けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2013年04月号  お題:「 温泉 」,「 徘徊 」 出題:英治さん

2013年05月02日 | 川柳
「 温泉 」
朝御膳きのうの酒が下向かせ  蝉坊
硫黄ガス気になる露天負けるな屁  弧衾若衆
行ったらば入浴剤とは違う色  斜録
駅中とサービスエリアで浸かる旅  斜録
大広間補佐にあずける課長ショー  蝉坊
お猿には負けてならじと顔真っ赤  篤子
お局も浴衣選んでするターン  蝉坊
温泉で欲のハナシは掛け流し  蚤助
温泉と云えば不倫と疑われ  満太
温泉に行く勇気無しこの身体  久美子
温泉に行ったつもりで入浴剤  英治
温泉につかれば格差目立たない   蚤助
温泉は火山抱える代償か  斜録
○ 温泉は湧かず町費に湧く疑惑  蝉坊
温泉を巡って疲れだけ残り  蚤助
○ 肩こりも眉も流した露天風呂  蚤助
壁一つ一糸纏わぬ君がいる  久美子
カラスには温泉いらぬ樽有れば  篤子
乾杯をすませ上司は別の宿  蝉坊
クアハウスよりもやっぱり山の中  斜録
源泉が涸れて冷や水浴びせられ  蝉坊
源泉を引かれた晩に浴びそこね  蝉坊
効能に美顔を探すうちの妻  小心居士
効能を見ただけで身が軽くなる  久美子
効能を求め長湯で立ちくらみ  伊閣蝶
△ 混浴と聞いて眼鏡を拭き直し  芳男
混浴に浸る爺婆恵比寿顔  伊閣蝶
混浴にまだ頑張るの妻の声  小心居士
混浴に喜び行って猿ばかり  久美子
さて一杯月を眺めて極楽湯  伊閣蝶
地獄谷源泉として極楽湯  蚤助
下洗えそのまま入るな三時の湯  弧衾若衆
自宅風呂今日は箱根明日は伊豆(こ?)  英治
ジムよりも風呂がめあてのフィットネス  駄作
先客の野猿追い出し秘湯(ゆ)にひたり  満太
先客は満月だった露天風呂  蚤助
銭湯を温泉と呼ぶ子をほめる  良弘
増毛はあきらめたのに湯に潜る  小心居士
退職の寂しさ募る秘湯の湯  小心居士
脱衣場マジで防犯カメラなの?  蝉坊
楽しげな声が聞こえる湯気の奥  蚤助
団体の客であふれて秘湯とは  蚤助
照れ笑い温泉(ゆ)がすっぴんを忘れさせ   流美ん
日本海沈む夕陽で熱の湯に  篤子
入湯税ビジネスホテルにて払い  良弘
値段分入らなくちゃと露天風呂  篤子
覗かれた方が手を振る露天風呂  蚤助
ばさまでもすっぽり入れば美女に見え  弧衾若衆
秘境だと言われるところに秘境なし  斜録
秘湯にて山菜取りと鉢合わせ  篤子
△ 複雑だ妻と一緒の長寿の湯  小心居士
負傷兵より偉いよと婦人の湯  蝉坊
風呂の湯を変えず白濁硫黄泉  伊閣蝶
雪掬いうめつつ入る露天風呂  伊閣蝶
湯けむりの霞滴る白い肌  伊閣蝶
湯の花を溶かして入る自宅風呂  芳男
温泉(ゆ)の町で清流ひとの味を知り  蝉坊
湯の宿で上座の妻に酌をする  蚤助
◎ 湯巡りが楽しい下駄の二重奏  流美ん
ようこそも聞かず飛び込むお湯の音  蝉坊
ランプ宿麦茶で君がゆれて見え  流美ん
リハビリを皆勤させる温泉(ゆ)の癒し  流美ん
冷泉の効能頼り風邪を引き  芳男
連休は家で入浴剤比べ  良弘
△ 露天風呂覗いた猿が眼を覆い  流美ん

