子供の頃は、祖父母や叔母、父の友人などが一緒に住んでいて、
けっこうな大家族だった。 年末の大掃除や餅つき、正月行事に桃の節句や
端午の節句などイベントのようだった。
その一つに衣替えがあった。箪笥の中の着物を出してきて天日にあてる。
ついでに箪笥の中も大掃除に虫除けの入れ替え作業。
布団も空干しして夏布団から冬布団、冬の布団から夏の布団に交換する。
布団叩きでパンパンと叩く音が今でも耳に残っているような気がする。
本土では6月に夏服へと衣替えされるが、ここ沖縄では4月に衣替えがある。
銀行や会社では背広からかりゆしウェアーに、警察官の服装も冬の制服から
夏の制服へと 衣替えする。学生たちも黒い制服を脱いで、
白のカッターシャツで通学する。
ダイビングショップやレジャー関連には衣替えなどもちろんない。
TシャツにGパン、冬はシャツの上にトレーナーか薄手のダウンジャケット。
Tシャツ数枚とジーンズの2本もあればそれでいい。
沖縄というところは服装にお金がかからない。 1日の終わりに脱いだ物を洗濯して、
翌日には洗ったものを着るだけ。
靴など結婚式とお葬式に履くだけで、ほぼ一年中サンダルでいい。
民放が放送されるようになって若い人たちから服装の個性も出てきたが、
それまでは着てるものといえば、みんな同じようなものだった。
服装が夏服に変わるということは、もう寒い日は来ないと太鼓判を
押されたようなもの。 まずは服装から夏になる。