けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2017年9月号 お題;「 校門 」,「 触れる 」 出題・霜降さん

2017年10月04日 | 川柳

「 校門 」

赤門で写真撮るのも背が伸びる  純一
あこがれに終わった扉重く見え  弧衾若衆
裏門も人の数ある自由校  弧衾若衆
裏門を入り表で成功者  純一
思い出に浸っていたらポリスきた  駄作
学割よさらば卒業式の門  蚤助
寄付金は裏口だけを整備する  芳男
月曜の朝校門に送る母  良弘
★ 校長は校門前ではよく笑う  霜降
校門様から呼ばれいそいそ爺走る  篤子
校門でお辞儀をさせて売る未来  蝉坊
校門で通った記憶一度だけ  芳男
★ 校門と桜が残る過疎の町  ちどり
校門におたまじゃくしのまんまの子  蚤助
校門に遅刻許さぬ鬼の影  猫じゃ猫じゃ
校門にテレビスタッフお出迎え  猫じゃ猫じゃ
校門の蝉殻よりも焼けた顔  蝉坊
校門の側に輝く狭い門  芳男
校門の次のバス停までの恋  蝉坊
校門のドブで輝く胸ボタン  蝉坊
校門前伸びる子供と縮む親  純一
校門を第二志望が撮さない  蝉坊
校門を出るまであの娘待つ気配  蝉坊
校門を通るたびごと背丈伸び  霜降
校門を見て決意する志望校  蚤助
ご利益に石の校門触れてみる  芳男
桜散る門寄付金の脚重く  蝉坊
ジの直し潜った所がコウモンか  芳男
終業の子ら校門を駆け抜ける  良弘
女子大のゲートに光る守衛の眼  蝉坊
青春の傷校門の処に置いてきた  蚤助
卒業生校門出れば道別れ  霜降
遅刻慣れ校門ぬけて並足に  霜降
定年後孫の送迎ジジの夢  純一
出入りで感じが違う門構え  弧衾若衆
出迎える先生の目で機嫌読む  純一
同窓の出世頭は被告席  蚤助
ねぇ今日は一緒に帰ろ待っててね  篤子
春先は校門前に変な人  猫じゃ猫じゃ
偏差値が仁王立ちする門の前  蝉坊
放課後に待合わせちゃった焼き芋屋  篤子
★★ 放流のように校門出る学童(こども)  蚤助
学び舎も門扉を閉ざし塀の中  ちどり
水戸藩は赤でなく黄色い門  芳男
メンタルに負けた自分を見つめてる  弧衾若衆
門前に一礼したい娘の母校  蝉坊
夕方に出れば体もほっとする  弧衾若衆


「 触れる 」

赤ちゃんのほっぺ指紋でいっぱいだ  ちどり
飽きもせずハイタッチしてと孫せがむ  篤子
★★★ 家中の手を吸い寄せる新生児  ちどり
オーバーに悼み割り込む形見分け  蝉坊
核心に触れることなくだらだらと  猫じゃ猫じゃ
肩と肩触れてどきどき星の下  霜降
ガッチャギだ本籍トキョさ移しても  蝉坊
「気障りじゃ」ミニスカートへ母の声  蝉坊
記者会見不倫は文化と触れただけ  芳男
★ 傷口に触れずにおいたお説教  蚤助
琴線が電線のようタフな妻  純一
国宝になられ使えぬ盃となり  蝉坊
子の髪を深夜帰宅し撫でてみる  良弘
識別にしよか鏡の顔がいう  蝉坊
障害があるかないかで議論する  弧衾若衆
スマホ画面触れると登場今日の孫  篤子
先輩のミニスカートで進路決め  弧衾若衆
その日だけ完全サポート福祉の日  弧衾若衆
★ タッチの差俺は受付ヤツ新郎  蚤助
痴漢だといわれぬように乗る電車  蝉坊
痴漢出てふれあい広場名が変わり  蚤助
調弦が済むとこまではクラプトン  蝉坊
手が触れて電気が走る初デート  蚤助
手が触れてビビッと恋の導火線  ちどり
ドアノブで待ち伏せしてる静電気  蚤助
ドアノブに喜怒哀楽の指紋あり  蝉坊
泣き上戸機微に触れたと泣くテレビ  純一
にこやかな顔で揉んでる鬼グルミ  蝉坊
初めての花火離れてジイジの手  篤子
初孫はちょっとだけよと触れてみる  芳男
病院で赤児這わせてなごむママ  蝉坊
冬の朝昇天しそう静電気  純一
★ 触れたのをさわったという12歳  良弘
触れぬよう両手万歳電車乗る  純一
触れもせず終わった恋の口惜しさ  霜降
触れるから触るになって進む恋  蚤助
触れる度違った文字出る太い指  芳男
ほっぺたに触れて家族が始まった  弧衾若衆
満員で触れた触れぬで裁判に  猫じゃ猫じゃ
名工の指は仕上げにまだ不満  蚤助
元カノにちょすなと言われご破算に  弧衾若衆
桃の肌触れず爪立て買わぬ人  猫じゃ猫じゃ
山の神触ってないのに祟られる  駄作
ワンタッチ見知らぬ街で初カツラ  純一


10月のお題/毎月25日締切り
1.「 実る 」 2.「 酒 」
出題・良弘さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表


《 関連ブログ 》

ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575

蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、
街あるきと川柳や歌への視点
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