katydid's blog

ハネナガキリギリスが住んでいるところに生息しています。

キリギリスと共に

2012-08-12 03:11:17 | ハネナガキリギリスの飼育方法
キリギリスを家に連れてきて育てたい。

そこには理屈などありません。

僕みたいに俄には信じがたい体験をして何年も続けるようになったのは

非常に希なことのように思いますが、それにしても同じことです。

キリギリスが好きだからそうしたい、純粋で素直な気持ちからです。

特に僕は極端に狭いところに閉じこめて、生きていれば良いなどという

実験体みたいな扱いはしません。

その分、一風変わったブログになっていると思います。

家で育てると、どうやっても自然より窮屈になるのは間違いありませんが

キリギリスがより快適に暮らせる環境を日頃から考え気付いたことを実践する

僕のキリギリスの知識は全てそういったところからきています。

今回は、そういった経験に基づいた知識や、今どう思っているかなどを

お伝えしたいと思います。



まずキリギリスは何故手などを噛むのかです。

無理な掴み方をするなど生命の危機を感じさせることは論外として

殆どの理由は様子見と空腹です。

状況判断の手段としてキリギリスは物や手を囓ります。

初めから人間の手を知っている筈がありませんし

何だろなと思って噛みたくもなりますよね。

またお腹が空くと近くにある物を取りあえず噛んだりします。

十分に食べ物を与えていても、です。

食べた後でも押し出し式になっているかのように直ぐに糞をしますので

20~30分後には噛む可能性があります。

悪意や敵意がある訳でもないので仕方がないことです。

手に乗せたりしたいなら、ある程度は覚悟しましょう。



次に卵から孵化させて成長を見届けたい方が考える累代飼育についてです。

親達を育てた翌年にその子ども達が誕生、そして成長していくのを見るのは

これは 嬉しい。愛情が湧き溢れます。

但し本当に愛情があるなら、ひとつ先を考えておくべきです。

室温で孵化するキリギリスは野生下よりも2~3週間程早い筈です。

この場合、血縁関係にない異性のキリギリスを同時に育てておかないと

早く成長させたのは良いが回りにはパートナーも仲間もいない

可哀想な思いをさせている、でもどうすることもできない

そんな状況に陥ります。

彼らは食欲を満たすことよりも繁殖行動を優先します。

なので累代飼育するにはパートナーも育てておく必要があります。

更にそのキリギリスの雌雄の別に関係なく、ある段階まで育てると

単独で飼育しないとお腹を満たしていても共食う危険がつきまといます。

パートナーとの同居は成長途中ではさせられないのです。

血縁仲間だけを育てるにしても孵化した数が多く多頭飼育になると

今の外の気温では生きていけないから放せない

でも食べ物には困ることがないので成長は早い

でも同居さらせれる期間はせいぜい2週間程度

さあ、どうしましょう

結論の出しにくい選択を強いられることとなります。

ほんの10匹足らずでも全員を育て上げるのは、実際は大変なんです。

キリギリスが累代飼育に向いていないというのは

きっとこういうところからきているのでしょう。

余程好きでない限り、子どもの頃から育てたいのならば

野生下の子どもを連れてきて1~2匹育てるのが良いと思います。



これでは済みません。まだまだあります。

実は終齢直前、その後も飼育は大変なんです。

葉っぱだけでは生きられません。ミルワームばかり与えてもいけません。

水分は多く摂るし、ある程度遊ばせないと脚力を弱めます。

もしも僕らが前足の附節を傷つけてしまったら、それは致命的な怪我です。

獲物を捕らえたり何かに捉まることができなくなり

その子の未来を閉ざしてしまいます。

終齢脱皮の2~3日前から食べなくなりますが水分は摂ります。

1日前には手に水をためてキリギリスを導いて飲ませたこともあります。

終齢脱皮後も人為的な怪我に気をつけながら

飼育ケースの掃除、食べ物や水の取り替え、これが毎日続きます。

如何ですか

することだけ並べ立てると溜息が出そうになりませんか?

現実はこのくらい大変であることを知っておいていただきたいと思い

敢えて書いてみました。

愛情を抱いて大切に育てていると苦にはならないのですが

でも実際にはこれだけのことが必要になります。



ここからは僕が思っていることを。

僕と似たような育て方をするのは子ども達には難しいかも知れません。

ご両親が代わりに世話をしてあげるにしても、大人でも大変だと思います。

でも、それでも僕は育ててみてほしいと思っています。

キリギリスに限りませんが、飼育には喜びや驚きがぎゅっと詰まっています。

生物を愛するが故に込み上げてくる悲しみや生命の儚さを知り

同時に愛おしさから愛情を知って

感性を育み包容力に深みがでるような気がするのです。

何気なく過ごす日々の中で生き物と触れ合う機会はいくらでもあるのに

大人も子どもも追われる毎日に精一杯で

いつしか見もせずに気付くこともなく通り過ぎてしまっているようにも感じます。

手を伸ばせば直ぐそこに感動はあります。

いい歳して

それで片付けますか?

