海水の温度が高くなっていることが原因とみられる
サンゴの「白化現象」が沖縄各地で確認され、今後、
海水温が下がらなければさらに大規模な白化現象が
起きる可能性がある。
白化現象とは、サンゴは褐虫藻と呼ばれるプランクトンと
共生しているが、その褐虫藻が海水温の上昇により失われる
ことで、サンゴの白い骨格が透けて見える現象。
白化した状態が続くと、サンゴは共生藻からの光合生産物を
受け取ることが出来ずに壊滅する。
国際自然保護連合などの調査によると、世界のサンゴの
3分の1の種に絶滅の危機が迫っているという。
2016年、エルニーニョ現象の影響で沖縄近海の海水温が
高くなり国内最大の珊瑚礁域「石西礁湖」を含む県内の珊瑚礁が
大規模な白化現象に見舞われた。
ようやくサンゴも復活し始めてきたところだった。
このまま海水温が下がらなければ前回の白化を上回るのでは
ないかと危惧されている。
サンゴは美しいだけでなく海の中で重要な役割を持っている。
たとえば、海の生き物の4分の1はサンゴを棲家に
していて、サンゴが死滅すると海洋生物の過半数が
いなくなると言われている。
実際にサンゴが白化して死滅していくと海の中の
音が消えて静まりかえる。
昔、海の映画で「沈黙の世界」というのがあった。
海の中は音のない世界と思われがちであるが、
健康で生き物溢れる海の中で耳をすませば
生き物たちの音がする。
その音が消えようとしている。
台風がくれば海水温が下がる。
来ても困るが、来ないともっと困るのが台風である。