「 徘徊 」
行く当てもないというのに青信号  蚤助
一円でも安さ求めて徘徊す  英治
いつの日か名札を下げて歩くのか  弧衾若衆
△ お互いの健脚褒めて道迷う  蚤助
お迎えは脚と口から来いと嫁  蝉坊
片想い過ぎて腐臭のストーカー  蚤助
金かけず徘徊だけのテレビ増え  斜録
肝だめし夜は魔界になる校舎  流美ん
禁煙に足が香りを追いかける  小心居士
口紅の色変えそぞろ歩く春  蚤助
句を詠めば徘徊でなく吟行に  斜録
現在地知らずに地図を眺めても   蚤助
ご近所を夜に徘徊黄信号  英治
午前様妻の目を避け歩く俺  小心居士
◎ 探せないボトルを入れた店のドア  流美ん
雑踏を天下御免の千鳥足  蚤助
寂れ果て彷徨(うろつ)けぬほど飲み屋街   伊閣蝶
山菜が手招きをする獣道  流美ん
散策がいつのまにやら徘徊に  駄作
◎ 爺ちゃんは戦闘帽で出たっきり  蝉坊
GPS妻に筒抜け我が歩み  伊閣蝶
爺婆も見守っている新入生  篤子
実家無し婿取り故のプチ家出  久美子
終電に遅れあちこち迷い道  良弘
女子会の意気がそぞろの肩組ませ  流美ん
△ 心配をよそに笑顔の祖母見つけ  久美子
神仏に向かせ徘徊天国へ  蝉坊
ダイエット夜中うろつく台所  小心居士
泥酔の徘徊のあと記憶なし  芳男
どさ行ぐの図書館タダで暑ぐねえ  弧衾若衆
なぜかしらパジャマで散歩したい夜  良弘
日本中徘徊をした芭蕉翁  斜録
呑む気あり金がなくなり徘徊す  芳男
徘徊がじっとたたずむドッグラン  蝉坊
徘徊と言われぬための絵画帳  伊閣蝶
徘徊と見られぬように犬を連れ  蚤助
徘徊に明日は我が身の名札書き  篤子
△ 徘徊に鈴をつけろとタマがいい  蝉坊
徘徊のできる足腰羨まし  伊閣蝶
徘徊の流されまいというもがき  蝉坊
徘徊の花見へ孫の底力  蝉坊
徘徊の夢はレールを突き進む  蝉坊
徘徊は旅への誘いの第一歩  斜録
徘徊を業としている認知症  斜録
徘徊を老後に備え習慣化  英治
這ってでも行かねばならぬ職場なし  弧衾若衆
放たれていつ徘徊が降りるやら  蝉坊
久しぶり霊園で迷う墓参り  小心居士
ボケた振り徘徊するも布団敷き  芳男
戻されたハガキの顔にない住所  蚤助
予備軍は目的忘れ上がり降り  篤子
ラグビーのボールは当てもなく弾む  蚤助
老人が夜更けに探す親の家  良弘
わけもなくふらつく公園馴染み貌  小心居士
ワルねずみライ麦パンでつかまえて  蝉坊

「 自由題 」
手始めに言葉探して指を折る  ちどり
飲めません利き酒程度の酒好きで  ちどり
若き日を語って笑える仲間いて  ちどり

五十音順 / 会員による互選 / ◎=天,○=地,△=人 / 互選結果は翌月公表

5月のお題:「 丸い(円い)」,「 誘う 」 出題:満太さん




▲「 若鮎の二手になりて上りけり 子規 」の句碑
正岡子規の代表句をモチーフに、
かつては清流だった石神井川(しゃくじいがわ)の
美しからんことを祈念して建立されたものです。
いつもの散歩コースにあります。  蝉坊
/東京・板橋区「加賀第二公園」内


《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110

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