「 文化 」
朝飯(あさめし)が文化遺産で気合入れ 篤子
異文化が寄り添い暮らし真珠婚 小心居士
お上から格付けされて勲五等 満太
親も子も無為に過ごした文化の日 蚤助
学芸会たくさん練習成功だ 風優海
かじかんだ指にまつわるコギン刺し 弧衾若衆
学校は友達いっぱいでも勉強 風優海
★★★ 贋作の方が確かな筆づかい 蚤助
君が読む難い本でも読んでみる 久美子
★ ご機嫌を撮ってからゆく宮参り 流美ん
古典芸能義理で見るから眠くなる 蚤助
霜降りは霧の彼方がわが家風 蝉坊
縄文期此処が文化の発信地 篤子
食材にひと味足りぬリスペクト 蝉坊
すわB1並んでみると文化祭 霜降
ダイヤルの戻りもどかし黒電話 流美ん
食べ物屋ばかり並べる文化祭 良弘
ちょい照れの舞台懐かし文化祭 流美ん
チンドン屋ブンカブンカと聞こえ来る 芳男
停電でメシが炊けない食文化 蚤助
何故だろう欧州集中世界遺産 斜録
なつかしい文化会館カタカナに 猫じゃ猫じゃ
並作(なみさく)も金太豆蔵(きんたまめじょ)で泣き笑い 蝉坊
ヌードだと抽象画でもよく解る 蚤助
ねぶた師の酒にジャワめぐ夜は更けて 蝉坊
はやぶさに乗って見逃す人の息 弧衾若衆
美術館スマホで市況観て帰り 蝉坊
★ 人前で言えない趣味もまた文化 駄作
仏像を盗んでみれば文化財 猫じゃ猫じゃ
プリンタを蒔いてインクで採る果実 蝉坊
文化勲章寿命が尽きるその前に 蚤助
文化祭家では見せぬ笑顔の子 蚤助
★★★ 文化祭女装してから癖になる 久美子
文化財知らないうちに身売りする 猫じゃ猫じゃ
文化財盗難されて価値を上げ 芳男
文化祭よりも楽しい前夜祭 蚤助
文化とは住宅包丁文化鍋 小心居士
文化の日くらいテレビは父に貸せ 良弘
文化の日愚痴弁天に朝寝させ 蝉坊
文化の日日曜確認ほっとする 斜録
文化の日連休逃して腹が立ち 霜降
文明が文化に負けて平和来る 弧衾若衆
包丁を椿油が長船に 蝉坊
マクロではシナ文明の周縁部 蝉坊
道極め分別忘れ文化人 小心居士
目に見えぬ勲章をみな提げて生き 流美ん
文字化かしばかりが得意な文化人 斜録
焼干のママでねばかねウズのチャペァ! 蝉坊
ランプ宿蛍のようなスマホの灯 流美ん
リーダーをお探しですかオピニオン 蝉坊
「働く 」
あのままか揉まれたからかこの無邪気 蝉坊
今が旬だと言い聞かす年忘れ 流美ん
腕上げた弟子に勝手の笑い声 流美ん
栄転も左遷もなくて野良仕事 蚤助
お仕事の行きはマーチで夜タンゴ 弧衾若衆
親だって泣くのが仕事だったかも 蝉坊
おれおれは口が働き手は混んで 芳男
かすがいではたらく猫の好き嫌い 蝉坊
勘の良い妻への美辞が火に油 流美ん
気働き過ぎて火葬場予約する 蝉坊
勤務時間守った国が崩壊し 弧衾若衆
★★★ 金曜と日曜と味変わる酒 良弘
勤労を感謝されすに邪魔にされ 久美子
クマモンの働きねたむ他県人 猫じゃ猫じゃ
工事中機転利かせてナビを越え 流美ん
残業のはずの会社は電気消え 蚤助
★ 七人の敵が恋しい再雇用 満太
職奪う時間がくれたマイタイム 蝉坊
★ 職探し職安までで息上がる 小心居士
職求めまずは職安場所は何処 小心居士
背が凍る勘が働く朝帰り 小心居士
啄木はじっと手を見て歌浮かび 斜録
父は背を小さく見せて定年に 良弘
父母(ちちはは)の苦言が響く秋彼岸 流美ん
妻昼寝必死で働くECO家電 篤子
T・P・O求めすぎてか職遠く 小心居士
★ 定年し急に働く意欲湧く 霜降
出稼ぎがなくなったとき仕事なし 弧衾若衆
出稼ぎが戻る半年ぶりの紅 満太
「できません」知恵出す前に辞表出し 駄作
登山者のためにそびえる山じゃなし 蝉坊
能力に不満あるけど御曹司 蚤助
働いて気づかずにいた近所の目 芳男
働きが無いのに妻はスマホ持つ 篤子
働き手細るふるさとうらさみし 霜降
働くぞ働き者は宝物 風優海
働くとみんなの国がゆたかだよ 風優海
働くと迷惑かける人でした 蚤助
傍楽(はたらく)の家事は年中無報酬 ちどり
働けど働けどなお「働(はだら)げ」ど 猫じゃ猫じゃ
針の山蟻の命をとるじゃなし 蝉坊
人を見て責任重いと力抜き 芳男
不機嫌のオーラを避けて気働き ちどり
不景気で貧乏追いつく稼ぎなし 斜録
故郷の母の想いの宅急便 久美子
見習おう蟻の二割は働かず 猫じゃ猫じゃ
休みたいときに休める古時計 蚤助
★ ゆるキャラがパパの仕事と児は知らず 蝉坊
ランチして働く君にビール買う ちどり
