けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2018年7月号 お題;「 夏 」,「 流れる 」 出題・小心居士さん

2018年08月04日 | 川柳

「 夏 」

暑くても寒くてもムリ生きる幅  弧衾若衆
あったなら抜いてみたいな海の栓  蚤助
★★★ 異常なし大病院で涼む午后  蝉坊
打ち水は浴衣はしょってイケメンに  蝉坊
★★★ 大ジョッキあっぱれ夏を飲む女  蚤助
お隣の子等はしゃぐ声庭花火  ちどり
お化け屋敷よりも怖いよ朝帰り  蝉坊
思い切り切られて夏の庭の顔  蚤助
オリパラを観るか三途(さんず)で迷えるか  蝉坊
★ かき氷一さじごとに夏すくう  蚤助
蚊に食われ生きてることを確かめる  弧衾若衆
辛味噌と茗荷ですする冷奴  蝉坊
クーラーの音に負けない高イビキ  純一
クールビズ28℃じゃ暑いって  純一
サッカーの幕へ球音響き出す  蝉坊
ジジババがランドセル買う孫の夏  純一
重心が海側に寄るバスツアー  蚤助
節約はお休みしよう猛暑だよ  篤子
節約ももうこれまでだ冷房機  蝉坊
蝉聴かず近い真夏へ気が遠い  蝉坊
短パンとシャツだけでいて汗もかき  芳男
鎮魂の夏を歌丸和ませに  蝉坊
漬け込んだ胡瓜ばかりが食卓に  芳男
梅雨明けとともに始まる夏休み  蝉坊
遠い夏背のシミ語る恋の海  純一
図書館で1日過ごす暑い夏  小心居士
★★ 夏が来た婆ちゃんの首天花粉  ちどり
夏が来た昔楽しみ今苦痛  猫じゃ猫じゃ
夏が来た猛暑ですぐに秋を呼ぶ  小心居士
夏の海若大将が歌う恋  霜降
夏の虹かからなかった通信簿  蝉坊
夏みかんゴロゴロしてる坂の下  蝉坊
夏休み終わると財布冬休み  蚤助
夏休み猫が添い寝の昼下がり  猫じゃ猫じゃ
夏休みばかりか爺は四季休み  小心居士
夏休み孫の予定に爺合わす  小心居士
夏休み孫は喜び爺は泣く  小心居士
夏休みラジオ体操星三つ  猫じゃ猫じゃ
なんとなく蝉もバテてる炎天下  駄作
ねぶた見ず花火も見ずに夏が行く  久美子
年中で一番うるさい佞武多の夜  弧衾若衆
肌寒いうちに始まる夏バーゲン  篤子
パッとすぐ消える線香花火のような恋  蚤助
花火見て愛犬音がトラウマに  純一
半袖を七分に変えて夏すぎる  久美子
日傘から外れた肌の小麦色  篤子
ひと夏の恋捨て命大事にし  弧衾若衆
風鈴を吊るし近所の冷やかさ  弧衾若衆
祭り帯直してあげた認知症  蝉坊
真夏日は外に出れない北育ち  篤子
猛暑日が開ける公認ホームバー  蝉坊
猛暑日に電気とうなぎ急上昇  芳男
やっと来た夏暑すぎて秋よ来い  小心居士
来年は水着きるぞとダイエット  久美子
リリースを誓いますかと捕虫網  蝉坊
若者の影まで若い夏陽さす  霜降


「 流れる 」

愛という流す涙で落ちる人  弧衾若衆
汗がきらめく被災地のボランティア  蚤助
汗流し得たものだけを信じたい  蚤助
暑くても熱いお茶飲むばば育ち  篤子
あれもするこれもしたいと時流れ  芳男
★★★ 生き延びたそうめん元に戻される  純一
今は今時計係の貴乃花  蝉坊
ウインクが流れて当り堰に落ち  霜降
OBへ仕事を贈るサムライ・ブルー  蝉坊
鬼となる覚悟涙はすぐ乾く  蚤助
ガラクタの思いで流す断捨離で  芳男
川上へ届けて欲しい笹の舟  篤子
監督のスキンヘッドが減り始め  蝉坊
君思い灯籠流し見つめてる  久美子
黒四の放水ハート虹二重  ちどり
決勝戦投手も打者も玉の汗  篤子
現住所転勤ならば島流し  小心居士
号泣しタヌキになった君いとし  駄作
この旅路半端だらけで果てが見え  蝉坊
この春も時流に乗れず苦笑い  猫じゃ猫じゃ
子守唄ねろじゃねろじゃと老介護  蝉坊
笹船の作り方さえ忘れてる  久美子
ジェンダーは容れて男は蚊帳の外  蝉坊
小便も座って流せと再教育  芳男
女子高生暑さで顔がみなパンダ  小心居士
すっきりとその日暮らしの老介護  蝉坊
スポーツの汗が流していく虚飾  蚤助
星霜の流れせき止め友と会う  霜降
ダイエット汗流しすぎ熱中症  小心居士
男厨(だんちゅう)を力むと妻が肥大する  蝉坊
亭主にはGPSよりドラレコよ  蝉坊
定年で願うことなし流れ星  弧衾若衆
転勤で流れ流れてふりだしに  猫じゃ猫じゃ
どうせまたお友だちでしょカジノ法  蝉坊
灯籠も淀みで止まる過疎の村  弧衾若衆
ドン・ファンはホットコースで閻魔さま  蝉坊
長会議流れ作った人は消え  小心居士
流す汗皮膚炎起こす夏の時期  芳男
流れ星後で気づいた願い事  ちどり
流れ星願い長すぎ次を待つ  小心居士
流れ星願いはあるがジジ追えず  純一
懐メロは親世代のが心打つ  蝉坊
何もせず何も変わらず流れる日  ちどり
ニューモードもう来年の流行(はやり)売る  蚤助
人間の素晴らしいのは泣けること  蝉坊
禿げ頭流れる汗は柑橘系  弧衾若衆
ハモニカも吹き出しそうな超絶技  蝉坊
万物の流転を止める人の性(さが)  弧衾若衆
批判的ニュースは消して呑む議員  蝉坊
漂流はしても流されていない自負  蚤助
不器用に流れに棹をさしつづけ  猫じゃ猫じゃ
★ 舟遊びオール壊して漂流者  純一
ブランドが近づいて来る質流れ  純一
文科でも裏に流すか親の見栄  純一
★ 桃はもう流れてこないダムの川  蚤助
★★ 要注意息子が背中流すとき  小心居士


自由題

さあパット構えてはじく玉と汗  純一
脳みそも溶けだしていく油照り  ちどり


■8月のお題/毎月25日締切り
1.「 ひかげ 」,2.「 半分 」
出題・修さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表


《 関連 gooブログ 》

ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575

蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、
街あるきと川柳や歌への視点
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110