君に伝えたかった言葉は・・・
君に伝えたかった言葉は
夕暮れの雑踏のなかで
アスファルトの上に落ちた
夜に沈みこむビルの谷間を
方角を失った声がさまよい歩いた
君に届けたかった思いは
深夜のアパートの片隅で
萎れた花のように色あせた
腐食していく時間の中で
読めない文字が人知れず朽ち果てた
目に見えない壁を超えて どこに
君と出会ったかもしれない海があるか
出口のない袋小路を抜けて どこに
君が待っていたかもしれない街があるか
光と闇の半球が目まぐるしく反転し
生と死の鎮魂曲が鳴り響いて
君に伝えたかった言葉が 星のように
遠い空にまたたいている