けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2013年06月号  お題;「 計画 」,「 奏でる 」  出題:流美んさん

2013年07月04日 | 川柳

「 計画 」
青い空脳裏に表がないくらし  蝉坊
朝散歩昼も散歩と犬ねだる  芳男
明日(あした)から書くぞと今日も書く日記  蝉坊
遊びまで計画的で休まらず  駄作
後僅か減量計画祝い酒  芳男
歩くことしない人らが造る街  蚤助
いつの間に妻の料理が苦くなる  小心居士
彩りの予測を越える万華鏡  流美ん
△ インフレを少し織り込み夢を描く  満太
エスケープ悟られぬよう最後尾  蚤助
外人の行司土俵に立たす案  蚤助
会葬の帰路に健康本を買い  蚤助
家計簿の収支つかない無計画  篤子
完璧に根回し済んで挙手揃う  蚤助
気にするな倒れるものよ計画は  伊閣蝶
△ クロールをマスターしたいアマガエル  蚤助
黒幕は娘実行犯は孫  蚤助
計画のかごめかごめで時が過ぎ  織妃女
計画の計画だけをする上司  良弘
計画は立てども御足伴わず  小心居士
計画を結果に合わせ書き換える  伊閣蝶
計画を研き続けて間に合わず  良弘
こうしたいいつの間にやらこうなった  弧衾若衆
骨董屋全部捌(は)けたら宇宙旅  蝉坊
今年こそ!日記表紙に書く決意  伊閣蝶
献立に色が零(こぼ)れる妻の胸  流美ん
三人と決めていたのに子だくさん  久美子
知らぬ間に高額保険加入され  小心居士
成敗をされても懲りぬ悪巧み  小心居士
せがれより夢は孫への贈与金  弧衾若衆
退職金家に注いで引きこもり  弧衾若衆
ダブル受験二代続きのこうのとり  蝉坊
断捨離に向いては明日に花持たせ  流美ん
茶柱に祝福されて練る間取り  流美ん
妻と子の計画ばかりのカレンダー  裕雅
定年へ予習もせずに行き当たり  蝉坊
テーブルに鍵と指輪と置手紙  蚤助
手帳から飲み会減って白紙増え  裕雅
TV欄一週間後まで予約する  篤子
飛ぶ屋号花道までの役作り  流美ん
○ トマト苗植えてお皿を選んでる  篤子
半ば過ぎ慌てて練るよ善人化  篤子
投げそうになった日もあり女性展  織妃女
夏野菜賄うはずの苗植える  篤子
夏休み去年も同じ反省文  良弘
何よりも財布が決める休肝日  蚤助
年金の皮算用が狂いだし  満太
80で登っているびょん八甲田  弧衾若衆
早植えし結実のころ寒戻り  芳男
被災地の夢は桜に咲いて散る  蝉坊
部屋割りはいびきで決めた旅の宿  蚤助
頬杖に過去と未来が釣り合わぬ  蝉坊
マイペースまず一杯が終電車  芳男
まず作る何か言われりゃ改善案  弧衾若衆
まだ五十賞味期限を書き換える  満太
見え見えの孫の企て乗ってみせ  小心居士
湖をそろばんずくが砂漠にし  蝉坊
無計画先に妹嫁に行き  久美子
無計画でも宝くじ大当たり  霜降
儲けさせ人の器量を試す神  蚤助
もくろみが親にバレてる籠の鳥  流美ん
盛りだくさん終わって足りない満足感  裕雅
有意義な計画だったズル休み  蚤助
予定表脳と体がすれ違い  織妃女
世の中はプラン計画吹き荒れる  霜降
冷蔵庫日替わり品で満杯に  久美子

