けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2014年10月号  お題;「 続く 」,「 宝 」  出題:流美んさん

2014年11月09日 | 川柳

■「 続く 」

飽きっぽい性格のまま六十歳  霜降
あしたする仕事をちょっと残しとく  良弘
明日分も飲んだ結果さ二日酔い  蚤助
あどけなさ手土産にして子の帰省  蝉坊
いい女数年ごとに現れる  弧衾若衆
いいとこで必ず続くサスペンス  篤子
いいところいつもつづくの文字が出る  久美子
遺産とは仏壇の親良く似たり  芳男
いつまでも続いてほしいこの景色  猫じゃ猫じゃ
エヌエチケ―日々山を出す八時半  良弘
OB会上下関係まだ続く  蚤助
伯母からの草書の手紙勘で読む  ちどり
★★  親心ハガキの表まで続く  蚤助
家系図の享年にみたある予測  蚤助
過疎地域線路は続く今のうち  弧衾若衆
凅れる日を遠ざけてるかナキボクロ  流美ん
北国の暖房しまう暇がない  篤子
恐妻の我慢の父の背が丸い  蚤助
金曜日酒かドラマをがまんする  良弘
クールビズ終わってすぐにウォームビズ  篤子
継続が元気の秘訣今日も呑む  ちどり
血圧のお薬出しておきますね  篤子
獣道信頼があと歩かせる  流美ん
ごきげんよう朝からリズム日が過ぎる  弧衾若衆
五十年厚い友情弔辞読む  猫じゃ猫じゃ
今年こそ言い続けもう半世紀  蚤助
探し物一つ出てきてまた一つ  篤子
三週間飛雄馬の魔球届くまで  わすれ草
爺婆がしてくれたこと孫にする  裕雅
下町に響く売り声三代目  桜選
渋滞の先に悠々ミニパトが  小心居士
出世して話どんどん長くなる  蚤助
焼香の列は途切れず経途切れ  小心居士
女系です時々猛女出る家系  わすれ草
震災の記憶が続く暖房器  芳男
政治家は叩けばみんな何か出る  桜選
洗剤を見せて隠して新聞屋  良弘
想像に任すENDに待つ続編  流美ん
続編の不満が観たい続続編  蝉坊
ダイエット懲りずに試し器具の山  小心居士
台風が過ぎても妻が低気圧  芳男
黙らんか静かにご飯食べさせろ  小心居士
地球には飢餓の国あり芋煮会  蚤助
つい癖で出会った人に名刺出し  小心居士
次は何?妻が始めるダイエット  久美子
続かないダイエットから貯金まで  猫じゃ猫じゃ
定年後やはり妻から前借を  小心居士
長雨の眼で褪せてくる空の色  蝉坊
中締めにまだまだいける顔集う  蚤助
火がついた説教過去にさかのぼり  流美ん
ひとつだけ命は命跡ひかず  弧衾若衆
一人立ちトイレに向かうと皆続く  裕雅
プロレスを未明に見せるテレビ局  蝉坊
凡人は死ぬまで尽きぬ悩み事  裕雅
見たくないCM見せて引っ張るな  蝉坊
三日だけ埋める日記帳懲りず買う  ちどり
見続ける夢に背中をちょい押され  霜降
婿養子ばかり細腕繁盛記  蚤助
モーニングコール先に言ってよオフ日だと  流美ん
別れよう間違ってキスまた暮らす  弧衾若衆