どんな言われ方をされようと結構なことじゃないですか。

おすすめですよ

飼育

特にキリギリス( ^,_ゝ^)


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キリギリスの飼育方法Ⅲ

2010-07-25 00:23:32 | ハネナガキリギリスの飼育方法
キリギリスの飼育方法

多くは終齢のキリギリスを対象に書かれています。

私のところでは今年30匹が生まれて

1ヶ月くらい飼育して殆どを草原に帰し

運命的に残った1匹は終齢になり

その子も無事草原に帰すことが出来ました。

参考までに孵化から終齢前までの育て方を書き記しておきます。



孵化したら或いは小さいキリギリスを家に連れてきたらまず何をするか。

もしタンポポが咲いていたら鉢に移して持ち帰って

飼育ケースに入れておくのがベストですが

そうでなければケース内にレタスを置くのが手っ取り早いです。

外側の1~2枚は農薬が付いているかも知れないので取り除いて

ざっくり半分に切りそれをケース内に置くのが良いと思います。

1枚だけ置くよりも日持ちが良く体積がある分食べ物との遭遇率が高く

さらに幼生が跳ねて着地する時のクッションにもなります。

レタスは2~3日で取り替えます。

なお小松菜も幼生の好物ですが日持ちはしませんので

小松菜なら毎日取り替えてあげることをお勧めします。



飼育ケースの蓋の空気孔が大きい場合は

蓋を使わずに細かめの網をケース上部に被せて

ゴムで囲い止めすると良いです。

幼生がケースから出てくることもないし

換気も気にしなくて済みます。



水は毎日霧吹きで与えていました。

沢山ではなく2~3回吹くので十分だと思います。

ここまで気にする必要は無いのかも知れませんが

使っていたのは塩素が含まれていない軟水のミネラルウォーターです。

キリギリスには水を当てない方が良いと思われます。

さして根拠はありませんが嫌がります。



また、結構重要なことだと思いますが

孵化してから2日~3日でドックフードを細かく砕いたものを食べました。

少量とはいえ幼くても食べることは事実です。

一例として煮干しを細かくしたものなどを小さなお皿に入れて

ケースに置いておくとより良いように思われます。

なお終齢ほどではありませんが幼生でも上に登る習性がありますので

幼生の親がいたところで生息している植物や花を挿しておくと良いと思います。



土は必要か、これは迷うところです。

前述のレタス同様、幼生が着地する時のクッションにはなるのですが

底全面に敷くとフンの掃除に困りますし

ダニやカビも発生しやすくなります。

ある程度の湿度を保ちながらダニやカビは発生させずにと考えると

土は熱して消毒したり新しいものを敷き直したりを繰り返すことになります。

特に赤いダニ タカラダニが翅の付け根まで侵入されると駆除が困難となりますので注意が必要です。

毎日の飼育は大変です。極力手間の掛からない方法をお勧めします。

(終齢の産卵には必要です。昨年の「キリギリスの飼育方法Ⅱ」をご覧になってください)

