けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2018年4月号 お題;「 乗る 」,「 ふわふわ 」 出題・ちどりさん

2018年05月04日 | 川柳

「 乗る 」

荒波にゴール寸前呑み込まれ  蝉坊
勢いでのった結婚このとおり  弧衾若衆
石積んで三途の船を沈めたい  弧衾若衆
上野行き希望に乗った十八歳  霜降
上を見る癖を詐欺師が狙ってる  蝉坊
嘘つきを棄てるトラック数千台  蝉坊
「美味しい!」に乗って嬉しい茶の間シェフ  蝉坊
お手モリの不沈空母が沈みカケ  蝉坊
お友だちの乗りがホラーになっちゃった  蝉坊
おばちゃんが腹へこまして体重計  小心居士
オレオレをからかううちに乗せられルーム  小心居士
★ 会社では波に乗れずにいるサーファー  蚤助
銀行員投資話で夢に乗せ  霜降
★★ グリーン車も同じ時刻で到着し  弧衾若衆
車椅子乗って気付いた思いやり  純一
黄砂舞うどうも最近目が黄色  蝉坊
さすがニッポン!役所を語るアイドル系!?  蝉坊
自転車を教えた孫に手を引かれ  純一
シニア事故免許買上げして欲しい  純一
女性専用車へ戸籍忘れない  蝉坊
★ 知らぬ間に足で拍子の古い曲  芳男
新幹線乗車短かく高車賃  芳男
信頼度墜ちても空路ご夫妻で  蝉坊
相撲取り女性を乗せること禁ず  蝉坊
相談に乗った上司の薄笑い  小心居士
体重計絶対体重には遠い  蝉坊
タクシーは優先しない非免許者  蝉坊
ただ緊張グランクラスの三時間  弧衾若衆
玉の輿乗ったつもりが乗られてた  小心居士
妻の乗る体重計が可哀そう  蚤助
添乗員あごで人数確かめる  蚤助
飛び乗って降りたい駅は通過中  ちどり
日報があった!けっぱれ!東奥日報!  蝉坊
乗せてって先に言われて運転手  篤子
乗ってやる可愛い孫のつく嘘に  篤子
乗り降りで孫の喧嘩は世の縮図  芳男
乗りかけたうまい話はサギかもよ  猫じゃ猫じゃ
乗り損ね素知らぬふりのよっぱらい  猫じゃ猫じゃ
乗る船を間違えヒラで定年を  小心居士
80を過ぎて息子に譲る鍵  久美子
★★ 人恋し乗った振りする詐欺電話  ちどり
病棟へ廃品回収車の連呼  蝉坊
太っても痩せても同じバス料金  小心居士
船釣りで酔った撒き餌で釣りあげる  純一
ブランコにのるのらないで恋芽生え  弧衾若衆
ボーナスの出る人たちと乗る電車  蚤助
僕できる羽生選手のクルクルが  篤子
★★ 夜行バス他人(ひと)のいびきで徹夜バス  純一
★ 霊柩車初めて乗った高級車  蚤助
ローカル線車窓の景色独り占め  駄作


「 ふわふわ 」

アイドルに封印されたアンビシャス  蝉坊
朝帰り足はふわふわ気は重く  小心居士
今もっておふくろの味卵焼き  純一
エロい夢千々に乱れて佐渡の空  蝉坊
解散はないがあるかもクーデター  蝉坊
快復の願いも寄せて出すゼリー  蝉坊
軽すぎて羽毛布団は眠れない  弧衾若衆
カルメ焼膨らむほどに祖父の笑み  蝉坊
四月馬鹿「尻屋さミサエル落づだてな?」  蝉坊
釈明も女性蔑視の浅はかさ  蝉坊
白い雲目鼻を描いて動物園  篤子
好きな子の前で浮き立つ情けなさ  弧衾若衆
セクハラの国に五輪はそぐわない  蝉坊
洗髪後ふわふわもなく眼前の毛  芳男
育ってる埃の毬藻ドアの隅  ちどり
丹前に包まれて寝る祖母の家  弧衾若衆
タンポポの綿毛に耳をふさぐ子ら  純一
小さな眼綿毛の旅を応援し  篤子
独裁者ひざまづかせる独裁婦  蝉坊
ネコバスで木星土星を巡る旅  蝉坊
パウダーの雪は上達した気分  弧衾若衆
パスワード fuwafuwa に決め緩く生く  篤子
パティシエを初心無心にする指輪  蝉坊
歯も抜けてふわふわと聞くふがふが  芳男
春一番ふわふわ風船叩きつけ  篤子
春空に初夏を運んでいる綿毛  蚤助
陽に干した布団眠りを保証する  蚤助
陽に干して圧縮されてまた来年  芳男
美容院妻と娘がトイプードル  小心居士
風化した男社会が雪崩だし  蝉坊
風土遺産霞ヶ関の尻の火祭り  蝉坊
布団干しふわふわの夢連れてくる  ちどり
ふわふわがべとべとになる帰り道  久美子
ふわふわとタンポポぶらり家探し  猫じゃ猫じゃ
ふわふわとつかず離れぬ友と飲む  霜降
ふわふわとまどろむ時が桃仙郷  霜降
ふわふわな毛皮が好きな妻と猫  小心居士
ふわふわな夢見て飛んでベッド落ち  小心居士
ふわふわの仔犬の隣で眠る子ら  篤子
ふわふわの子猫もいつか猫又に  猫じゃ猫じゃ
ふわふわの布団意味なし子の寝相  純一
ボインは~!次官のためやナインやで~!  蝉坊
孫の手をはなれ風船一人旅  駄作
モンキチョウ脱走犯の視野を翔び  蝉坊
安ダウン脱いで抜けてる毛繕い  純一
臨月の母が子のため編む毛糸  蚤助
★★ 路地裏の話拾って飛ぶ綿毛  ちどり
綿あめの原価を知って起業する  弧衾若衆
綿あめをシェアして舐めた指どこへ  純一
綿菓子のようにふくらむ恋心  蚤助


■5月のお題/毎月25日締切り
1.「 つむ 」 2.「 はらはら 」
出題・芳男さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表


《 関連 gooブログ 》

ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575

蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、
街あるきと川柳や歌への視点
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110