けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2016年 5月号 お題;「 どきり 」,「 白 」 出題・霜降さん

2016年06月08日 | 川柳

■「 どきり 」

仰ぎ見た人が勝手に堕ちてきた  蚤助
アクセルを踏み間違えて血の気引く  霜降
朝聞いて昼どき理解ボケ始め  芳男
アパートの前に元カノ立っていた  弧衾若衆
安全な場所で危ない指示を出す  蚤助
医者の声良し悪し問わず突き刺さる  純一
一張羅着たら隣の犬が吠え  蚤助
妹が戦死の兄を呼んでいる  弧衾若衆
ウインドショッピング写ったあの人私だぁ  篤子
噂話トイレの中で咳払い  蚤助
閲覧の履歴家内の目にとまり  駄作
エレベーター扉の奥に元カノが  篤子
エロサイト閲覧中の咳払い  伊閣蝶
オールドパー空けてケロッとしてる嫁  蝉坊
お年玉借りてサラ金並みの利子  蚤助
お隣りのドア叩いてる午前様  蚤助
お前もかこんなとこまで似るなんて  流美ん
改札にかざしたものが名刺入れ  小心居士
改札の前で定期を探し出す  小心居士
階段の最後のひとつ踏み外す  伊閣蝶
陰口の話題の主が横にいた  伊閣蝶
髪梳かす櫛に抜け毛がどっさりと  小心居士
観光地男子トイレをババ襲う  純一
記念日の朝から待ってるサプライズ  ちどり
君の瞳に射貫かれハッと息をのむ  流美ん
義理合いで臨んだ講義名指しされ  流美ん
暗闇に座っただけのぼったくり  芳男
ケータイを妻がのぞき見「見せなさい!」  伊閣蝶
試着してくしゃみ出そうで鼻つまむ  篤子
死亡欄似た名見つけて息止まる  霜降
食器洗い泡で滑って落下散  伊閣蝶
想定内だったんですよ破廉恥事  蝉坊
宝くじ1字違いで止まる息  純一
都知事選また早々とある予感  蝉坊
沈黙とすすり泣く声電話口  弧衾若衆
天の句に遂に選ばれ目が覚めた  純一
どきりっと心臓鳴って恋に落ち  篤子
ドキリとす昔の彼が人混みに  猫じゃ猫じゃ
ドキリならきっとあるはずプラカード  猫じゃ猫じゃ
突然にあなたが好きと言われても  蚤助
飛び込んだ飲み屋のメニューすべて時価  小心居士
名前呼ぶ妻の寝言が気にかかる  小心居士
迫真の弔辞さすがに役者だね  蝉坊
白鳥になる夢があるトーシューズ  蚤助
半分の胃でどきりとさせる飲みっぷり  蚤助
★★★ 夫婦にも地下にも断層走る家  蝉坊
風呂上り眉毛の消えた妻の顔  小心居士
歩道行く後ろに迫るチャリの音  伊閣蝶
★★ 真夜中に突然止まる高いびき  小心居士
身構えていてもオレオレどきりとし  小心居士
皆様も覚えがあるでしょ領収書  芳男
ミニスカに度肝抜かれた初上京  霜降
胸疼く恋しい人が宿るとき  霜降
元カレがメールくれると妻笑う  弧衾若衆
元妻が離婚調停相談員  小心居士
門くぐり無知の恐さと恥を知り  流美ん
リモコンをいじる子供にラブシーン  良弘
ワイシャツの胸ポケットのBAR名刺  伊閣蝶
若い手に触れる喜び釣りもらう  純一
ワン切りの深夜の電話眠れない  ちどり

■「 白 」

藍染みた手が創りだす白い葩  流美ん
★ 綽名にも白粉塗ってクラス会  蚤助
後追いの白紙撤回残る恥  芳男
あの岩に刻め黒人大統領  蝉坊
アリバイはホシが三つ子で崩れない  蝉坊
大関よ十勝できてよかったな  蝉坊
親方の黒い指から白い寿司  蝉坊
オヤジギャグ急に舞い出すシラケドリ  純一
俺は白妻娘は茶髪息子青  小心居士
かつ丼の匂いにつられ自白する  小心居士
家庭内裁判白も黒になり  駄作
★ カミさんが黒だといえば白も黒  小心居士
関白も時を重ねて淡白に  純一
北生まれ憎し懐かし雪の白  蝉坊
木の芽和え豆腐に添えて旬を食べ  篤子
毛が一本生えてお日さま白くなり  蝉坊
血税で喰って冤罪知らんぷり  蝉坊
★★★ 広告の余白に記事がある雑誌  蚤助
この頃は白い着物が気になるの  霜降
この肌も子供の頃は白かった  伊閣蝶
★★★ 七難を隠しきれない山ガール  ちどり
染みそばかす手遅れですか美白の湯  ちどり
住職が檀家に薦める白髪染め  小心居士
16の夏に戻れるしらさき会  弧衾若衆
白菊に囲まれて尚観てる父  篤子
白雲に描いた夢を今も追う  霜降
白けても見に行く肥満の修行僧  弧衾若衆
しらふではとても言えないプロポーズ  猫じゃ猫じゃ
白を切るゼロ解答に黒い霧  流美ん
白い目で睨まれゴミの日を覚え  純一
白黒をつけ過ぎ出世灰色に  純一
★ 白黒を付けずグレーが心地よい  ちどり
白すぎる下着でふたり春に酔う  良弘
白ズボン汚さぬように勝負捨て  篤子
白ティーが下着に見える昭和顔  ちどり
白塗りのタレントみんなアホに見え  弧衾若衆
白旗を揚げれば楽になれるのに  蚤助
白星を奪い合っても杯逃す  篤子
白無垢は何度目でさえかまわない  猫じゃ猫じゃ
白飯を食いたい俺は鳥じゃない  篤子
新年を雪の白さがリセットす  弧衾若衆
尋問に記憶にないしらをきる  猫じゃ猫じゃ
新郎が白無垢を着る披露宴  芳男
唯白いだけで天の遣いと崇められ  篤子
旅支度空は白々まだ悩む  芳男
中天にかかると月は白くなる  伊閣蝶
角隠し白無垢の君艶やかに  篤子
手袋の白にかくしている野心  蚤助
白地図で自分探しをするなんて  蚤助
白髪の苦労話がエンドレス  蚤助
肌のシミ漂白無理かハイターじゃ  伊閣蝶
美白の湯長湯でのぼせ蒼白に  小心居士
陽を避けて空の白じら庭いじり  流美ん
夫婦不和愛児の脳に刷り込まれ  蝉坊
無精者汚れが目立つ白いシャツ  伊閣蝶
船出した児のキャンバスに波飛沫  流美ん
ホワイトカラー電球変えが難しい  篤子
本当のことは書けない以下余白  蚤助
真っ白になった脳みそ味がない  弧衾若衆
真白なブラウス着てる君が好き  篤子
眩しくて白いブラウス見ぬふりし  霜降
漫才の語りを超える白目出し  純一
盛塩の後は女将の顔になる  蚤助
山に牛見えて田植えの準備する  篤子
揺れながらヒコーキ雲を眺めてる  蝉坊
横綱が恥って何?と悩んでる  蝉坊
老後賭け詰めの一手で大逆転  篤子

■自由題

孫帰りオムツの山と筋肉痛 篤子


6月のお題/毎月25日締切り
1.「 恋 」 2.「 働く 」
出題・良弘さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表




《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575

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