けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2016年 7月号 お題;「 祭り 」,「 渇く(乾く) 」 出題・裕雅さん

2016年08月08日 | 川柳

■「 祭り 」

青森をアモーレ県にするねぶた  蝉坊
紫陽花を花火みたいと笑む娘  霜降
編笠の見えぬ顔にも祈りあり  弧衾若衆
宴終え人去り寂し祭りあと  純一
縁日をお騒がせした救急車  蚤助
お囃子も老老老の盆踊り  ちどり
お囃子を遠くに聞いてビールのむ  霜降
お祭りの後でやっぱり元の過疎  蚤助
お祭りの金魚と帰る肩車  蚤助
お祭りの度に増えてく金魚かな  小心居士
お祭りへ欲求不満捨ててくる  蚤助
お神輿の担ぎ手借りる過疎の町  ちどり
カーニバル翌年増える出生数  弧衾若衆
ガガシコの酒でハネ過ぎ腰立たず  純一
過疎の村人溢れてる祭りの日  篤子
★★ 肩車はしゃいだ君はもう二十歳  久美子
担ぎ手が卒寿の神輿徘徊し  小心居士
担ぎ手が飲みすぎ神輿担げない  小心居士
着慣れない浴衣で歩く夏祭り  蚤助
競技より集中させるリオ治安  純一
軽トラが神輿を担ぐ村祭り  蚤助
★★ 高齢化軽い神輿が売れ始め  弧衾若衆
★ 越してきた子を笑わせる夏祭り  良弘
さぶちゃんは競馬場でまつりづけ  猫じゃ猫じゃ
座布団が飛ぶ打ち出しを呑む暖簾  蝉坊
惨敗さ「日本死ね」も奪われて  蝉坊
シャラシャラと鈴の音聞こえ血が騒ぐ  篤子
人生の祭りあとは葬式か  霜降
新調の慣れぬ浴衣で盆踊り  裕雅
そう言えば祭りで会った人だった  篤子
単身で独り覚えたまつり縫い  純一
チャカシだのジャワメグ血潮としなんぼ  流美ん
継ぐ人がいない伝統笛太鼓  駄作
強いヒキ巻いたら隣が苦笑い  純一
出戻りの噂で神輿甦り  蝉坊
点滴に病気平癒の笹飾り  ちどり
★ 点滴を連れて窓から見る神輿  蚤助
寅がいた長閑な祭り今はなく  裕雅
夏が来て朝顔の鉢またひとつ  良弘
夏空へタナボタさまと祈る夜  蝉坊
夏祭り終わり一日が長い  蚤助
夏祭り学校帰りの二人連れ  猫じゃ猫じゃ
夏祭り浴衣の似合う娘(こ)に育ち  蚤助
何の日か分からないけど朝寝坊  久美子
賑わいをニュースで知る祭りあと  芳男
★★★ 逃げ切って次の祭りに発つ金魚  蚤助
女人禁制祭りは嫁に支えられ  蝉坊
女人禁制嫁にいわれる祭り中  蝉坊
★★ 姐さんが扇ぐ浴衣の脇の下  蝉坊
ねぶた去り見納めかもと古希祝う  弧衾若衆
人ごみを祭りと誤解田舎者  芳男
日の丸へふんぞり返る人の礼  蝉坊
笛太鼓聞こえて浴衣鈴つける  篤子
笛太鼓聞いてねぶたを見たつもり  久美子
仏像はヒューマニズムの形です  蝉坊
ポケモンも子供もいない村祭り  蝉坊
祭りあと帰りを急ぐ鈴の音  猫じゃ猫じゃ
祭りばやし西瓜とラムネ冷えて待つ  蚤助
祭りばやし誰も騒音とは言わず  蚤助
祭り日はナビに載らない道探し  芳男
祭り往く流れるねぶた観る花火  流美ん
見惚けてもみじ手探すねぶたの夜  流美ん
木曜に週の祭りはしまい出す  蝉坊
もめるならそれなら私出ますぞえ  蝉坊
夕暮れのうなじが白く夏終わる  弧衾若衆
浴衣着ただけで楽しい祭りの子  蚤助
よさこいで南国土佐の夏はじく  裕雅
世に祭り数々あれどオラホが一番  篤子
離脱派に後の祭りと残留派  小心居士
老健の神輿発泡スチロール  弧衾若衆
六魂祭絆が集う恐山  蝉坊
若者が減って神輿がよく落ちる  弧衾若衆


