めて剣道の魅力を感じさせていただいた大会でした。
この大会は段位無制限で行われる大会です。全国各地で行われる予選を勝ち抜けば誰でも出場することができます。出場選手は圧倒的に警察官が多いのですが、近年は学生剣士の活躍も目立ちます。こういった勢いのある若手に対し、中堅、ベテラン選手がどういった戦いをみせるかというのも今大会の醍醐味の一つです。今大会で私が印象深かった試合の一つが準々決勝での真田選手と畠中選手の対戦でした。
真田選手は鹿屋体育大学の学生で、先に行われた全日本学生剣道優勝大会でも同校の大将として出場し、チームを見事準優勝に導いています。一方、畠中選手も警視庁の中心選手で、この大会でも毎年優勝候補に名が上がる選手です。両者の対決も素晴らしかったですが、私が注目していたのは両者の構えたときの足幅でした。
真田 裕行 -メ(延長) 畠中 宏輔 第65回全日本剣道選手権大会 四回戦
中段の構えの際、真田選手と畠中選手では左右の脚幅が大きく違うのがお解かりになるかと思います。真田選手は足幅が広く、体重もやや右側に乗っているように見えます。これは、瞬時に前に出るのには有利な構え方です。対して畠中選手は足幅が狭く、体重は左足荷重です。剣道の基本は左足に体重を乗せることです。こうすることで前に出るだけでなく、捌くや払うといったあらゆる動きに対応する事が出来るのです。
学生剣道はスピードがめちゃくちゃ速いです。私も大学生や20代前半の方と稽古をすると動きについていけないときがあるぐらいです(^^;
真田選手はそういった学生剣道界の真っただ中にいる方ですから、自ずとこういう構えになっているのだと思います。畠中選手は警察官です。警察剣道はスピードだけでなく技のキレや冴えというものが求められます。こういったものを追い求めるうちに現在の構えのようになっていったのではないでしょうか。こういった面からも、この対決は非常に興味深かったです。
剣道は競技年齢が広いのも特徴の一つです。長く続けていくには各年代にあった剣道をしていかなければなりません。体力の衰えは誰にでも訪れるものですが、それを補う方法はいくらでもあります。それを追い求めていくことが“理”に近づくのではないのかな~と個人的には思っています。剣道をされている方は、こういった事も考えながら日々の稽古に取り組んでいただけると楽しみが一つ増えるのではないかと思います。是非、お試しを!(^^)/
~全日本選手権予選でのよもやま話~
全日本選手権大会の予選は誰でも出場ができるのです。実は私も若かりし頃に、調子に乗って何度か出させていただいたことがあります。その際に、後に全日本選手権や世界大会で優勝した大阪府警のT先生と対戦させてもらいました。結果は一分ぐらいで二本負け・・・その時に打たれたメンのスピードは今でもはっきり覚えてます。いや~ほんまに速かったなあ・・・(^^;
その中でも、準優勝した東京の内村選手の戦いぶりが特に印象に残りました。内村選手はこの大会で三度の優勝経験のある名手ですが、近年は若手の台頭もあってこの大会でなかなか成績が残せていませんでした。ですが、今回は37歳という年齢を感じさせず、次々と若手を破っての決勝進出は見事なものでした。剣道という競技は、体力が衰えてきても技はどんどん磨かれていくものです。今回の内村選手の活躍はそれを証明してくれました。改めて剣道の魅力を感じさせていただいた大会でした。
この大会は段位無制限で行われる大会です。全国各地で行われる予選を勝ち抜けば誰でも出場することができます。出場選手は圧倒的に警察官が多いのですが、近年は学生剣士の活躍も目立ちます。こういった勢いのある若手に対し、中堅、ベテラン選手がどういった戦いをみせるかというのも今大会の醍醐味の一つです。今大会で私が印象深かった試合の一つが準々決勝での真田選手と畠中選手の対戦でした。
真田選手は鹿屋体育大学の学生で、先に行われた全日本学生剣道優勝大会でも同校の大将として出場し、チームを見事準優勝に導いています。一方、畠中選手も警視庁の中心選手で、この大会でも毎年優勝候補に名が上がる選手です。両者の対決も素晴らしかったですが、私が注目していたのは両者の構えたときの足幅でした。
真田 裕行 -メ(延長) 畠中 宏輔 第65回全日本剣道選手権大会 四回戦
中段の構えの際、真田選手と畠中選手では左右の脚幅が大きく違うのがお解かりになるかと思います。真田選手は足幅が広く、体重もやや右側に乗っているように見えます。これは、瞬時に前に出るのには有利な構え方です。対して畠中選手は足幅が狭く、体重は左足荷重です。剣道の基本は左足に体重を乗せることです。こうすることで前に出るだけでなく、捌くや払うといったあらゆる動きに対応する事が出来るのです。
学生剣道はスピードがめちゃくちゃ速いです。私も大学生や20代前半の方と稽古をすると動きについていけないときがあるぐらいです(^^;
真田選手はそういった学生剣道界の真っただ中にいる方ですから、自ずとこういう構えになっているのだと思います。畠中選手は警察官です。警察剣道はスピードだけでなく技のキレや冴えというものが求められます。こういったものを追い求めるうちに現在の構えのようになっていったのではないでしょうか。こういった面からも、この対決は非常に興味深かったです。
剣道は競技年齢が広いのも特徴の一つです。長く続けていくには各年代にあった剣道をしていかなければなりません。体力の衰えは誰にでも訪れるものですが、それを補う方法はいくらでもあります。それを追い求めていくことが“理”に近づくのではないのかな~と個人的には思っています。剣道をされている方は、こういった事も考えながら日々の稽古に取り組んでいただけると楽しみが一つ増えるのではないかと思います。是非、お試しを!(^^)/
~全日本選手権予選でのよもやま話~
全日本選手権大会の予選は誰でも出場ができるのです。実は私も若かりし頃に、調子に乗って何度か出させていただいたことがあります。その際に、後に全日本選手権や世界大会で優勝した大阪府警のT先生と対戦させてもらいました。結果は一分ぐらいで二本負け・・・その時に打たれたメンのスピードは今でもはっきり覚えてます。いや~ほんまに速かったなあ・・・(^^;