katydid's blog

ハネナガキリギリスが住んでいるところに生息しています。

キリギリスの孵化について

2013-12-09 01:20:47 | 2013
キリギリスを検索している方の中で、結構見かけるワードが

「卵」とか「孵化」です。

今回は1年孵化のことに限定して書き記しておきたいと思います。

但し、僕はハネナガキリギリスしか知りません。

あくまでも経験の結果として読んでください。



少し調べると直ぐに出てくるのは1年卵から4年卵まであるという事実です。

種の繁栄のためばらつきをもたせているという説もなるほどと思います。

それはその通りだと思うし疑いの余地はないのですが

1年卵を望むのだとしたら、2つの必須要因から捉えるべきだと思います。

ひとつは母体の若さと栄養状態

もうひとつは産卵後から孵化迄の期間をいかに自然と同じ状況に置くかです。



最終脱皮した♀さんが十分な栄養を摂取し

2度程の交尾を終えてから産んだ卵は90%以上が1年卵でした。

老いてから産んだ卵は、必ずしも1年では孵化しませんでした。

そしてこれもよく書かれてあることですが

僕は上記のことだけでは、まだ1年孵化は保証されないとみています。

同時に自然の中で産卵された卵と同じ温度や湿度を経験させないと

1年孵化の確率はかなり落ちると思われます。

例えば産卵後も室内に置いたまま、水も適度にやらずに次の年を迎えると

休眠から覚めづらくなります。無精から雑に扱うと生命そのものが…

こう考えると自然の摂理、生物の淘汰や連鎖に当てはまるような

極々当たり前のことに思いませんか?

じゃあ自然下と同様にするには?そこは自力でと言いたいところですが

具体的なことを知りたいなら情報交換でもしましょう。

何れにしても上記のことは僕が実際に経験したことです。

キリギリスを育てたいのなら知っておいたほうが良いかも~


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キリギリスのために たんぽぽ開花への挑戦

2013-12-06 22:00:35 | 2013
12月の札幌 冷え込む日も多くなりました。

揺れながら静かに舞う雪が

時を止めた静寂と繰り返される季節の懐かしさを感じさせてくれます。



この子達は姫の子どもが生まれた時のパートナーを産んでほしくて家に来てもらいました。

でも相性が、と言うかそれ以前に

♂君のお腹は精包で一杯になっていましたが

♀さんのお腹が膨らんでいて、産んだとしても初卵ではない可能性もあり

1年卵という確証が得られなったので

美味しいものをご馳走してから直ぐに帰ってもらいました。

そして何故か縁というものも感じられなかったんです。

何度も出会っていると、こんなことまで思うようになるんです。

不思議ですねえ

なのでパートナー探しはあきらめて

家に残す姫の卵もひとつだけにしました。

そろそろ土中の昆虫達も活動が鈍ってくる頃なので

姫の子ども達を故郷に帰そうと思っています。

そして初めての試み

姫子が生まれたら直ぐにたんぽぽを食べさせてあげたいと思い

鉢に植えて育てることにしました。



たんぽぽの花を食べるのと同時に近づいてくる昆虫を狙うという本能的な行動は

もちろん知っています

幼生の一時期だけというのも分かっています。

セイヨウタンポポは発芽から半年で花が咲くという記事もありましたが

冬に成長を抑制して生きる、根は50㎝にも及ぶ植物を

そんなにタイミング良く咲かせる自信もありません。

でも挑戦してみます。

思えば最初はキリギリスの生態知識にも乏しかったけれど

それでも何とか幸せにしてあげたいという一心で育てて

ここまでたどり着けたのですから


家に残す姫のそれは、姫が誤って外に落としてしまった卵です。

野生下なら、まず生きられない運命の子です。

それならばなおのこと

何としても、あらん限りの知識をもって

全力でこの子を育てたいと思っています。


で、ちょっと気になることが これはたんぽぽなのだろうか(;・∀・)