■「 渇く(乾く)」

朝一番バリウムうまい胃検診  弧衾若衆
朝帰り問い詰められて口渇く  裕雅
汗も出ず喉も渇かぬ老いの夏  裕雅
あの辺にまとめて降って欲しいんだ  蝉坊
雨の日もベランダの鉢水不足  ちどり
★★ 洗い別干されたシャツはくっついて  久美子
あれも干せこれも乾かせ口渇き  芳男
梅干しが増えるばかりの棚の奥  蝉坊
思い出は乾きもせずにひたひたと  霜降
かさぶたが剥けて細った向こう脛  蝉坊
加湿器を入れて和らぐ老夫婦  蝉坊
勝って飲む水がおいしい好ゲーム  蚤助
渇望と言ってはみたが余してる  弧衾若衆
ガラス窓磨いて楽し曇りの日  蝉坊
乾いた世弱者ばかりを食って生き  蚤助
乾きなく暑さ覚えず熱中症  純一
渇くのは喉か心か懐か  霜降
乾燥機熱気あふれる四畳半  猫じゃ猫じゃ
乾杯が済むとあいさつそっちのけ  蚤助
乾麺の小分けを探す爺ぐらし  蝉坊
草の香に近所の芝のファンタジー  流美ん
口呼吸渇きといびき妻逃げる  純一
★ 公約が水を欲しがる演説会  蝉坊
この色を速く描きたい水彩画  蝉坊
このごろはちょい漏れくらい乾くまで  芳男
この頃は指なめ捲る新聞紙  小心居士
★★ シャツ畳む妻にビールをついでやる  良弘
三味の音に乾いた心揺さぶられ  流美ん
小心の辞表のインク乾かない  蚤助
水源に誘導したい低気圧  ちどり
水兵がジョッキで観てる大リーグ  蝉坊
スカイツリーの向こうに夏の空が見え  蝉坊
成長で渇いた心充たされぬ  裕雅
世代間ギャップ乾燥注意報  蚤助
大家族悲鳴上げてる乾燥機  蚤助
唾液出ず汗も涙も出なくなり  久美子
知と涼を求めシニアは図書館へ  純一
釣果あり甘干しくばる日焼けの手  流美ん
梅雨空をにらんで回る洗濯機  霜降
定年後晩酌の友渇きもの  小心居士
東海の小島を知らぬ大砂漠  蝉坊
糖尿の疑いありか喉渇く  猫じゃ猫じゃ
ドライヤー要らなくなってはや五年  久美子
「とりあえず」いわれてビール泡を吹き  蝉坊
夏山の喉にゴクリと石清水  蚤助
★ なま渇き妻の衣服の陰になり  小心居士
何度でも洗濯したい五月晴れ  蝉坊
ニュー水着プール開けと雨を乞う  純一
塗りたてと座ってわかるなまかわき  猫じゃ猫じゃ
濡れたまま走って乾かす遊園地  弧衾若衆
のど渇きビールがぶがぶのど渇く  弧衾若衆
呑む君はいつも渇水注意報  ちどり
洟かんだガーゼの硬さ思い出し  芳男
歯の浮いた祝辞へビール走らされ  蝉坊
晴れるらしい…アリエールのつめかえ用!  蝉坊
干からびたダムだけ避けるゲリラ豪雨  篤子
品格は乾杯まではあったけど  蚤助
布巾にもリタイアが来て雑巾に  蝉坊
冬物を取り込む空に白鳥座  蝉坊
部屋干しにやたらと香るファブリーズ  純一
部屋干しの洗濯物に孫背伸び  ちどり
部屋干しのパンツ速乾扇風機  弧衾若衆
変化技心に決める力水  蝉坊
豊饒の海を煮干しに想いやり  蝉坊
干し餅の会話も風に凍る夜  蝉坊
水くれる人が居なくて皺だらけ  篤子
水虫がジュクジュクしてる乾物屋  蝉坊
物干しにエスエムエルが揺れ並ぶ  良弘
焼き肉へポンプ車を出す唾液腺  蝉坊
優しさは渇く心にゃ解るまい  蝉坊
世の中を甘く見過ぎてドライアイ  蚤助
涙腺が乾いて人は強くなる  蚤助
我が家にはつねに乾燥注意報  駄作


8月のお題/毎月25日締切り
1.「 雷 」 2.「 呼ぶ 」
出題・ちどりさん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表



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