katydid's blog

ハネナガキリギリスが住んでいるところに生息しています。

君達に会いたい

2013-08-29 01:01:21 | 2013
子どもの頃、空を見ているのが好きでした。

澄んだ空に雲が歩いていくのをずっと見ていたかった。

その頃、キリギリスは宝のような存在でした。

何とか捕まえて家で飼いたい。

この夢には勇気が必要でした。

自分の背を遙かに超える高さの草原に入って

大きな蜘蛛やヤブ蚊などと遭遇しないことを祈りながら

ガッサガサと大きな音を立ててキリギリスの鳴く方へ

無謀にも程がありますね。

同じ地を這うヒメギスはよく見かけましたが

キリギリスじゃないとダメだったんです。

何故か?それは子どもの一途な願いだったからです。



いつしか虫の音は僕にとって季節となり

キリギリスの声も夢に聴こえることはなくなっていました。

でも今は、いや、今だからこそでしょうか

キリギリスを「愛せる」ようになりました。

キリギリスってスキンシップで巨大な人間を危険じゃないと判断するんですよ?

お腹が空いていたら外に出したときに囓る真似をして知らせてきますし

お腹いっぱいなったら暖かな手のひらで横になって休むんです。




こんなに心が通じ合う、愛しい虫が他の何処にいますか?

どうして君達はひと夏でこの世を去るのだ

人間はこの信頼と愛情をいつまでも残してしまうのに

忘れたことはない 忘れることもない 

毎年出会い、季節とともに過ぎ去っていった

君達に会いたい


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幸せの分岐点

2013-08-08 22:14:17 | 2013
今日は姫が故郷に帰りました。

今朝、産卵し始めて

その姿を見た時には咲き誇る美しい花々を見たかのように幸せを覚えました。

しかし同時に寂しい気持ちになりました。

これからの姫は交尾産卵を過酷なまでに繰り返す運命にあります。

だとすると、これ以上家にとどめておくのは

彼女を、本来の姿ではない、この生活に縛り付けてしまうことになります。

産卵を機に故郷に帰すのは初めから決めていたことなのです。



昨日姫は♂君の存在も無いかのように歩き回っていました。

お腹に力を入れたり、とにかく落ち着きがなかったので

何度かケースから出して歩くのに付き合ったりしていました。

そして今朝です。

産卵を一時終えたので食べ物をあげました。

ここが分岐点でした。

何も食べなかったら疲れを癒し体力を回復させるために

もう少しの間、家で生活してもらうという言い訳ができます。

食べてほしい でも食べてほしくない

結果は


美味しいかい?少しでも元気になるんだよ


食べ終えた姫を手の上で休ませていたら

ポロポロ涙が零れてきました。

やっぱりここまで思っていたのか

何となく気付いてはいたのですが -


僕のTシャツを入れたケースに姫を

姫は足を伸ばして怖がることなく休んでいます。

僕が非道いことをしないのは分かっているかのようでした。

同時に別れも分かっていたような気がします。



故郷の笹藪に乗せたら5秒くらい動かずにいて

その後70~80㎝も跳んで、帰郷の喜びを見せてくれました。

それによって僕は救われたのかも知れません。


君が残した命は秋の雪降る前に故郷に帰しておくから安心してくれ

ただ3つだけ僕に預けてほしい

笑顔で泣いたこの日を忘れずに大切に育てたいから

姫 生きるんだよ どんなことがあっても

一緒に過ごした日々を

僕は忘れない


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さようなら♂君

2013-08-07 20:14:04 | 2013
♂君を故郷に帰してきました。

昨日初めて手の上で休んでくれました。

でも最後まで人間を怖がる野性味溢れる君の姿は

本来君達はこうあるべきなのだと再確認させてくれる存在でした。

僕が一番考えさせられる、今でも結論に至らない最も痛い部分を

何度もザクザク刺されるような思いで君を見ていました。



寿命を対比で考えたら、人間の、あっという間に過ぎていく1日は

君らにとって何ヶ月にも相当する、長い貴重な時間だから

君は直ぐにでも故郷に戻った方がよいと思う。

雨風にさらさせても外敵が多くても、どうか生き延びて

怖かったこの家のことは忘れてもいいからさ。

ささやかだけど我が家でお腹いっぱい食べてもらって

故郷に戻ってもらうことにします。

ありがとう

♂君

さようなら


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夢のような時

2013-08-06 11:30:37 | 2013
仲睦まじく







新たな命を宿し





疲れを癒して



幸せ太り

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最高の相性?

2013-08-05 13:01:58 | 2013
ひなたぼっこ



その時偶々の事でしょうけど仲が良いのは確かですね。

実は出会った日の翌朝には姫は精包を付けていました。

でもその後もお互いに余計な干渉はせず、全く関しない時もあったりします。

この距離感に♂が満足するのなら♀にとっては最高の環境でしょう。

それと、どうやら♀は卵巣が成熟してくるとお腹が膨らむみたいです。

食欲は変わらずあるため、交尾しないとお腹がふくらみ続けて精包が食べにくくなる?

タイミングはこういうところからも察する必要がありそうです。

早ければ今夜から産卵し始めるかも知れません。

で、♂君の羽



左右非対称で、且つあまり見ない模様です。

個性派は羽の模様もひと味違う?

僕にはぜんっぜん懐かないですね。

細心の注意を払って接しないと直ぐに逃げちゃう。

姫は、この状況なら大したことは起きないだろうと泰然に構えていて

なんか

人間でも多いかも

こんなカップル
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