自民党は27日、東京五輪・パラリンピックが開催される平成32(2020)年に向け、夏の時間を1~2時間繰り上げるサマータイム(夏時間)導入の是非を検討する研究会(河村建夫会長)の初会合を開いた。五輪組織委員会副会長の遠藤利明・元五輪相は会合後、東京五輪での導入は困難との認識を示した。五輪の酷暑対策やレガシー(遺産)として安倍晋三首相が導入の検討を指示していたが、機運は急速にしぼんでいる。
*Web産経ニュース:サマータイム、しぼむ機運 元五輪相「東京五輪導入は困難」
→https://www.sankei.com/tokyo2020/news/180927/tko1809270003-n1.html
「まあ、そうでしょうね」ってところです。打ち続く酷暑の中、唐突に打ち出された「サマータイム導入」だったわけで、その後お彼岸も過ぎて、既に世の中涼しくなっちゃったですもん。
時系列で振り返ると、何やら「真夏の夜の夢」な感じもします。
あの暑い中、そりゃスポーツどころじゃないだろうと多くの人が考えたからこそ、ある程度の支持もあったんでしょうけど、その一方で、いやいや、それなら(主にグローバル企業の都合で既定路線になってた)盛夏の開催を突っぱねりゃ良かったんだよ、という「保守的気分」からの批判も出てきたりして、人の暮らしと時間という根本の議論につながらなかったのが、ちと残念です。
ワタクシ自身の考えを言えば、夏の間、時計の時間(!)が早くなろうがそうでなかろうが、どっちでも良いと思ってます。家中の時計を調整するのは面倒といえば面倒だけれど、たかが年2回のことだし。もともと早寝早起きなんで、時計に対して相対的に遅寝遅起きになるだけで体の負担も感じないし。
ただ、世の中がこれだけシステマティックになっている今日、国中一斉に時計の表示を調整するのは関係各方面の方々は大変だろう、というのは解ります。
思うに、オリンピック・パラリンピックで選手や観客が心配だからって、別に無理して時計を進める必要はないんですよ。ぶっちゃけ、競技自体を涼しい時間帯、つまり時計で言う朝の7時、8時から、あるいは夕方16時、17時からの開催にすれば良いんじゃないの?って思ってます。期間中、交通機関等は臨時ダイヤで対応すれば良いんです。
だって皆さん、子供のスポーツ大会、習い事の発表会なんか、時計とは関係なしに、いつもより早起きしたり早出したりで対応してるわけでしょ?
所詮、時計は、目安でしかないんです。その目安を絶対的な基準と考えるから人として生きるのが辛くなるし、ひょっとしたら、統治する側は、そういう気分を利用し時間を管理することで支配力を高めようとしたりもするわけでしょ。
ここにきて、EU諸国内でサマータイムに批判的な意見が強くなってきたのも、そういうことと無関係ではない気がしますね。
もっともらしく健康上良くないなんて言う人もいますけど、それを言い出したら、昼勤・夜勤、一週間交代とか、海外出張で時差の中行き来してる人とかの方が、よっぽど深刻になるはずでしょ。そもそも人間、一処に住んで、日の出とともに活動を始めて日の入りとともに星を数えながら眠りにつくのが一番良いに決まってるんで。
おっとっと、たかが時計の時間(!)を進める進めない、程度のことで、そんなに熱くならないでよ、って言いたかったのに、つい自分が熱弁(?)ふるってしまいました。このくらいにしておきます。
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冒頭画像は、水時計の復元図。
*明日香ネット:飛鳥の水時計
→https://www.asukanet.gr.jp/ASUKA4/mizutokei/mizutokei.html
〈『日本書紀』斉明6(660)年条に「皇太子(中大兄皇子)が漏刻(水時計)を造り、人びとに時を知らせた」という記事があります。発掘調査の成果とあわせて、この漏刻が設置された施設が水落遺跡であると考えられています。『日本書紀』の記事からは、日本で時間という考え方が取り入れられたのは、飛鳥時代からであると読み取ることができます〉
*奈良県明日香村:水落遺跡と水時計 解説書
→https://asukamura.jp/youtube/mizuochi.pdf
「時間」を考える上で、ちょっと面白い歴史の話が読めます。参考までに。
上の解説書にチラと出てきますが、水落遺跡の紹介動画。長いです。時間(と心)に余裕のある方はどうぞ。
水落遺跡と水時計 《明日香村》
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