リゾートに行くと言うけどアルバイト 蚤助
履歴書に貼った他人のような顔 蚤助
労働の意欲を言えば草食系 斜録
「七」or「五」or「三」の字結び
●「七」=23.7%=18/76
クマザサに七夕飾る児の願い 蝉坊
クリスマスソングを嫌う七面鳥 蚤助
七回忌叔父に献杯熱燗で ちどり
七回忌そろそろ柿も甘くなる 満太
★★ 七回忌仏の知らぬ子も座る 蚤助
七並べ止めてる奴は仕事でも 弧衾若衆
七難を隠す化粧は厚くなる 蚤助
七人の敵に手を貸すスギ花粉 蚤助
七年目モンローならばしょうがない 斜録
七福神沈没しない舟に乗る 蚤助
七夕に点字で書いた願いごと 蚤助
隣の葉七割うちの庭を染め 流美ん
七重八重厚着するのもエコライフ 猫じゃ猫じゃ
七転びして分別を身につける 蚤助
七転び八起きかそれとも八倒か 斜録
七歳の頃サンタさん家忘れ 良弘
孫並べ七福神とご満悦 篤子
まぼろしの恋に終わった震度七 満太
●「五」=27.6%=21/76
一寸の氷柱(つらら)に五分の春の色 蚤助
観戦に人気が出そう五輪書(ごりんのしょ) 蚤助
驚愕のラスト五分のエンディング 蚤助
クリンナップ一寸格下五番打者 斜録
鯉のぼり五月の空にある平和 蚤助
五十音順に並べて飲むクスリ 蚤助
五線紙をはみ出す爺の子守唄 蚤助
五人かん津軽一は世界一 猫じゃ猫じゃ
★ 五分粥に味が出てきた生きている 満太
五本指足にも有って難儀する 篤子
一生に一度は打てる五寸釘 弧衾若衆
実力を温存したままもう五十 駄作
その先が読めず打てない五寸釘 蚤助
鯛狙い潮目変わって五目釣り 蚤助
定年後妻より料理五つ星 小心居士
番組の五分の一はコマーシャル 蚤助
不景気で暇もてあます五時からも 斜録
孫と行くサンキュウカットで五分刈りに 小心居士
孫の手を手袋に入れ指五本 篤子
●「三」=28.9%=22/76
集まった三日坊主の習いごと 蚤助
運動は寝返りだけの三ケ日 蚤助
オール三個性がないと叱られる 弧衾若衆
キャラ立ちは三人程度が丁度良い 斜録
三十年不満が積もって土石流 ちどり
三本の矢も折れそうな消費税 満太
三枚目持って生まれて果報者 流美ん
★ じいさんのすねまでかじる三代目 猫じゃ猫じゃ
職安も顔馴染みです三年目 小心居士
じょんがらになる三味線は神がかり 蚤助
頼もしい妻の背中が三歩前 蚤助
抜け出せず妻の手のひら三十年 小心居士
歯磨きしお菓子を3つつまんじゃう 風優海
他人(ひと)の分盗ってくれるな三度目婚 蚤助
便乗でおかずが減った3円で 小心居士
★ 平成の路地に昭和の三丁目 蝉坊
三毛猫の顔が蒼いと愛猫家 蚤助
★★ 三ツ星がついて客より偉くなる 蚤助
三ツ星のシェフのハトコを知っている 蝉坊
夕飯も三分待てよと手抜きされ 芳男
ラッキーは断然3と巨人ファン 蝉坊
脇役でいると味出る三枚目 蚤助
●「七五三」=7.9%=6/76
七五三歩くリボンの一も連れ 蝉坊
七五三浮かれる親を子が叱り 蚤助
七五三お神酒舐めさせ未来問う 良弘
七五三可愛いかったが今誤算 久美子
七五三私がやる日多いよね 風優海
七転び五つ平場で三階段 芳男
●「七三」=2.6%=2/76
七三で私に似ちゃった息子チビ 篤子
面接へ七三になるアフロヘア 流美ん
●「五五」=3.9%=3/76
五分五分で迷った挙句の可燃ゴミ 篤子
定年後五分五分になる家事用務 芳男
縄暖簾五時だ五時だと腕を組み 流美ん
●「五三」=2.6%=2/76
再五輪三波春夫の唄がない 蝉坊
三寒が四にも五にもなる晩秋 斜録
●「 ∞ 」=2.6%=2/76
小指だけなぜかいっつも脱げている 篤子
妻待って夫カップにお湯を入れ 篤子
「自由題」
綾舞って誤りそして謝って 斜録
五十音順 / 会員による互選 /
★★★=天,★★=地,★=人 / 互選結果は翌月公表
12月のお題;
■「 馬 」 ■「 人 」 出題;俊明さん
▲「朝焼けのスカイツリー」
11月某日「アイソン彗星」をひと目見んと、
東の空を撮影しに午前6時前に起きたのですが、
地平線が建物でさえぎられ、
小宅からは見えませんでした。
後日太陽の近くで砕け散ったというアイソン彗星、
なんだか「おアイソンなし」でしたね。
ただ、澄み切った秋空にスカイツリーのシルエットが、
実にくっきりとしていました。 蝉坊
《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110