暇人のぐうたら日記

暇人がぐうたらな日々をつづる

着飾られた肉体

2018-05-30 18:04:29 | たわごと
人間とは何と醜い生き物か。これは、年を重ねるたびにすべての人が思うことだろう。昔は水を弾くような肌もカサカサの皺だらけになり、引き締まった肉体も余計な肉がついたり、筋肉が弱り垂れ下がり、鏡を見るのも嫌になる。これは、男女に関係なく感じることだろう。しかし、人間は服と言う素晴らしい着物を発明し、進化させた。服を着ることにより、だぶついた肉も隠せるし、見るに堪えない肉体を覆い隠すことに成功した。それは、肉体の留まらず気持ちの上でもオシャレをすることで、醜い肉体を曝け出さずに済む。こうして、人間は年老いてもオシャレな服で肉体を隠し人前に出ても平気になった。ところが、家に帰り服を脱ぐと醜い肉体が露になる。若い頃にテレビで見ていた綺麗な人も年を取った姿を見ると、思わず幻滅したりする。「えー、こんなんなっちゃったの」、と思わず口に出てしまう。もはや、テレビに出れる姿ではない。人間とは、醜い動物なのである。だから、服を着ないと裸では外に出られない。しかし、やはりいくら着飾っても本来の姿は隠せない。そこに、服の魔力が存在する。高級なブランド物を羽織ることで、人間としての価値が上がった錯覚を覚える。服を脱げば、みんな同じなのに勘違いしてしまう。自分で自分の顔を見ることはできないのと同じく、自分で自分の内面を見ることはできない。鏡やら他人を通してしか、自分の中身を見ることはできない。そのことこそが、服の持つ魔力なのである。他人の反応をみて自己満足しているに過ぎない。中には他人のことをまったく気にかけない人もいるが、そういう人はすべてを見失っているに違いない。