けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2016年 1月号  お題;「 えにし 」 ,「 するり 」 出題・流美んさん

2016年02月08日 | 川柳

■「 えにし 」

愛犬が縁結びする散歩道  ちどり
あいつとの人生語る妻不敵  弧衾若衆
赤い糸強く引いたり緩めたり  蚤助
悪代官懲りずに結ぶ腐れ縁  小心居士
縁だと思えばすべて許される  猫じゃ猫じゃ
縁(えん)という居酒屋(みせ)で危ない客ばかり  蝉坊
★★★ 縁結び神の宮司に離婚歴  蚤助
縁結びここの神主まだ独身  小心居士
★★ お墓にはあなたではなくこの猫と  駄作
画家たちは好んで裸婦を絵にしたの  芳男
過去世にも会えていただろ夢仲間  流美ん
花粉症不思議なえにし父と娘に  芳男
からみあう前世の縁赤い糸  猫じゃ猫じゃ
虐待の脳裏で父母が鬼になる  蝉坊
★★ 切れかけた縁を繋いだ葬儀場  ちどり
偶然をえにしと思う恋心  霜降
くじ引きは残念賞に縁がある  蚤助
ゲス極みゲスな行いファン哀れ  純一
子が生まれ泣いて笑って老いてゆき  霜降
孤児院とあって親とはない縁(えにし)  蝉坊
ご先祖の顔見え隠れする孫の顔  篤子
ことすべてえんだ縁だ運命だ  猫じゃ猫じゃ
この景色あのとき夢で見たような  伊閣蝶
子ら受験ネコらは恋に落ちる春  蝉坊
婚活はLINEという名の赤い糸  ちどり
再雇用えにし頼りに賀状出し  芳男
自己批判こんな相手を選ぶ俺  伊閣蝶
借金と雁字搦めで切れぬ縁  小心居士
16の春に出会って100年目  篤子
神仏を仲人にして縁探る  霜降
人類は皆兄弟って嘘おっしゃい  弧衾若衆
「捨てる神」それとも「拾う神」なのか  伊閣蝶
宝くじ大金が切るお付き合い  純一
茶柱が立って一日何もない  蚤助
町会長すれ違っても分からない  弧衾若衆
勤め人「えにし」「きずな」に縛られる  伊閣蝶
妻だけが良縁だったと思ってる  小心居士
馴れ初めは高二の夏の隣り席  蚤助
似た気性そっと受け継ぐ取説書?  流美ん
ヌレオチバ祓って来世の夢を見る  篤子
恥を知り出世とまるで縁がない  蚤助
初恋に縁あったらと亭主見る  純一
初参り縁より円をお願いし  小心居士
初詣で吉揃うまで買い直す  純一
パワハラにこれも「えにし」か泣きっ面  伊閣蝶
夫婦とは選択できる「えにし」かな  伊閣蝶
惚れ合った二人の神籤吉と凶  蚤助
本年も期待されない年男  蚤助
町でよく見かける君が気にかかる  久美子
見えぬ糸なんて強くて神神しい  流美ん
見た目には切れそで切れぬ縁もある  小心居士
酔っ払う度に親子の縁切られ  蚤助
★★★ 来世では私に声をかけないで  久美子
良縁と言われ古希過ぎ腐れ縁  小心居士
良縁といわれ専業主婦でいる  蝉坊
類似点さがしてご縁感じてる  篤子
悪い子も俺の身を引くよくわかる  純一


■「 するり 」

編み針を糸行き来して着るセーター  篤子
洗い物手から逃げ出す皿茶碗  ちどり
潔い辞任なんだか拍子抜け  蝉坊
★ いつの間に手櫛するりと無抵抗  芳男
お互いの連れを値踏みしすれ違う  蚤助
お通しが溜飲下げる衣(きぬ)かつぎ  蝉坊
★ 聞いてない逃げる上司の常套句  純一
行列の終わりはいつも目の前で  純一
櫛の間が広く感じる後退期  純一
幸運はするりするりと避けていく  芳男
この腹も梯子くぐりができたのに  純一
婚活でごめんなさいが上手くなり  純一
財布からするりと抜け出る諭吉どの  猫じゃ猫じゃ
故郷(さと)の道ナビを寝かせてするするり  流美ん
幸せをするりと放す臆病モン  霜降
棄てた過去ポトンポトンと滑り落ち  弧衾若衆
スムージー野菜ぐらしの娘に学び  蝉坊
すり抜けた掴んだはずの赤い糸  ちどり
するするり人混み抜けて福男  篤子
するりとはことが運ばぬ人生は  猫じゃ猫じゃ
すんなりときゃりーぱみゅぱみゅ言えるかい  蚤助
政治家の資金使途はするり抜け  芳男
大安にするりと別れ話出る  蚤助
抱きしめたつもりの貴女夢だった  久美子
タレントの延命策がゴマする利  芳男
ついた嘘すんなり通り拍子抜け  蚤助
出迎えと思ったポチが外に逃げ  小心居士
転入生スカートのまま逆上がり  弧衾若衆
棟梁の年季をしめすカンナ屑  蚤助
十日ぶり出たぞスルリとサスペンス!?  蝉坊
特売日気が付きゃ妻は最前線  小心居士
どしゃ降りの雨にうたれて片す恋  流美ん
とろろ飯(まま)カポいで並ぶ駅トイレ  蝉坊
何事もするりとぬけるずるい人  猫じゃ猫じゃ
ニアミスの社長を避けて身を隠す  伊閣蝶
のど飴の力うぐいす嬢の声  蚤助
喉越しの良さでうどんの品定め  伊閣蝶
★ 飲み込みは早いが仕事遅い部下  駄作
福沢を崩せば財布だだ漏れに  伊閣蝶
ホイッスル長く響いて準優勝  篤子
本当は噛んで食べたい手打ち蕎麦  伊閣蝶
前髪がつかめず落ちるアリジゴク  篤子
前が皆転んでボクに金メダル  弧衾若衆
前の人当たり出たのに俺ハズレ  久美子
またしてもチャンスの背中お見送り  ちどり
満員の電車にするり入る技  伊閣蝶
約束をどちらも忘れつつがなし  蚤助
安くても喉越し同じ発泡酒  伊閣蝶
病み上がりぺろりと食えたとろろ汁  蚤助
雪煙あげてターンの背が素敵  流美ん
湯豆腐が喉をするりと落ちていく  蚤助
世の中を羽生みたいに滑りたい  小心居士


2月のお題/毎月25日締切り
1.「 豆 」 2.「 きげん 」
出題・猫じゃ猫じゃさん



五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表


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● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575