けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2017年12月号 お題;「 暦 」,「 近い 」,「 飛ぶ 」 出題・蚤助さん

2018年01月02日 | 川柳

「 暦 」

朝起きて妻に曜日のまず確認  小心居士
あと1枚今年も成功ダイエット  篤子
良いことも捨て新しいカレンダー  良弘
お年玉新旧暦を使い分け  芳男
同い年占う結果同じだが  純一
おれの歳暦でわずか六十五部  霜降
改元に特需求めて血まなこに  純一
過去未来薄まっていく暦見る  霜降
加齢臭還暦祝い洗濯機  久美子
カレンダー1枚やり残し満載  ちどり
★ カレンダー妻の予定がまず埋まる  蚤助
変わらないこと願いつつ日をめくる  駄作
還暦も米寿の親にゃ子のままだ  純一
旧暦でこっそりやって来る行事  ちどり
クリぼっちSNSへ気がそぞろ  蝉坊
クリぼっちチン!とワインと達郎と  蝉坊
今年こそ言ってるうちは生きられる  弧衾若衆
ゴミ減らせ日めくりが説く自虐ネタ  純一
暦には内科に外科に接骨院  小心居士
暦見て気にもならない旗日など  猫じゃ猫じゃ
こよみ屋がこぞり旗振る皇居前  蝉坊
暦屋は年号だけを知りたがり  猫じゃ猫じゃ
じじばばはサンタの来ないクリスマス  ちどり
祝日が多いと文句退職後  小心居士
縄文の巨石探れば暦なる  篤子
職辞して連休探す苦労消え  芳男
西暦で語呂合わせする受験生  猫じゃ猫じゃ
大安の挙式にもある離婚劇  ちどり
たまにはが今年も来たよクリぼっち  蝉坊
でかいのはお得意さんだけお届けし  弧衾若衆
電話口暦に記す予定メモ  蚤助
★★ 倒産の社名暦にだけ残る  蚤助
年が申酉残される人は戌  芳男
日(にち)からと思っていたら月(げつ)もあり  弧衾若衆
入院の日を日めくりが教えてる  良弘
年末に替えた暦はまだ八月  芳男
★★★ 日めくりの相田みつをに毒づく日  蚤助
日めくりのようにめくった月めくり  蝉坊
日めくりをめくる父母無く年が暮れ  久美子
北斗見て柄杓付け根で目の検査  純一
木曜は寝るときはがすカレンダー  良弘
薬局の暦まだかという介護  蝉坊
雪どけも暦に化ける山の雪  篤子
往くこよみ好日偲び棄てがたく  蝉坊
良い年を願って吊るすカレンダー  蚤助
忘れたよ暦につけた丸印  猫じゃ猫じゃ


「 近い 」

朝早く顔見せが増える選挙前  芳男
イノシシよ出てくるならば夢でいい  蝉坊
うなだれちゃ駄目の思案がうつむかせ  蝉坊
駅近に住んでいるのによく遅れ  蚤助
遠近で上目下目のせわしなさ  猫じゃ猫じゃ
各ホールトイレが欲しい冬ゴルフ  純一
火葬場も老人ホームも約5分  弧衾若衆
家庭内別居も自然じじとばば  純一
加齢臭気にして保つ社会距離  純一
気心が知れて近いと思う友  篤子
携帯が親子の距離も近くする  久美子
★ 子が縁で近所の人の顔を知る  良弘
この距離はキスできそうと殴られた  純一
子の手品近くに寄ると怒り出す  蚤助
じいじいの口が臭いと素直な孫(こ)  弧衾若衆
舌を出す時が近づく閻魔前  霜降
自動停止付けても人にぶつけられ  小心居士
すぐ傍に居るのに誰も頼らない  純一
スケートに見分けがつかぬ2強女子  蝉坊
★ 側にいて話の遠いうちの人  ちどり
代替わりいとこが全部知らぬ人  弧衾若衆
段々と神に近づく認知症  蚤助
近すぎてスープが熱い親の家  猫じゃ猫じゃ
近すぎて好きですいえぬもどかしさ  猫じゃ猫じゃ
近づいてみるのが怖いわが容姿  駄作
年重ね違うドキドキ感じてる  久美子
ドライブイン昔喫煙今トイレ  小心居士
浪花節に似てなくもない北の婆  蝉坊
鍋挟み冷めた心を近づける  芳男
ばばと呼ぶフェイスタイムの孫の顔  篤子
引っ越して実家のそばを狙う妻  良弘
★★★ 独り居に猫一匹の暖かさ  ちどり
頻尿で夢が知らせる午前二時  芳男
夫婦仲遠い近いでここにいる  霜降
振り向くと額に三角巾を貼っていた  弧衾若衆
故郷は知っていた近況の嘘  蚤助
ポーカーに世界平和を賭ける奴  蝉坊
もう四十路あらほうと返す電話口  芳男
モンゴルも近くて遠い国なりき  蝉坊
横綱はリモコンに換えてパイプ椅子  芳男
類人猿以下のサルにもなれるヒト  蝉坊


