豆腐の上にスク(アイゴの稚魚)か
イカの塩辛、カツオの塩辛が乗ってくる。
塩辛のことを方言で「カラスグヮー」と言う。
カラスとは「辛す」の意。
沖縄では昔から、腐敗しやすい魚介類を
高温多湿から保存するための手段として、
数多くの種類の塩蔵発酵品が作られてきた。
その中でも、今でも受け継がれている沖縄独特の
塩辛としてスクガラスがある。
スクとは体長3センチほどのアイゴの稚魚の
ことで、このスクを自然塩で
3ヶ月ほど熟成発酵させると食べ頃となる。
そのままのしておいてもドンドン発酵し、
一年ほど寝かせると風味はいちだんと増す。
島豆腐の上に乗せて酒の肴として食べるのが
一般的だが、かってはサツマイモと
一緒に食べていたそうだ。
スクガラスの塩分がサツマイモの甘味をひきたてる
役目をしたのと同時に、サツマイモに
不足しているタンパク質を補ったのである。
近年、塩分控えめといわれ、塩分がまるで
毒のように思われている。
確かに化学調味料の塩化ナトリウムは
とりすぎると身体によくない。
沖縄のスクや塩辛は自然塩で作られている。
昔、塩化ナトリウムを使って、その年のスクが
全滅したこともあるそうだ。
沖縄では汗をかくので塩分補給のためにも
塩辛を好んで食べる。