■「 宝 」

当たったら買わなくて済む宝くじ  蚤助
生きてきた宝探しの迷い道  霜降
要らないと人様捨てた仔が宝  篤子
おくるみの宝に包まれてみたり  流美ん
お宝を見せたがる人隠す人  蚤助
ガラクタも値段がついてお宝に  ちどり
きっとある金では買えぬ宝物  裕雅
今日もまた元気に生きて宝物  流美ん
原石と磨いた子供フリーター  小心居士
原石も磨かれぬ間に定年に  小心居士
甲子園スパイク入れが破れてる  小心居士
子宝が生意気になり磨きかけ  弧衾若衆
子の瞳キラキラ濡れる宝物  霜降
★★  子は宝そう思えない反抗期  久美子
木漏れ日の中で小鳥の声聞く日  篤子
子等くれた小ちゃな小ちゃな赤い石  篤子
窓際に死蔵されてる生き字引  蚤助
白銀も黄金も玉も子宝も  桜選
人生を狂わせてくれジャンボくじ  蚤助
過ぎ去ったあの雑言も宝物  蝉坊
少し前カメラ・車が今は杖  小心居士
捨てたのを後悔してる一年後  良弘
スマホでも孫の動画で宝物  芳男
全クールこなして命語る友  流美ん
疎遠だが蔵壊すとき駆けつける  小心居士
育つ猪口ある日宝の仲間入り  蝉坊
宝くじそろそろ我が家の番じゃない?  桜選
宝の子金で育てる家もある  良弘
宝船夢に出たのは空船か  霜降
宝船欲を積み込み沈みかけ  弧衾若衆
宝物セピア色した写真帳  猫じゃ猫じゃ
宝物タンスで眠りゴミになる  裕雅
宝船積みすぎ沈む夢を見た  小心居士
宝物何があるかと考える  久美子
宝物ひとそれぞれの胸の内  猫じゃ猫じゃ
宝物若さと言われ覚悟する  弧衾若衆
玉手箱開けなくたって老いはくる  蚤助
知恵もなく体力なくて口達者  芳男
付き合いで置かせた薬重宝す  篤子
妻指輪娘ピアスで俺入れ歯  小心居士
友達も家族もできて墓を買う  良弘
虹を見たあの旅の日が蘇る  流美ん
野山駆け川で魚釣りした時間  わすれ草
初仕事腰が怯んだ億の山  流美ん
引き出しの奥の思い出宝物  ちどり
他人(ひと)はゴミ私はたからそれぞれに  猫じゃ猫じゃ
福耳で聞いた宝の隠し場所  蚤助
便利な亭主いなくなったら暮らせない  わすれ草
宝物を小出しにしては肥える寺  蝉坊
朗らかな子らを育てたキャリア猫  蝉坊
掘り続け手にする前にあの世行き  弧衾若衆
まがい物はめた指輪は宝物  芳男
孫が来て大変ですと嬉しそう  蚤助
マチュピチュで亡妻(つま)が拾ったただの石  蚤助
ママ達は子宝忘れ昼談笑  裕雅
無位無冠晴れてユニクロ族になる  蚤助
桃太郎ちゃんと分けたか戦利品  弧衾若衆
モヤかかるカネじゃ買えないモノたちに  蝉坊
ユニフォーム泥んこにしてみな笑顔  蚤助
嫁さんが床の間背負う旅の夜  篤子
六十歳我社の宝とつなぎとめ  芳男
我が家にはみんなで守ることがある  良弘


11月のお題
■「 酒 」  ■「 光る(光り) 」
出題;猫じゃ猫じゃさん


五十音順 / 会員による互選 /
★★★=天,★★=地,★=人 / 互選結果は翌月公表




▲ハマナスの実
東京・北区・十条仲原・清水坂公園/2014.11.07

ハマナス/浜茄子,浜梨/Rosa rugosa/
Ramanas rose , Rugosa rose , Japanese rose
バラ科バラ属の落葉低木。
ハマナシがハマナスに転化。
夏に赤い花/まれに白花/を咲かせ、
根は染料などに、花はお茶などに、
果実はローズヒップ/rose hip/として食用に。
青森市ほかの自治体の「花」です。
ハマナスに因んだ懐かしい歌…。

「 知床旅情 」

森繁久弥 作詞・作曲

知床の岬に 「はまなす」の咲くころ
思い出しておくれ 俺たちのことを
飲んで騒いで 丘にのぼれば
遥か国後に 白夜は明ける

旅の情か 酔うほどに さまよい
浜に出てみれば 月は照る波の上
君を今宵こそ 抱きしめんと
岩かげに寄れば ピリカが笑う

別れの日は来た ラウスの村にも
君は出て行く 峠を越えて
忘れちゃいやだよ 気まぐれカラスさん
私を泣かすな 白いかもめを

1960/昭和35/年発表
「 」は筆者記入



《 関連ブログ 》
● ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575
● 蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、街あるきと川柳への視点。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110




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