「 飛ぶ 」

新しい翼を生やす定年日  蚤助
雨の日が好きで飛び込む水たまり  蚤助
イケメンが暖簾に壁ドン救急車  蝉坊
★★★ ウエストのくしゃみに負けて飛ぶボタン  篤子
打ち込んで詫びる効ありハゲ頭  純一
温暖化真冬に飛び立つ渡り鳥  芳男
蚊に代わり埃飛び散る年の暮れ  芳男
記憶飛ぶ嫌な思い出全部飛ぶ (≧∀≦)  篤子
希望者が飛び込んだ先夢絶たれ  芳男
姉弟で地獄へ歩む神の道  蝉坊
金星に飛ぶ座布団千秋楽  篤子
ゴキブリが飛んで家中大騒ぎ  蚤助
知らぬ間に羽根切りされて君と住む  良弘
すずめハエ独り暮らしを覗きに来  蝉坊
退職後ほんとに早い1年が  小心居士
大好きな彼へのメールハート飛ぶ  篤子
ため息が混じり飛ばないシャボン玉  蚤助
暖房で越冬気分真冬の蚊  純一
泥酔しハラスメントの記憶飛び  芳男
時を飛び青春の日に我をおく  霜降
飛びますと言いつつ少しあとずさり  猫じゃ猫じゃ
飛び回る孫に疲れて早寝する  純一
飛ぶ鳥を落とすことなく終末期  駄作
跳ぶよりも翔びたくなって飛べた鳥  蝉坊
白鳥が並んで飛んで冬が来る  久美子
飛距離には自信あっても乱れ打ち  純一
ひそひそと本音飛び交う舞台裏  蚤助
病院で幽体離脱してみたい  弧衾若衆
漂流へ東海(トンヘ)で戦死した父よ  蝉坊
吹けば飛ぶ将棋の駒に似た辞令  蚤助
★ 冬休み母は飛べない鳥になる  良弘
ふるさとを飛び出して知る人の情  霜降
ペインペインゴーアゥェイ痛いのみんな空の上  ちどり
北鮮の漁民ミサイル背に漁網  純一
ホルモンの怨念が呼ぶ消防車  蝉坊
ボロ舟ではるばる来たぜ函館へ  蝉坊
水たまり昔飛び越え今迂回  小心居士
乱れ飛ぶ怪情報にまどわされ  猫じゃ猫じゃ
眼には蚊が頭は今が飛んでいる  弧衾若衆
雪が飛ぶ音聞きながら帰り道  篤子
諭吉さま羽を休めにいらっしゃい  ちどり
指一本画面が変化何よこれ  弧衾若衆


1月のお題/毎月25日締切り
1.「 恵 」(恵み、恵む),2.「 変 」
出題・純一さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表


《 関連 gooブログ 》

ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575

蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、
街あるきと川柳や歌への視点
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110