「 奏でる 」
アカペラで最後の音がぶら下がる  伊閣蝶
足つぼで奏でる悲鳴ここかしこ  小心居士
雨粒が睡蓮鉢で演奏会  篤子
忙しい指揮者出たり入ったり  蚤助
胃の少し下をくすぐりチェロが鳴る  蚤助
鶯が奏でる山で酒交わす  裕雅
唸る弦マッチョなベース弾きの恋  蚤助
奥入瀬のせせらぎ琴のツメが泣く  流美ん
鬼瓦巣立ちへ叫ぶ母すずめ  蝉坊
親がいてピアノは休符ばかり弾き  良弘
音楽と数学のガク成り難し  弧衾若衆
音痴吹く口笛調子はずれてる  蚤助
改札の切符切る音今いずこ  霜降
顔見ずにメールで奏でる恋の詩  裕雅
楽器弾き奏でるまでに飽きが来る  芳男
○ ギター弾くまじめな父を照れてみる  良弘
杵柄(きねづか)が眠るギターに弦を張り  流美ん
救急とヘリ十条の二重奏  蝉坊
草むらの中から聞こえるペぺんぺん  篤子
酌むほどにギターが春を呼び起こす  蝉坊
喧騒を今朝も奏でる嫁・舅  小心居士
高音が出ずにマイルス個性出し  弧衾若衆
ご近所の今日のピアノも同じミス  蚤助
子守唄聞いてるような授業中  久美子
散歩行こ出口に並び大合唱  篤子
じょんからの三味線弾きの唸り声  流美ん
シンバルがジャーンと鳴って酔いつぶれ  蚤助
シンバルは最後の最後ジャンで〆  弧衾若衆
水滴の奏でる音がいとおかし  駄作
鈴虫の鳴き声涼み夏の夜  久美子
是非聞きたい愛のハーモニーどんな音  霜降
田植え後にカワズ合唱暑い夜  小心居士
チューニング挙げたタクトに息ひとつ  流美ん
疲れたと言って途切れたオルゴール  蚤助
つまびくと眠る思い出目を覚ます  蚤助
父ちゃんもギターを弾いた過去(とき)がある  満太
都心にも鳥の奏でる森がある  裕雅
なぐさめてくれる日もあるマイピアノ  流美ん
鍋釜をたたきヨチヨチ得意顔  流美ん
△ 鳴らしたよ昔はラッパ今はホラ  弧衾若衆
バイオリン鼻筋通る人が弾く  蚤助
廃校の歴史 ピアノが知っている  満太
歯車も眠くなったかオルゴール  流美ん
外れてる?頭中の音は合ってるよ  伊閣蝶
鳩が舞いチャペルの鐘が響く空  流美ん
半鐘が止んで風鈴鳴らす風  蝉坊
伴奏がタンバリンでは歌を消し  芳男
ハンドベルまでも「高い」を取りたがる  蝉坊
風雪は見えぬが見える三味(しゃみ)の神  蝉坊
夫婦だしハモっているのか俺たちは  弧衾若衆
笛吹けど踊らぬ部下と縄のれん  満太
孫が弾くピアノの音色筋が良い  小心居士
未消化のワカメが音を震わせる  芳男
むくつけき男の声のナビゲート  蝉坊
△ もったいをつけて出てくるアンコール  蚤助
森の樹が木の葉揺らして弾き語り  伊閣蝶
夕立をショパンになって軒で聴く  良弘
老若の嫁の和讃(わさん)が熱を帯び  蝉坊

自由題
杏あんず千切る手許せ糸染めに  織妃女
杏なり過ぎて忙中枝揺すり  織妃女
杏の実寝坊の窓をたたく朝  織妃女
議論した中身忘れてまた誘う  良弘
携帯を忘れて君にすぐ会える  良弘
喧嘩して友が友だと知って飲む  良弘
花咲かず節約飯に八つ当たり  篤子


五十音順 / 会員による互選 / ◎=天,○=地,△=人 / 互選結果は翌月公表

7月のお題;「 信頼 」,「 選ぶ 」 出題;俳蓮さん




▲「初夏の笠地蔵」
日本の伽話「笠地蔵」は雪国の吹雪の日が舞台。
こちらはブリッグズの「サンタのなつやすみ」
ならぬ「初夏の笠地蔵」。
伽話と数も同じ7体のお地蔵さま。
上手(右端)がひとりお小さいのが、
ディズニーの「みにくいアヒルの子」のように、
なんともユーモラスでした。  蝉坊

/ 埼玉・熊谷市・妻沼の「あじさい寺」・能護寺 にて




《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110