昔、10歳前後の貧困層の少年が、前借金と引き換えに
沖縄の糸満の漁師のもとで、年季奉公することを
「糸満売り」と言った。糸満に限らず、八重山や
他の漁村に売りに出された場合も「糸満売り」と言う。
海のカウボーイと呼ばれる佐良浜の追い込み漁をする
漁師の中にも、この糸満売りを経験したオジィ達が、
今でも活躍している。
沖縄では、駄々をこねて、言うことを聞かない子供に
親は「糸満に売るぞ!」というのが
昔の決まり文句であったとか。
どんな子供でもピタリと泣き止んだといわれている。
今は大橋が出来て、身近になった伊良部島。
以前は船に乗らなければ、渡ることが出来なかった。
宮古島にも伊良部島に渡ったことのない人の方が多い。
平良港の先に見える伊良部島は宮古島に住む人にとっては、
未知の島であった。
気性の荒いといわれている宮古島の人でも、伊良部の
人は気性が荒いという。
私の同世代の漁師仲間は、子供の頃、親の脅し文句は
「佐良浜に連れて行くぞ」だったそうだ。
この話にはまだ先がある。佐良浜に連れていかれると、
朝まで牛のフンを拾わされる。しかもそれを入れるザルは、
目が粗く、いくら拾っても拾っても抜け落ちて、いつまで
たっても拾いきれないそうだ。
この話は当時の子供たちに恐怖を植え付け、今でも
思い出すと怖さがよみがえるという。
いわゆるPTSD患っているわけだ。
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