繰り返しになりますがケースの掃除は不可欠です。

フンを放っておくとカビます。

ケースは2つ用意して3日くらいで幼生を住み替えさせて

使っていたケースを掃除するローテーが良いと思います。

何れにしても数回はキリギリスを他のケースに移すことになります。

体長が1㎝前後の幼生は手で掴むと潰れてしまう程の脆い体なので

ティッシュに捉まらせて移します。

当然のことながら思い通りには動いてくれませんので多少苦労しますが

一番事故が起こりやすい作業です。ここは堪えながら慎重に。



その他、環境面で注意することと言えばケースの日の当たり方でしょうか。

ケース内は思っているよりも高温になりますので

1日中全面に日が当たる場所は避けた方が良いと思います。



最後に

一つのケースで多頭飼いするのは良くないように思います。

幼生初期の脱皮の所要時間は5分~15分ととても早いですのですが

多頭飼いしていると少々危険が伴います。

ある幼生が脱皮している最中に

他の幼生がその最中の抜け殻を食べようとしているのを見ました。

ずっと見守ってはあげられませんので避けられないのですが

どうしても多頭飼いせざるを得ないのなら

せめて煮干しの細かくしたものを豊富に与えておくのが良いと思います。



これだけのことをしてもなお助けられないものがいます。

それでも我が家からは9割以上が元気に巣立っていきましたので

この環境なら大丈夫だと思います。




私が試みるとこうなってしまうだけで

無用な考え方や作業があるかも知れませんが

参考にしていただければ幸いです。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キリギリスの雌雄飼育

2009-12-05 01:49:51 | ハネナガキリギリスの飼育方法
キリギリスを雌雄で飼育してみて分かったことを記してみます。

まず、♂は♀に攻撃的な振る舞いはしません。

自分がニンジンを食べ始めたところに♀が来て足が触れ合ってしまい

互いに相手を邪魔そうにしていましたが直ぐに♂が場所を譲っていました。

自分もお腹が空いてここに来たばかりなのに優しいなと思いながら見ていました。



さらに♂は相手を選りすぐることはないようですが、♀は相手を選びます。

♂の出す精球で♀は受精し、その後♀はそれを食するのですが

♀は精球を少量しか出せない♂を交尾以前の段階で好みません。

強い種を宿すために♂の生命力や繁殖力を何かしら気付いたり見抜く能力が備わっているものと思われます。

受精産卵サイクルの中で生活しているとしたら、主導権は♀にあると言って良いかと思います。

♂が♀の傍でお尻を丸めながら必死に鳴いて分泌物で誘いをかけても

全く気に留めることなく♂のお尻を踏みつけて歩いていくのを何度も見ました。

♂は落ち込んではいないようでしたが、かわいそうでした。

と、

気付いてみたら

♀はともかく、好かれる♂は人間と同じではありませんか?

「優しくて、精悍で生命力に溢れていて、小さいことには拘らない」ですって。

ハードル高いなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キリギリスの飼育方法Ⅱ

2009-11-21 00:08:25 | ハネナガキリギリスの飼育方法
今回は我が家のキリギリスの「おうち」を紹介します。

もっと良い環境で育てている方もいると思いますので参考までにということで。

育ててみて初めて知ったことも含めて詳しく書きます。少々長くなります。

上の図が「おうち」です。

①土を入れている♀の産卵用の鉢です。

卵管よりも浅いと産卵できませんので、土の高さは5㎝~10㎝必要です。

黒土だけだと固くなりやすく保湿も難しいので昆虫マットを混ぜています。

また、同時に水抜けが悪いとカビが発生しますので鉢底には軽石などを置いています。

②食べ物や水を入れておく3㎝~5㎝くらいのプラ皿です。

お菓子のフタや鉢の受け皿(小さいもの)で良いと思います。

食べ物は細かく千切った煮干し、カツオ節、粉砕したドックフードを入れています。

なぜ細かくするかというと、元気な時期を過ぎるとアゴの力が弱くなり固く大きいものは食べられなくなるからです。

水はコットンを入れて湿らせておきます。

③ケースの対角線上下に渡らせている枝木です。

♂と♀を同居させるなら直径1㎝くらいのものが良いです。

細いとキリギリスが交差したときに落ちてしまうことがありました。

④ケース下に置く木です。

クワガタ用でも水槽のレイアウト用でも良いと思います。

特に♂は気に入るようです。縄張りを主張するのにウロウロ歩いて鳴きます。

⑤葉のついた草を挿せるものを用意して水を入れておきます。

私はセイダカアワダチソウやススキを挿していますが、キリギリスがいた場所の植物ならOKかと。

葉は天井に当たるくらいが良いと思います。

キリギリスが中に落ちないよう雑草でブロックしています。

⑥ケース上部の空気孔から楊枝を使って人参やネギを刺しておきます。

人参など固いものは鋭角な部分を作ってあげます。



ちなみにキリギリスは消化が早く、フンもたくさんします。

愛情をもって、こまめに掃除をしてあげましょう。

次回は我が家のキリギリスを紹介します。(^^)/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キリギリスの飼育方法

2009-11-14 15:31:31 | ハネナガキリギリスの飼育方法
さて、喜び勇んで家に連れてきましたが

どうやって飼育したらいいのか確かなことは知りません。

窮屈な虫かごから25㎝×30㎝くらいの飼育ケースに交換して

ケースの対角線に太めの枝を渡らせて-えーと…。

土や草は入れた方が良いのかな?何食べるの?♂2匹一緒に入れて大丈夫か?

やっぱりネットで調べた方が良さそうだと思い色々と調べもしましたが

経験を踏まえて現在分かっていることを書くと



土は飼育ケース全面に必ずしも必要ではありませんが

♀の産卵のため高さ5㎝~7㎝の鉢に入れて置くのが良いです。

草は虫のストレス軽減にはなるかも。

草も必要不可欠ではありませんが

垂直歩行が困難になってくるとケース上部から落ちてしまうので

雑草を敷いてあげると怪我が少なくなります。

えさは人参、かつおぶし、煮干し、ミールワーム、長ネギの白い部分

リンゴ、ブドウ、梨、たんぽぽの花、ひまわりの種、ヨーグルトです。

上に登る習性があるので人参などは楊枝を使いケースの蓋に吊り下げておくと良いです。



♂2匹の同居は良くありません。

縄張り、自分のいる場所の占有意識を持つため

1匹が近づくともう1匹が羽を広げて威嚇したり

体力的に優位にあるものが弱ったものを獲物を捕らえるかの勢いで攻撃します。

襲おうとした時のあまりの素早さに手が間に合わず息を強く吹きかけ助けました。

おかげでかつおぶしと煮干しが宙に舞い家族から大ヒンシュク(T_T)

違う!尊い命を救うためにはやむを得なかった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする