けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2015年 7月号  お題;字結び「 休 」,「 塗る 」,「 小銭 」 出題・蚤助さん

2015年08月29日 | 川柳

■字結び「 休 」

家の猫鳴きつかれたか一休み  猫じゃ猫じゃ
腕時計主人が休みで時止める  伊閣蝶
俺休みランチとディナー任せたい  篤子
★★ 家事休む結果次の日倍返し  ちどり
休演を避けて舞台の裏の劇  流美ん
休肝日水と言う名のビール飲む  ちどり
休業の呑み屋湯治で燗啜り  蝉坊
休憩を取って目を閉じ夜になり  霜降
休日の疲れ取るため休暇出す  小心居士
休日のパパ脇役でいて平和  蚤助
休日は休まず遊んでしまう日  蚤助
休止符に指揮者の動き駒送り  流美ん
★ 急な客暫し休戦つくる笑み  流美ん
仮病だとばれてもしたいずる休み  久美子
ゲロッコも避暑地で過ごす夏休み  猫じゃ猫じゃ
★★ 玄関を出たら休まる月曜日  良弘
恋だってお休みしたいブルーデイ  蚤助
誤字脱字万事休すの赤っ恥  流美ん
時刻表眺めるだけで休暇終え  蚤助
渋滞になってガイドも小休止  蚤助
春夏秋冬暦が休みリニューアル  蝉坊
ダイエット1日くらい休みたい  篤子
代休日暇を余して仕事する  弧衾若衆
退職後休暇願いを妻に出す  小心居士
退職は病気休職期限切れ  芳男
太陽の休暇願いを誰が下げ  篤子
夏休み子供のいない盆踊り  駄作
夏休みなくして気づく素晴らしさ  猫じゃ猫じゃ
夏休みワクワクしてた現役時  猫じゃ猫じゃ
★ 日曜日みんな休みと思うなよ  久美子
入院で大事な休暇費消する  伊閣蝶
はしご酒だけはやめとく休肝日  蚤助
母・妻を休んでオレに休ませる  良弘
ヒレカツを食べつつロース箸休め  小心居士
分が悪くなると休戦求むパパ  小心居士
二人分弁当作って昼休み  篤子
古時計ときに休止符打ちたがる  蚤助
星取りにややを並べて休む場所  蝉坊
ポチと孫休めの声で腰下ろす  小心居士
右の脳左の脳も休暇中  蚤助
猛暑日はずる休みする気さえ萎え  流美ん
休み明け会社があってほっとする  蚤助
休み明け登校拒否の第一歩  篤子
休みたくなる日が来ない爺してる  弧衾若衆
休みなく襲いかかって来る熱波  篤子
休みなく働く人と使う人  篤子
休めとは体から抜くトゲ一本  芳男
連休が終わり財布が休暇入り  蚤助
連休も平日もなくあくび出る  霜降
連休を休み休みに言えばくれ  芳男
老僧が休み休みに経を読む  小心居士


■「 塗る 」

厚化粧すればするほど深いしわ  久美子
★ 家の色替わって迷う友の街  流美ん
嘘を塗り重ねて厚い面の皮  伊閣蝶
上塗りを重ねた末に無恥になる  駄作
絵手紙の滝の流れに涼をのせ  流美ん
★ 絵日記を赤一色に日焼けの子  良弘
お揃いの塗りのマイ箸持ち歩き  流美ん
衰えた肌艶隠す三度塗り  伊閣蝶
顔出したフラッシュバックを塗り込める  弧衾若衆
壁を塗る家は蒸し風呂ダイエット  猫じゃ猫じゃ
髪の毛を塗り忘れたと孫が言い  芳男
代わり映えしない昨日を塗り替える  蚤助
切手糊つい舌に塗る悪い癖  芳男
錆止めのつもり検診まめに行く  流美ん
参観日子供も迷う化粧かな  小心居士
白塗りで女に変わる心まで  猫じゃ猫じゃ
惣菜も料亭気分塗りの椀  ちどり
★★★ 粗茶ですと薄いお茶出す厚化粧  蚤助
★★ 頼もしい塗り絵の色がはみ出す児  蝉坊
長寿会落語の後の皹(ひび)の跡  小心居士
津軽塗仕上げに息を整える  蚤助
夏祭り絵師の魂大あばれ  流美ん
★ 塗り絵する母は童女の時過ごす  ちどり
塗り終えた巧みの技に猫の爪  小心居士
塗り込めた嘘に埋没羞恥心  篤子
塗りこめた恋が時々胸を刺す  霜降
塗り過ぎて鏡の中は福笑い  猫じゃ猫じゃ
塗りたての壁に絵心湧いてくる  蚤助
塗りムラが模様になった日焼け跡  ちどり
塗りムラを直す左官は息をつめ  蚤助
塗りものをひろげて想う郷の春  蝉坊
ネイル塗る爪小さくて拡大鏡  篤子
ネールしてスクール水着夏休み  良弘
母娘して顔指塗って俺は壁  小心居士
日焼け止め塗っても効かぬ甲子園  久美子
粉飾といいたいほどの厚化粧  蚤助
法隆寺土塀は手軽にサイディング  霜降
ポカの日の空を夕陽が紅く塗る  蝉坊
見えぬとて端の上塗り袖に付け  芳男
緑塗るように広がる山の木々  篤子
眼の縁が黒く塗られてフラメンコ(オ~レ!)  蚤助
夕暮れに覚悟を決めて紅を塗る  弧衾若衆
横文字が苦手で顔に塗りました  蚤助
リップクリーム塗って気分はニューハーフ  蚤助
料理するタレント爪を赤く塗り  蚤助
わが愛車塗装の色も九年落ち  伊閣蝶


