君達を思う

♀君が精包を付けました。

♂君、頑張って鳴き続けた甲斐があったね。

努力が報われたのを目の当たりにすると嬉しいしホッとします。



精包は♀にとって卵巣の発達を促す重要なタンパク源なのだそうです。

♀君が丈夫そうなので産卵もある程度は安心しています。

ここまでの道のりには悲しいことや大変なことが多く

たとえ生きる世界が私たちから見て厳しいところであっても

そこでこそ生まれる命であることを痛感させられた年でもありました。

ただ草刈機で刈られる草の中にいてほしくない思いがありました。

これから僕がすべきこと、してあげられることとして

できる限りいたわってあげたい

大切にしてあげたい

そう思っています。

様々な思いを巡らせながら

並んでいる♂君と♀君を

見つめているところです。

健康で長生きしてほしい

♀君です。



古代の彫刻像を連想してしまうくらいに逞しい。

顔のデカさ、腕の太さ長さ、どこを見ても滅多にいないタイプです。

ハネナガキリギリスは一般的に♂よりも♀の方が大きいので

多少のことでは驚かないのですが

家に来てもらった♀君の顔の大きさから察する牙は

結構経験を積んでいる僕でも

噛まれたらどれだけの痛みと血…　ウワ(´・д・`)ヤダナ　と思います。

まあ、全然懐いていないので手にいる時間は殆どありません。

僕の顔を着地点にしたり育成材料の中に飛び込んでは出てきたりと

彼女は何かと忙しいらしく、大人しいのはミルワームを食している時だけです。



因みに他のキリギリスがミルワームを食べると時々「パチッ」と音が出ますが

♀君にあげると「ザクッ」と聞こえます。ははは…

３年前の♀ソニアは飲み込むような速さで８匹を食べました。

ソニアは身体も顔も大きく、比べる対象に出来ない程の別格ですが

迫力はそれに近いものを感じます。

♂君

僕はスゴいのパートナーにしちゃったかも。

あまりにも気が合わないようなら別のパートナーを探してみるよ。

ひとつだけアドバイスするとしたら

ブドウや鰹節を僅かしか食べずに２４時間鳴き続けるような

恋に殉ずる熱さと激しさを君がコントロールできたらなと思っている。

君は僕にとって特別な存在だ。

目的の尊さの余り力尽きないでくれ。

まだまだ一緒に生きようよ。



真っ直ぐで　困難にもめげず　ただひたすらに　か

そんな君も

僕は好きだが

魂の叫び

既に日夜パートナーを呼び始めて６日目

♂君は今日までの間悲しくなるくらいに独りで鳴き続けていました。

僕の役割は１日も早くパートナーを家に連れてくること

毎日、欠かすことなく探していました。

２４日～２６日　鳴いていない　見つけても家にいる方が成長が早い

２７日　草原で１匹だけ鳴き声　が２６日に同じ
　
２８日　別の場所に探しに行くも見つからず

２９日　いつもの場所へ　－(゜д゜)！　たくさん鳴いている！！！

♂君達が鳴いているなら奇跡を望む程ではありません。

４０分掛かりましたが遂にパートナーを見つけました。ヽ(｀д´；)ノ うおおおおー

この６日間は実に長かった。

漸くです。

本当はケースに挿す草花も持ってくる予定でしたが

もう　もうそれどころではありません。

♂君はこの頃ケースから出してもパートナーを見つけるために

歩き回って止まらなくなっています。

とにかく♂君の喜ぶ姿が見たくて一度家に帰りました。

いよいよパートナーとして来てもらった♀君をケースの中へ


「キ…ギリギリギリギリギリッ！」


魂から湧き起こる叫びでした。


僕もこの瞬間を待っていました。


♀君も興味があるみたいで「あなた誰？」みたいにして近づいています。



同郷ですが大きなパーキングエリアを隔てていますので血は近くない筈です。

そして草が刈られる前に出会い、子孫を残せる可能性を秘めた２匹です。

仲良くなってくれることを望みます。

♂君




長かったな

♂君が活発に鳴き始めました

まだ草原でキリギリスの鳴き声は聞こえません。

一方♂君は活発に鳴き始めました。

♀君の悲しい悲惨な姿がまだ頭を過ぎっていますが

♂君をこのままにはできません。

ただ、終齢前のこの時期のキリギリスを見つけるのを僕は最も苦手としていて

４時間程探しても一番成長しているのは終齢の１０日前くらいの姿でした。

家に来てもらいましたが、無事終齢となってくれるか

或いは終齢のパートナーを見つけることができるか

彼らの生命の速度を考えつつ何とか最善の結果を出したいと思っています。

♂君すまないな

もう少し待っていてくれ

♀君が

♀君が最終脱皮できませんでした。

後ろ足が抜けきらず、卵管も途中で

ドレスのような羽は開くことなく

力尽きて落ちてしまいました。

ケースの６面中下の１面以外は竹ひごで

脱皮用の添え木も２本用意し

草花も挿していました。

しかし自然の環境とは異なるのでしょう。

一度や二度終齢脱皮をさせた程度で

僕は過信して

今回の悲惨な事故を招いたのかも知れません。

重い辛い気持ちです。

♀君

僕に伝えたいことはないか

どんなことでもいい

君を育てきれなかった僕を憎む声でも

この夏を生きたかった切なる願いでも

僕はいつでも、いつまでも君の声を待ち続ける

いつか君の声が

僕に届きますように