■「 酒 」
赤提灯内緒話も大声に 裕雅
あんた誰全ては酒のせいにして 弧衾若衆
いい癇とほめても追加しない嫁 良弘
胃検診下剤の変わりにビール飲む 芳男
居酒屋に上座下座のない気楽 蚤助
居酒屋はテーブル隔てて別世界 裕雅
いつだった二度と飲まぬと誓った日 弧衾若衆
色同じロイヤル瓶に梅酒入り 芳男
宴会をこなしてからの一人酒 良弘
怒っても泣いてもみんな酒のせい 篤子
お銚子をつけて評判右上がり 篤子
お通しが家族分出る父の夢 良弘
同じ店同じ面子と同じネタ 駄作
辛口の美味さを血筋教えてる 流美ん
寒風に首から入る縄のれん 蚤助
下戸なのにお猪口ばかりが増えている 篤子
午前様静寂の底に横たわる 弧衾若衆
コップから溢れ流れる気と涙 篤子
この猪口がいつも見ていた美酒悪酒 蝉坊
盛り場の交番修羅の夜が明ける 蝉坊
酒が先つまみは後と苦情言い 芳男
酒だけの注文客はつまみ出し 芳男
酒なくば桜も月も意味なさず 猫じゃ猫じゃ
酒飲めば恋しい人が明滅し 霜降
自慢するキリンはわかるアサヒだす 猫じゃ猫じゃ
ジャズに酔いたまには独り呑みもオツ 流美ん
勝利酒ドンチャンさわぎ目に凍みる 流美ん
スピーチの出番を待って酔えぬ酒 蚤助
大吟醸確信もって二本買う 弧衾若衆
月見酒月はちらっと見たっきり 蚤助
特急で五臓に届く熱い燗 蚤助
ナポレオン下戸も上戸もなぎ倒す 霜降
なみなみと注いでお口が迎えてる 篤子
飲み会でニセ虎になりうさはらす 猫じゃ猫じゃ
飲みこんだはずの不満を酒が吐く 蚤助
飲みたいがじっと我慢の未成年 久美子
呑むほどに君は汗まで蒸留酒 ちどり
呑めなくて涙を酒に流せない 篤子
晩酌はご飯したくの時にする 久美子
深酒を意見した奴先に逝き 蚤助
二日酔い二度と呑むかの繰り返し 篤子
また酒を悪者にして場を治め 蚤助
末期酒と言って今宵も飲みに出る 蚤助
メール来て軽く呑んでが午前様 ちどり
酔うほどに愉しさを増すアネが好き 篤子
酔っているときは忘れる薔薇の棘 蚤助
酔っぱらい役で芽が出た下戸役者 蝉坊
酔っぱらったネ合格発表の日 流美ん
酔わそうとしてまた君に酔わされる 良弘
来世でも確率100の呑み友さ 流美ん
若杜氏の汗も混じって純米酒 弧衾若衆
■「 光る(光り) 」
赤ちゃんの欠伸が移る日向ぼこ 蚤助
赤ん坊光るにこ毛にほおずりす 猫じゃ猫じゃ
朝日あび「今日最高に輝こう」 流美ん
足もつれ光る床だと手で撫でる 芳男
アタマ見て父だと当てる娘のチカラ 篤子
産まれたと携帯光り爺になる 蚤助
LEDつけて街路樹眠られず 蚤助
幼き日歌い走った「エイトマン」 駄作
神様に光りが足らん愚痴を告げ 弧衾若衆
雷が怖いふりしてしがみつく 久美子
群衆の中にぽつんと君が居た 弧衾若衆
好物は鉱石と書く光り物 ちどり
小春日のような眩しさいとおしむ 流美ん
木漏れ日に手を握りしめ老夫婦 弧衾若衆
衣替えお日様だって着替え中 蚤助
逆上がりできた日の空忘れない 蚤助
寒空に我が家の明かり見えたとき 良弘
省エネもイルミの光に忘れ去る 裕雅
少年が光をまとい駈けてゆく 霜降
死んだ眼も仕事終わると光り出す 裕雅
水晶を囲んで未来議論する 蚤助
誰にでもキラリと光る玉がある 弧衾若衆
ちょつと見て出された寿司は光もの 芳男
月あかり二人の影を追わないで 流美ん
点滅し急げ急げと信号機 ちどり
同窓会二十歳のころに会いに行く 霜降
永久(とわ)の愛蛍の舞いに誓う夜 蝉坊
トンネルに入ると起きるバス旅行 蝉坊
願いごと無視して来ない流れ星 良弘
猫の眼がケージで光る訃報の夜 蝉坊
花火の夜ゆかた姿が負けてない 流美ん
光ってる落ち葉がミンナ黄金なら 篤子
光りもの年をとるたびふえていく 猫じゃ猫じゃ
ひかりより速いはやぶさ過疎駆ける 弧衾若衆
光る海輝く素肌もう一度 猫じゃ猫じゃ
光る子を持ちたい母の胸算用 篤子
二人には眩しいほどの月あかり 久美子
冬晴れに虫干しをする夫婦仲 蚤助
ベスト着て光るタイピン闇の中 芳男
星空のキャンバスに描(か)く大花火 蚤助
眼力(めぢから)は親に負けない赤ん坊 蚤助
モノクロの記憶の中にある光 蚤助
もみじの葉光り出番を欠く箒 流美ん
12月のお題
1.「プレゼント」 2.「煩悩」
出題/弧衾若衆さん
五十音順 / 会員による互選 /
★★★=天,★★=地,★=人 / 互選結果は翌月公表
▲ アレチウリの果実
東京・板橋区・加賀・野口研究所/12.13. 2014.
