MLB、クリーブランド・インディアンスの帽子(ワタクシ自身の愛用品)
今回のお題は、時々「心を洗う」ためにとっている『AsahiWeekly』2月11日号にあった記事から。
Cleveland Indians retire Chief Wahoo mascot
米大リーグのインディアンス球団は、先住民の長を模したロゴについて、来年からユニフォームや帽子に使用しないと発表した。にやけた赤い顔のロゴは人種差別だと変更を求める声が高まっていた。
う〜ん、「にやけた赤い顔のロゴは人種差別だと変更を求める声」がどちら方面で高まっていたのか・・・
ちなみに、この記事は初心者向けということで、ウェブページの方に和訳があります。
インディアンス「先住民の長」のロゴ、使用中止へ
(米大リーグの)クリーブランド・インディアンスは「ワフー首長」のロゴを来年ユニフォームから外すことを決めた。1947年から形を変えながら使われ続けてきた、にやけた、赤い顔の風刺画は人種差別的だという抗議や批判を数十年にわたって受けてきた。
1月29日に発表されたこの方針は、チームのオーナーであるポール・ドーラン氏と、米大リーグコミッショナーのロブ・マンフレッド氏との延々と続いた交渉の結果だ。
1本の羽根をつけた髪飾りをかぶり、大きな歯をした赤い顔の漫画風に描かれたアメリカン・インディアンの絵は、2019年シーズンからチームユニホームの袖や帽子から消える。その年、クリーブランドは大リーグのオールスターズ戦の会場となる。
「メジャーリーグは試合を通じて、多様性と共生の文化を築くことに献身している」とマンフレッド氏は語った。
*朝日新聞デジタル:〈2月11日号〉Cleveland Indians retire Chief Wahoo mascot/インディアンス「先住民の長」のロゴ、使用中止へ
→http://www.asahi.com/english/weekly/news_in_100/articles/SDI201802082752.html
う〜ん、う〜ん、「チームのオーナーであるポール・ドーラン氏と、米大リーグコミッショナーのロブ・マンフレッド氏との延々と続いた交渉」は、どちらがどっちの立場だったのか・・・
日刊スポーツ.comに、もう少し詳しい記事がありまして、ま、端的に言えば、
〈球団側と話し合いを続けてきたロブ・マンフレッド・コミッショナーは「(インディアンスの)ポール・ドラン・オーナーは、愛着を持つファンが多数いることやチームの歴史を担ってきたと強調したが、これ以上、グラウンドでこのロゴを使うのは適切でないという私の姿勢に、最終的に同意してくれた」と述べ、19年シーズンから「ワフー酋長」の使用をやめると発表した〉
*日刊スポーツ.com:差別論争終止符、インディアンス「ワフー酋長」消滅
→https://www.nikkansports.com/general/news/201801310000199.html?Page=1
という筋だそうです。
ワタクシ、およそ「人種差別」に関して感受性が鈍く、想像力に乏しい一日本人。いやいや「人々に幸運をもたらすと考えられている人・動物・もの」としてマスコットにしてるのに、どうしてダメなの?と思わないでもないのだけれど、これも「不愉快だとする人がいるのであれば、そこはやはり配慮すべきである」という時代の流れなんでしょうか? ワタクシ自身を含めて、今、ネイティブ・アメリカンを侮辱する意図を持って「ワフー酋長」を身に着けている人がいるとは考えられないのですけれどもねえ。
〈マスコット(フランス語:Mascotte、英語:mascot)とは、「人々に幸運をもたらすと考えられている人・動物・もの」のこと[1]。身辺に置いて大切にする人形や、何らか団体(グループ)のシンボルとする動物などである〉
*日本語表現辞典:マスコットとは
→https://www.weblio.jp/content/%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88
冒頭画像の帽子、若かりし頃、映画『メジャーリーグ』を観て、ついでにビデオ(!、1989年当時¥3800)を買って以来、愛用してきたんだけれど、今後はそれも憚られるようになってしまうのかなあ、とか考えると、何かちょっと寂しいです。
参考までに説明すると、この『メジャーリーグ』は、
〈アメリカンリーグ、東地区クリーブランド・インディアンズは伝統こそあるが、ここ34年間優勝から遠ざかり、Aクラスすら叶わない有様である。急死した夫の跡を継いで新オーナーとなったダンサー上がりのレイチェル・フェルプス(マーガレット・ウィットン)は、本拠地をマイアミに移すため、市の条約に従い、1年間の観客動員数60万人を下回らせようと企んでいた。彼女はマネージャーのチャーリー・ドノヴァン(チャールズ・サイファース)に新チームのリストを渡し、監督のルー・ブラウン(ジェームズ・ギャモン)を始めとする一癖も二癖もある連中を集めさせた。〜〜〜〉
*Movie Walker:メジャーリーグ
→https://movie.walkerplus.com/mv8932/
ところから始まる「痛快野球映画」でして、あの頃「このチーム愛称・ロゴは人種差別ではないか」というような小難しい話なんて無かったのになって思います。いや、マスメディアで取り上げられてないだけで、そりゃ、実際にはあったのかもしれないですけれども。
それにしても近頃の、こういう「ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)」の拡大(もしくは暴走?)傾向って、ホントに人々の暮らしを豊かにしているんだろうかと、若干考え込んでしまったりもします。
ともあれ今回、思いつくまま。何とも煮え切らない話で失礼致しました。
この際、これも当時買った『メジャーリーグ』のサントラから、「Wild Thing」など聴いて、マジョリティがその立ち位置に無邪気でいられた(あるいはマイノリティの心情に無頓着だった)頃に逃避してしまおうか、なんて不埒なことを・・・おっと、それはあまりに後ろ向きですかね。
Major League - Ricky Vaughn - Wild Thing song
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
こちらは参考までに。全体として、鋭い感性なのか穿ち過ぎなのかはわかりませんが、こういう考え方も知っておくべきだとは思います。
〈「レッド スキンズ」をはじめ、アメリカのスポーツチームが用いる先住民族関係の名称やロゴマークに含まれる問題は文化的な搾取・濫用の問題でもあるが、最近まで「アイヌ政策」に特化してきたこのブログではCleveland IndiansのChief Wahoo問題も取り上げずにきた。今日も、それ自体を取り上げるのではない。そうではなく、このChief Wahooを「ワフー酋長」と訳して、ご丁寧にもルビを付けて取り上げているメディアのメンタリティを問うておきたい〉
*Ainu Policy Watch:日本のメディアは、いつまで「酋長」を使うのか!(w/ P.S.)
→http://don-xuixote.hatenablog.com/entry/2016/11/01/002203
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