けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2013年05月号  お題:「丸い(円い)」,「誘う」 出題:満太さん

2013年06月04日 | 川柳

「 丸い(円い)」
穴あなに癖(くせ)ぐせがあるお焼き型  蝉坊
円卓に家族の歴史刻みこむ  裕雅
円満なふたり円舞を花道に  流美ん
△ 円満の秘訣と言われ口ごもる  久美子
落ち着いてみんなで丸く治めましょう  伊閣蝶
○ オメデタねいいえ幸せ太りです  桜選
肩書がなければみんな円く酔う  蚤助
カチューシャも母も笑っている写真  蝉坊
加齢など丸呑みにする妻の腹  蝉坊
恐妻家夫婦円満唱え寝る  霜降
食い込みはむくみのせいと思いたい  桜選
燻(くす)ぶりを丸め過ぎたら煙(けむ)がられ  蝉坊
口にする器はなぜか皆丸い  伊閣蝶
車座になると意見が円くなる  蚤助
敬老会自然と背中丸くなり  小心居士
子の未来指す羅針盤欲しくなり  流美ん
米を研ぐ母の背中の音で研ぐ  蝉坊
これからは丸く生きます角隠し  篤子
再雇用丸めて筒に表彰状  芳男
祭典は円い心で引き寄せろ  裕雅
◎ ささくれた青い意見を丸く聞く  蚤助
左遷地でまあるく生きる術を知り  満太
△ 寒い日の挨拶だけは丸く言い  篤子
△ 三角を丸く見せたい倫理観  弧衾若衆
自販機が好きで小遣い「札」はダメ  良弘
◎ 捨てようと決めた指輪がはずせない  満太
世界遺産地球丸ごとしたら良い  蚤助
△ 耐えるだけ耐えて雫(しずく)は丸く落ち  満太
疲れ気味ツッケンドンを円く受け  流美ん
月の出に手合わす祖母の願いごと  蝉坊
妻誘うエアロビクスに目が回る  小心居士
釣り銭が足りぬと客に媚びを売る  良弘
定年の我慢の父の背が丸い  蚤助
△ 尖ってた娘(こ)も親になり角がとれ  駄作
年かさね丸くなるのは体だけ  伊閣蝶
友が来てすさんでた気が丸くなる  良弘
なー母さん心も円くならないか  小心居士
○ 何事も先に謝る癖がつき  裕雅
のぞき穴先には何が見えるかな  久美子
ハナマルがにんげんくさい名教師  蚤助
一言を胸に納めて丸く生き  満太
独り酒丸い氷に癒されて  流美ん
フィットネスすればするほど丸くなり  小心居士
ブラウン管祖母の正座と向かい合い  蝉坊
フラフープやったお尻も今は垂れ  蚤助
ホールインワン御祝儀に目を丸くする  流美ん
まだ切れる缶切り缶に縁切られ  蝉坊
丸い鼻子孫につなぐDNA  蚤助
丸くなる体に心ついて来ず  良弘
丸くなるばかりで角(つの)の取れぬ妻  小心居士
丸付けは自分でやろう自主学習  弧衾若衆
丸付けを子どもにやらせ他の仕事  弧衾若衆
丸と角好みで喧嘩角が立つ  芳男
○ ○×を判断しかねて薄い丸  芳男
丸盆を持つ手鮮やか宴会芸  霜降
丸文字を真似て文脈昭和初期  芳男
満月が路地の二人に明るすぎ  満太
三日月を眺めてしまうネフローゼ  弧衾若衆
水面の輪魚もこちらの腕をみる  流美ん
もみじ手に乗ってしまった観覧車  流美ん
門限を忘れてしまう花時計  流美ん
酔い止めを飲んで二人の観覧車  蚤助
宵宮で射止めちゃったのダッコちゃん  流美ん
良縁は縁と円描き丸くなる  芳男
わからないばかりマルつくアンケート  蚤助