冬場の自然は一見不活性に見えます。
道端のネットフェンスからはみ出している、
形も感触触感もキュウリそっくりの葉を見つけました。
ただ、果実と思われるものは瓜とは似ても似つかない、
金平糖/こんぺいとう/様の塊で、
四方八方にトゲを発する破裂する癇癪玉のような形をしています。
冬に活性化するキュウリもあるのかと調べてみると、
アレチウリという在来種の生態系に悪影響を及ぼす危険な帰化植物でした。
「荒地」という形容詞的な命名には「厄介者」という主観的なものを感じます。
実の表面を覆っている棘は、
乾燥すると音もなく鋭く指の皮膚に突き刺さります。
ニヒルな殺し屋のような怖さがあります。
植物界は一見不活性に見える冬場にも、
黙々と着々と春に向けてエネルギーを貯えているようです。
特にモクレンやコブシのベルベットのような花芽や、
サクラの花芽の膨らみを見かけるたびに、そう感じます。
アレチウリ/荒れ地瓜/Sicyos angulatus/burr cucumber/
ウリ科1年生草本。英名はトゲのあるキュウリの意。北米原産の帰化植物。
名高い、セイタカアワダチソウ/背高泡立草/キク科多年草/などと同じく、
日本の侵略的外来種ワースト100に選定されています。
▲ アレチウリの蔓と葉と果実
▲ アレチウリの葉と果実
《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110
赤提灯内緒話も大声に 裕雅
あんた誰全ては酒のせいにして 弧衾若衆
いい癇とほめても追加しない嫁 良弘
胃検診下剤の変わりにビール飲む 芳男
居酒屋に上座下座のない気楽 蚤助
居酒屋はテーブル隔てて別世界 裕雅
いつだった二度と飲まぬと誓った日 弧衾若衆
色同じロイヤル瓶に梅酒入り 芳男
宴会をこなしてからの一人酒 良弘
怒っても泣いてもみんな酒のせい 篤子
お銚子をつけて評判右上がり 篤子
お通しが家族分出る父の夢 良弘
同じ店同じ面子と同じネタ 駄作
辛口の美味さを血筋教えてる 流美ん
寒風に首から入る縄のれん 蚤助
下戸なのにお猪口ばかりが増えている 篤子
午前様静寂の底に横たわる 弧衾若衆
コップから溢れ流れる気と涙 篤子
この猪口がいつも見ていた美酒悪酒 蝉坊
盛り場の交番修羅の夜が明ける 蝉坊
酒が先つまみは後と苦情言い 芳男
酒だけの注文客はつまみ出し 芳男
酒なくば桜も月も意味なさず 猫じゃ猫じゃ
酒飲めば恋しい人が明滅し 霜降
自慢するキリンはわかるアサヒだす 猫じゃ猫じゃ
ジャズに酔いたまには独り呑みもオツ 流美ん
勝利酒ドンチャンさわぎ目に凍みる 流美ん
スピーチの出番を待って酔えぬ酒 蚤助
大吟醸確信もって二本買う 弧衾若衆
月見酒月はちらっと見たっきり 蚤助
特急で五臓に届く熱い燗 蚤助
ナポレオン下戸も上戸もなぎ倒す 霜降
なみなみと注いでお口が迎えてる 篤子
飲み会でニセ虎になりうさはらす 猫じゃ猫じゃ
飲みこんだはずの不満を酒が吐く 蚤助
飲みたいがじっと我慢の未成年 久美子
呑むほどに君は汗まで蒸留酒 ちどり
呑めなくて涙を酒に流せない 篤子
晩酌はご飯したくの時にする 久美子
深酒を意見した奴先に逝き 蚤助
二日酔い二度と呑むかの繰り返し 篤子
また酒を悪者にして場を治め 蚤助
末期酒と言って今宵も飲みに出る 蚤助
メール来て軽く呑んでが午前様 ちどり
酔うほどに愉しさを増すアネが好き 篤子
酔っているときは忘れる薔薇の棘 蚤助
酔っぱらい役で芽が出た下戸役者 蝉坊
酔っぱらったネ合格発表の日 流美ん
酔わそうとしてまた君に酔わされる 良弘
来世でも確率100の呑み友さ 流美ん
若杜氏の汗も混じって純米酒 弧衾若衆
