何にても道具扱ふ度ごとに取る手はかるく置手おもかれ
何にても置き付け帰る手離は恋しき人に別るゝと知れ
軽いものを扱うときに、さっと取ってさっと置くのでは、軽いものを扱っている
ことが誰にもわかります。
同じことが重いものを扱うときに、重々しくゆっくり持ったり置いたりしたの
では、重いものを扱っていることは誰にもわかります。
軽いもの(例えば、棗、茶杓、茶筅など)を扱うときも、ゆっくり取り上げ、
ゆっくり置く。逆に重いもの(例えば、水差しなど)を扱うときは、軽いものを
持つように持ち上げたり置いたりする。
道具を置いて手を引くときは、重いものでも軽いものでもさっと引くのでは
なく、ゆっくりと名残惜しく引くということです。
ゆっくり名残惜しくというと、恋しい人と別れる時の別れたくない、いつまでも
一緒にいたいという気持ちだと考えてください。
軽さ、重さを感じさせない心のこもったお点前ができるようになれば最高だと
いうことだと思います。
分かっていてもつい軽いものは粗相に扱いがちです。私はいつも師匠から
注意されていますが、何とかこの教えを自分のものにしたいとお稽古して
います。
お客様に感動を与えられるようなお点前ができるように精進しましょう。
(これは、私の個人的な解釈です。)