「 誘う 」
△ 会いたくて間違い電話かけてみる  良弘
アカシヤの花の香りに蜂走る  篤子
赤門が手招きしてる街あるき  蝉坊
朝帰り妻の手招き酔いが醒め  小心居士
飴チョコと誘いに負けてデブ続行  篤子
行ってみる?いつも気になる「お気軽に」  流美ん
上役の誘い断る異動時期  小心居士
大皿の残り物には手が伸びる  芳男
お嬢さんちょっとためらい振り向いて  弧衾若衆
お茶でもと誘われ茶の湯やらされる  蚤助
お年寄り誘い誘われ病院に  小心居士
お腹なり食事いかがと誘われる  久美子
開店のセール風船だけ人気  蚤助
風誘うだろが居てくれ俺の髪  蝉坊
完済の杯へ水注す墓地セール  蝉坊
緩和策円安誘い好決算  裕雅
今日うなぎ仕事を終えてすぐ帰宅  霜降
首長(くびちょう)に言わせて削る交付税  蝉坊
暗がりに行くとカレシの荒い息  蚤助
限定とうたって客を掻き立てる  蚤助
減量中酒飲み後のラーメン誘う  芳男
◎ 合コンのレベルで市場価値を知る  桜選
ゴーサイン出してもカレは渡らない  蚤助
心地よい講師の声によく眠れ  満太
断った宴で深酒数知れず  芳男
婚活の息子リードのショットバー  流美ん
さあ行くぞ声かけしても部下はなし  芳男
誘い水向けて後悔二日酔い  裕雅
誘おうかどうか?と思案「今でしょう!」  流美ん
誘おうと思った頃に誘い来る  蚤助
誘っても受け入れられず濡れ落ち葉  駄作
誘われた方が呼び出す予約席  蝉坊
誘われた理由(ワケ)は知らない方が良い   蚤助
誘われて払う時には割増で  芳男
誘われる側になりたい高望み  伊閣蝶
誘いなくゴールデンウイーク寝て過ごす  篤子
○ 残業に酒出るんだと子は信じ  良弘
山椒の花にも虫を寄せる術(すべ)  蝉坊
爺ちゃんが隠した籠へ蟻の列  流美ん
試飲会舐めるつもりがミイラトリ  流美ん
受験生鳥居をみれば頭下げ  霜降
△ 受信料はらわずはまるテレショップ  蝉坊
△ 招待券もらって義理を埋めに行く  蚤助
白い人布団の上に一周忌  弧衾若衆
推薦の入試一途(いちず)を誓わせる  蝉坊
好きなのに中々君を誘えない  久美子
そうでしょうビビッときたの最初だけ  弧衾若衆
△ 多数決挙手の多さに誘われる  小心居士
脱輪も招く五輪の牽引車  蝉坊
欺されて手練手管の意味を知る  弧衾若衆
誰が吹くねぶた囃子に血がさわぐ  流美ん
近頃は「ちょっと行くか」も要注意  伊閣蝶
茶柱に誘われ買った宝くじ  蚤助
ついてこい強く誘うが割り勘に  小心居士
通学路天へ急いだ友とゆく  蝉坊
「特売品」財布が緩む文字がある  満太
ネオン街看板揺れて「おいでよ」と  流美ん
飲み会に誘っただけでパワハラか  桜選
バイバイをしてる気がする招き猫  蚤助
バスケットバレー背丈で誘われる  蚤助
花ひとつ咲いたと誘う孫もいず  篤子
張り紙につられて覗く「セール中」  流美ん
春風に誘われ今朝は野草摘み  伊閣蝶
藤の花たわわに咲いて花見客  篤子
ポチだけが遊び相手に俺誘う  小心居士
孫誘い買い物帰り財布空  芳男
△ 見えぬ目に優しく香る花の道  篤子
△ めくばせの約束が待つ喫茶店  流美ん
優しさを撒き妻が待つ誕生日  良弘
酔った日は俺でもよくて送らせる  良弘


五十音順 / 会員による互選 / ◎=天,○=地,△=人 / 互選結果は翌月公表

6月のお題:「 計画 」,「 奏でる 」 出題:流美んさん




▲「シクラメン三姉妹」
ある接骨院の外観。
ちょっとした気配りが
町内ばかりでなく
通りがかりの街ウォーカーの心にまで
春のさわやかさを印象づけるものですね。
その演出精神に座布団3枚!  蝉坊
/東京・北区・滝野川



《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110