■「 小銭 」

★★ 縁日に楽しく揺れた小銭入れ  流美ん
お年玉小銭は嫌と拒否される  久美子
重過ぎる財布の中身小銭だけ  久美子
額よりもピカピカさがす孫二人  弧衾若衆
神様も小銭ばかりで力出ず  猫じゃ猫じゃ
行列は小銭を探すレジの前  芳男
宮司さん小銭の音で額当てる  小心居士
くたびれていない硬貨の生まれ年  蚤助
腱鞘炎小銭に遊ばれ四苦八苦  篤子
小銭入れ電子マネーで失業し  駄作
小銭入れ持って並んだ赤電話  ちどり
小銭でもエラーになれば金になる  霜降
小銭ない立て替えといてそれっきり  猫じゃ猫じゃ
小銭なく賽銭投げる輪に入る  小心居士
小銭にも役割がある夏祭り  良弘
御紋貨幣価値はなくとも手放せぬ  流美ん
賽銭の音が気になる前後ろ  久美子
賽銭の額に見合わぬ願い事  伊閣蝶
仕送りを待って数える銭の音  霜降
自販機が好きでお札は嫌いな子  良弘
★ ジャラジャラと神仏気付くように投げ  流美ん
汁の実もカードで親爺買いやすい  蝉坊
ストラップ縁起かついだ五円玉  流美ん
そば代を小銭で払う落語好き  猫じゃ猫じゃ
大願を小銭に託すお賽銭  蚤助
駄菓子屋で小銭ばらまく昭和の子  蚤助
貯金箱振ってふくらむ夢の音  流美ん
釣銭へ電子マネーの堅い守備  蝉坊
飛び乗って小銭足らずボタン押す  篤子
入退院100円ショップ経由して  蝉坊
野仏の膝に小銭が置いてある  蚤助
8パーで膨らむ財布補助貨幣  ちどり
引き出しの小銭文句を言いたそう  蚤助
百円の価値を歩いて知った脚  蚤助
百均で紙幣を無くす口惜しさ  蚤助
ポイントが小銭に変わりカード増え  芳男
ボクの昭和十円玉のラブコール  蚤助
ポケットに小銭見つけた貸衣装  蚤助
ポケットの重み確かめもう一杯  弧衾若衆
万札を出した矢先に銭ほろげ  芳男
/「ほろぐ」は方言で落とすに近い表現?
水溜り小銭拾ってスマホ落ち  小心居士
両替機賽銭箱と並んでる  小心居士
レジ前は準備してても札を出す  久美子
レジ待たせ小銭揃えて得意顔  篤子
わが財布お札も入る仕様だが  伊閣蝶
割り勘で小銭がないと逃げられた  伊閣蝶
割り勘の端数でもめる酔った客  蚤助


自由題

歳をとるほどに体力自慢する  伊閣蝶
無いはずの谷間を汗が日々流れ  篤子
腹壊し絶食治療胃が嘆く  伊閣蝶


8月のお題/毎月25日締切り
1.「 音 」 2.「 絵 」
出題・伊閣蝶さん


五十音順 / 会員による互選 /
★★★=天,★★=地,★=人 /
互選結果は翌月公表



《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110