■「 光る(光り) 」
赤ちゃんの欠伸が移る日向ぼこ 蚤助
赤ん坊光るにこ毛にほおずりす 猫じゃ猫じゃ
朝日あび「今日最高に輝こう」 流美ん
足もつれ光る床だと手で撫でる 芳男
アタマ見て父だと当てる娘のチカラ 篤子
産まれたと携帯光り爺になる 蚤助
LEDつけて街路樹眠られず 蚤助
幼き日歌い走った「エイトマン」 駄作
神様に光りが足らん愚痴を告げ 弧衾若衆
雷が怖いふりしてしがみつく 久美子
群衆の中にぽつんと君が居た 弧衾若衆
好物は鉱石と書く光り物 ちどり
小春日のような眩しさいとおしむ 流美ん
木漏れ日に手を握りしめ老夫婦 弧衾若衆
衣替えお日様だって着替え中 蚤助
逆上がりできた日の空忘れない 蚤助
寒空に我が家の明かり見えたとき 良弘
省エネもイルミの光に忘れ去る 裕雅
少年が光をまとい駈けてゆく 霜降
死んだ眼も仕事終わると光り出す 裕雅
水晶を囲んで未来議論する 蚤助
誰にでもキラリと光る玉がある 弧衾若衆
ちょつと見て出された寿司は光もの 芳男
月あかり二人の影を追わないで 流美ん
点滅し急げ急げと信号機 ちどり
同窓会二十歳のころに会いに行く 霜降
永久(とわ)の愛蛍の舞いに誓う夜 蝉坊
トンネルに入ると起きるバス旅行 蝉坊
願いごと無視して来ない流れ星 良弘
猫の眼がケージで光る訃報の夜 蝉坊
花火の夜ゆかた姿が負けてない 流美ん
光ってる落ち葉がミンナ黄金なら 篤子
光りもの年をとるたびふえていく 猫じゃ猫じゃ
ひかりより速いはやぶさ過疎駆ける 弧衾若衆
光る海輝く素肌もう一度 猫じゃ猫じゃ
光る子を持ちたい母の胸算用 篤子
二人には眩しいほどの月あかり 久美子
冬晴れに虫干しをする夫婦仲 蚤助
ベスト着て光るタイピン闇の中 芳男
星空のキャンバスに描(か)く大花火 蚤助
眼力(めぢから)は親に負けない赤ん坊 蚤助
モノクロの記憶の中にある光 蚤助
もみじの葉光り出番を欠く箒 流美ん
12月のお題
1.「プレゼント」 2.「煩悩」
出題/弧衾若衆さん
五十音順 / 会員による互選 /
★★★=天,★★=地,★=人 / 互選結果は翌月公表
▲ アレチウリの果実
東京・板橋区・加賀・野口研究所/12.13. 2014.
冬場の自然は一見不活性に見えます。
道端のネットフェンスからはみ出している、
形も感触触感もキュウリそっくりの葉を見つけました。
ただ、果実と思われるものは瓜とは似ても似つかない、
金平糖/こんぺいとう/様の塊で、
四方八方にトゲを発する破裂する癇癪玉のような形をしています。
冬に活性化するキュウリもあるのかと調べてみると、
アレチウリという在来種の生態系に悪影響を及ぼす危険な帰化植物でした。
「荒地」という形容詞的な命名には「厄介者」という主観的なものを感じます。
実の表面を覆っている棘は、
乾燥すると音もなく鋭く指の皮膚に突き刺さります。
ニヒルな殺し屋のような怖さがあります。
植物界は一見不活性に見える冬場にも、
黙々と着々と春に向けてエネルギーを貯えているようです。
特にモクレンやコブシのベルベットのような花芽や、
サクラの花芽の膨らみを見かけるたびに、そう感じます。
アレチウリ/荒れ地瓜/Sicyos angulatus/burr cucumber/
ウリ科1年生草本。英名はトゲのあるキュウリの意。北米原産の帰化植物。
名高い、セイタカアワダチソウ/背高泡立草/キク科多年草/などと同じく、
日本の侵略的外来種ワースト100に選定されています。
▲ アレチウリの蔓と葉と果実
▲ アレチウリの葉と果実
《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110