バラの光
柔らかな花びらにくるまれて
ひそやかな夢をはぐくむバラ
きよらかな光がつぼみからこぼれて
花となったいのちがかがやく
冷たい風にかぼそい枝をふるわせて
冬の試練に耐えたバラ
あてどない季節のゆくえを追って
たれこめた空の果てを見上げる
さわやかな春の風に誘われて
一輪一輪まどろみから目覚めるバラ
まぶしい陽射しに抱きしめられ
ためらいがちにつぼみを開く
バラの香る道で出会った二人が
花のささやきに耳を傾けながら
手に手をとってゆっくり歩き出す
バラの見た夢が未来へとつながる