けやぐ柳会! 「月刊けやぐ」 電子版

「けやく」とは、友だち、仲間、親友といった意味あいの津軽ことばです。

2017年11月号 お題;「 湯 」,「 煮る 」 出題・裕雅さん

2017年12月04日 | 川柳

「 湯 」

あく抜きに湯通ししたい頑固者  純一
朝一番白湯飲む人は腸美人  篤子
小豆湯(あずきゆ)に赤いほっぺの小正月  蝉坊
一番湯目指し徹夜のランプの湯  弧衾若衆
★★ 凍てついた心ぬるめの湯で戻す  ちどり
浮かんでる毛の数(かず)色で老みつめ  弧衾若衆
★★★ オーイお茶すぐにボトルが転がされ  蚤助
お酒飲む湯のみ茶碗に小指立つ  芳男
「お湯割りね?」湯気の向こうの割烹着  蝉坊
温泉で聞く同病のアドバイス  蚤助
★ 温泉で卓球をしただけの旅  蝉坊
カップ麺3分ずっと蓋見つめ  純一
金星(きんぼし)に風呂が波立つ東西(ひがしにし)  蝉坊
厳寒の風呂生き返る生きている  蚤助
国債を湯水の如く垂れ流す  裕雅
混浴に壁を築いた無粋者  弧衾若衆
白湯飲んで空腹我慢ダイエット  久美子
凍みだ足解けていくよな不老不死の湯  篤子
スマホから全ての情報隠れ里  弧衾若衆
ぜい肉へ少し濃い目のバスソルト  ちどり
★★★ 全国の車が並ぶ秘境の湯  弧衾若衆
千人風呂気が付きゃ周り婆だらけ  篤子
近頃は麦酒が麦茶風呂上り  小心居士
茶柱が倒れる音がしています  蚤助
中華屋で白湯(サユ)は出ないよ白湯(パイタン)よ  純一
定年に汗と笑いを湯に映す  裕雅
鉄瓶は自堕落者に暇を出す  蝉坊
湯治客カップで済ます朝ご飯  猫じゃ猫じゃ
ぬるま湯にどっぷりつかり出られない  猫じゃ猫じゃ
ぬるま湯のどこが悪いと浸かる風呂  蝉坊
★ 温湯でも君と並べば熱の湯に  篤子
ビューバスを向かいのビルが覗いてる  弧衾若衆
病院の重湯嬉しや次お粥  純一
昼の湯屋恐い親爺に富士の峰  蝉坊
夫婦仲湯たんぽに変わる冷えた距離  芳男
服は脱げ怒鳴って見たら日焼け跡  小心居士
風呂上り体重計にそっと乗り  小心居士
風呂好きの人に暮らしの愚痴がない  蚤助
暴力とぬるま湯糺す相撲道  純一
見るがいいじさまとばさまの混浴を  弧衾若衆
紅葉狩り酒を浮かべて露天風呂  裕雅
痩せ腕に愛人(れこ)の名前か男風呂  蝉坊
山の宿お湯を出たらばすぐに飽き  蚤助
湯上がりに腰に手をやりぐいと飲む  猫じゃ猫じゃ
湯加減がしあわせを呼ぶひとり者  霜降
湯加減も自動調整いい加減  芳男
★★ 湯加減を見に行きそのまま入る妻  蚤助
湯気見つめ人生見つめ夜が更ける  久美子
湯煙の中ではみんな美女でした  蚤助
湯けむりの向こうで猿が毛づくろい  駄作
湯冷ましがすぐにできちゃう親父ギャグ  蝉坊
★★ 湯たんぽが夜のお供の倦怠期  久美子
湯豆腐が楽しみという小市民  霜降
湯豆腐で一杯明日は年金日  蚤助
湯豆腐の熱々いいが喉悲鳴  純一
楽茶碗結構な酒ズズと干し  蝉坊


「 煮る 」

愛情も絆も煮込み囲む鍋  蚤助
朝焼けで煮えたぎった露天風呂  篤子
炒め物煮物に変わる創造性  芳男
一年の終わりに煮しめつついてる  久美子
一本の大根(でえこ)おでんに面取られ  蝉坊
おいしいよ別人メークのママ怖い  弧衾若衆
おせちでは煮物の意味も聞いたはず  純一
おでん鍋明日は妻が留守らしい  ちどり
おでん屋もおでん買うのはコンビニで  純一
同じ鍋つつけるうちはまだいける  蚤助
家計簿の赤字支えている煮物  蚤助
記憶から消したいやつを煮始める  弧衾若衆
北のデブ煮ても焼いても食えぬ人  猫じゃ猫じゃ
今日おでん明日もおでん又続く  久美子
グツグツと冬乗り越える鍋ができ  蚤助
クレーンが具材をかますいも煮会  猫じゃ猫じゃ
こないだの好評も足す鍋の味  蝉坊
山菜になって今年の味を煮る  蝉坊
三時間煮込み五分で胃に収め  蚤助
社長でも妻の前では煮え切らず  純一
正月は煮物ばかりと焼きを入れ  芳男
上司から煮られ焼かれてもう定年  弧衾若衆
縄文のカケラに魚盛ってみる  弧衾若衆
単身赴任煮物で呑める店探す  裕雅
「できるじゃん!」かかあの世辞が飛ぶ煮物  蝉坊
テレビにははらわた煮えることばかり  霜降
鍋しても煮詰まっちまう老夫婦  蚤助
鍋の具に妻の機嫌が見え隠れ  ちどり
煮え切らぬ夫を尻目に妻仕切る  裕雅
煮えたぎる怒り抑えてこそ上司  純一
煮えたぎる気持ち抑えてにこやかに  裕雅
にえたぎる情熱いずこ目を閉じる  霜降
煮え立ったお湯に浸して吊るし柿  小心居士
肉食の女おとこ煮っころがしにする(字余り)  蚤助
煮崩れたじゃががからかう箸の先  純一
煮過ぎないようにタイマーかけたはず  篤子
煮詰まったはずのリフォーム棚の上  蝉坊
煮詰まった見合いを消したクラス会  蝉坊
煮詰まらぬままに定年火を落とし  蝉坊
煮詰めても実行されぬ案たまり  駄作
煮て焼いて育てた部下に食べられた  小心居士
煮物する小さな鍋で老夫婦  篤子
飲まされた煮え湯を冷ます生ビール  蚤助
八甲田見えたできたかじゃっぱ汁!  蝉坊
沸騰も過ぎると恐い吹きこぼれ  蝉坊
古鍋をネットの鍋が棄てさせる  蝉坊
干しぶどう煮詰めて作ると皮残し  芳男
奴から湯豆腐になる神無月  ちどり
欲と情からみ議論が煮詰まらぬ  蚤助
四つ足が先に消えゆくいも煮会  猫じゃ猫じゃ
※入選句なし


■12月のお題/毎月25日締切り
1.「 暦 」 2.「 近い 」 3.「 飛ぶ 」
出題・蚤助さん


五十音順 / 会員による互選
★★★=天,★★=地,★=人
互選結果は翌月公表


《 関連 gooブログ 》

ただの蚤助「けやぐの広場」
川柳と音楽、映画フリークの独り言。
http://blog.goo.ne.jp/keyagu575

蝉坊「けやぐの道草横丁」
身のまわりの自然と工芸、
街あるきと川柳や歌への視点
http://blog.goo.ne.jp/keyagu0110




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