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真心

2013-09-13 22:23:48 | 2013
家のすぐ傍で毎夜コオロギが美しい音色を奏でてくれています。

毎年この季節にこの音色を聴くのを楽しみにしています。

でもある日突然にこのゴスペルは幕を閉じます。

残念でなりません。

彼らが音を出すのは子孫を、自分の生きた証を残すためです。

鳴く昆虫は音を出すという大きなリスクを背負って子孫を残そうとします。

天敵に居場所を教えてしまう命がけの行為です。

♂が特に臆病なのはその所為だとも思っています。

♂だけを捕まえて音色を楽しむのも人間ですから出来てしまいます。

しかしこれでは

愛でていながらもこれ以上ない残酷な拘束と僕は思ってしまうのです。

やはり僕は雌雄とのひとときを選びます。



4年前の「めっすん」は精球を付けながらでも僕の手に登って来ました。

飼育ケースのごはんを取り替えるためだけだったのに

ああ、無理無理 今日はやめておきな って言っても

待ち焦がれていたかのように

だって今しかないし と言われたような気がして

めっすんを止められませんでした。

唯一安らぎを得るための短い時間と、尊い命を育もうとする狭間で

彼女が選択した、自分に正直な、止められない行動だったのです。

僕も切なくて嬉しくて困惑しました。

過去のその瞬間を今見ることは出来ませんが

間違いなく僕らは

笑い合っていました。


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君達に会いたい

2013-08-29 01:01:21 | 2013
子どもの頃、空を見ているのが好きでした。

澄んだ空に雲が歩いていくのをずっと見ていたかった。

その頃、キリギリスは宝のような存在でした。

何とか捕まえて家で飼いたい。

この夢には勇気が必要でした。

自分の背を遙かに超える高さの草原に入って

大きな蜘蛛やヤブ蚊などと遭遇しないことを祈りながら

ガッサガサと大きな音を立ててキリギリスの鳴く方へ

無謀にも程がありますね。

同じ地を這うヒメギスはよく見かけましたが

キリギリスじゃないとダメだったんです。

何故か?それは子どもの一途な願いだったからです。



いつしか虫の音は僕にとって季節となり

キリギリスの声も夢に聴こえることはなくなっていました。

でも今は、いや、今だからこそでしょうか

キリギリスを「愛せる」ようになりました。

キリギリスってスキンシップで巨大な人間を危険じゃないと判断するんですよ?

お腹が空いていたら外に出したときに囓る真似をして知らせてきますし

お腹いっぱいなったら暖かな手のひらで横になって休むんです。




こんなに心が通じ合う、愛しい虫が他の何処にいますか?

どうして君達はひと夏でこの世を去るのだ

人間はこの信頼と愛情をいつまでも残してしまうのに

忘れたことはない 忘れることもない 

毎年出会い、季節とともに過ぎ去っていった

君達に会いたい


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幸せの分岐点

2013-08-08 22:14:17 | 2013
今日は姫が故郷に帰りました。

今朝、産卵し始めて

その姿を見た時には咲き誇る美しい花々を見たかのように幸せを覚えました。

しかし同時に寂しい気持ちになりました。

これからの姫は交尾産卵を過酷なまでに繰り返す運命にあります。

だとすると、これ以上家にとどめておくのは

彼女を、本来の姿ではない、この生活に縛り付けてしまうことになります。

産卵を機に故郷に帰すのは初めから決めていたことなのです。



昨日姫は♂君の存在も無いかのように歩き回っていました。

お腹に力を入れたり、とにかく落ち着きがなかったので

何度かケースから出して歩くのに付き合ったりしていました。

そして今朝です。

産卵を一時終えたので食べ物をあげました。

ここが分岐点でした。

何も食べなかったら疲れを癒し体力を回復させるために

もう少しの間、家で生活してもらうという言い訳ができます。

食べてほしい でも食べてほしくない

結果は


美味しいかい?少しでも元気になるんだよ


食べ終えた姫を手の上で休ませていたら

ポロポロ涙が零れてきました。

やっぱりここまで思っていたのか

何となく気付いてはいたのですが -


僕のTシャツを入れたケースに姫を

姫は足を伸ばして怖がることなく休んでいます。

僕が非道いことをしないのは分かっているかのようでした。

同時に別れも分かっていたような気がします。



故郷の笹藪に乗せたら5秒くらい動かずにいて

その後70~80㎝も跳んで、帰郷の喜びを見せてくれました。

それによって僕は救われたのかも知れません。


君が残した命は秋の雪降る前に故郷に帰しておくから安心してくれ

ただ3つだけ僕に預けてほしい

笑顔で泣いたこの日を忘れずに大切に育てたいから

姫 生きるんだよ どんなことがあっても

一緒に過ごした日々を

僕は忘れない


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